2019年転職者数が最高に、堅調な雇用情勢受け

総務省は2月21日、2019年の転職者数が前年比7%増の351万人となり、比較可能な02年以降で最高になったと発表した。半数近くは若手だが、55歳以上の転職者も同72万人と全体の21%を占めた。堅調な雇用情勢を背景に、非正規雇用から正規雇用への転換も増えた。
転職者は08年のリーマン・ショック発生後に減少したものの、11年以降は増加傾向が続く。特に女性は出産や育児などを経て働き方を変える人も多く、19年の月次平均は9万人増の186万人で、男性の165万人を上回った。
年齢別では比較的転職しやすい15~34歳が全体の45%を占めた。55歳以上の転職者数も2年連続で20%を上回った。人手不足から定年後のシニア層を雇う企業が増えていることなどが背景にある。
「より良い条件の仕事を探すため」を前職の離職理由とした人は月平均7万人増の127万人。倒産など「会社都合」の離職は43万人、「定年または雇用契約満了」は49万人だった。15~54歳の働き手の非正規から正規雇用への転換も増加した。
19年の完全失業率は18年比横ばいの2.4%。1992年以来の低い水準で、3%を下回る「完全雇用」状態にある。有効求人倍率もの1.60倍と、過去3番目に高かった。売り手市場が続くなか、当面は転職市場も活況が続きそうだ。

引用:日経新聞 2020/2/21

─ YODOQの見方───────────────────────────

転職に関する意見で興味深い記事を見つけました。
リテンションマネジメントよりも重視すべきは「社外で活躍してくれればいい」という境地!? マイナビ 2019/11/19
リテンションマネジメントとは、リテンション(維持や保持)とマネジメントを合わせたもので、端的に言うと、人材確保の施策を意味する人材マネジメント用語です。優秀な人材が流出することなく、長期にわたって活躍できるよう様々な施策を行い、企業と社員間の良好な関係性を築き、持続していくことを意味します。
多くの企業が「社外で活躍してくれればいい」という境地を目指してくれれば、優秀な人材が増え、雇用の流動性が高まります。そして、そのような企業が多く存在する業界は、業界全体としての魅力も向上するでしょう。
もちろんこれは転職を支援する企業ならではの意見ではあるでしょうが、現状を前向きにとらえる言葉ともいえるのではないでしょうか。すなわち、
A社で育った人がB社で活躍して、スキルアップしてA社に戻ってさらに上のポジションを得る。そういう循環が育っていけば、業界全体(ITにかかわらず)のレベルアップ、サービスの向上をもたらす、というのは夢物語ではないでしょう。
そうなってくると、会社の看板を背負って仕事をするという文化はあまり重要ではなくなってきます。
もちろんそういう実力主義の世の中では、実力のない個人はふるい落とされ、実力のない会社はさらに停滞していくことになるかもしれません。
これは極端な意見かもしれませんが、以前、働き方改革に関するテレビ番組で紹介されていた企業が、「退職者が戻ってきても、すんなり受け入れられる社風を目指す」ということを話していました。
この姿勢、社風は、雇用の流動性が高まる社会において目指すべきものなのかもしれません。

参考:マイナビ 2019/11/19