なぜ外出自粛? 最良の感染防止策「人との接触を断つ」

新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京都は3月最後の週末を前に隣接する神奈川、千葉、埼玉、山梨の4県の知事とも連携して東京方面への外出の自粛を要請し、大阪でも府知事が不要不急の外出自粛を要請しました。
4月に入ってからは福岡県、大分県などでも同様の要請が県知事から出されています。なぜ感染拡大を抑えるための手段として外出自粛が有効だとされているのかと言えば、ウイルスに感染していても熱やせきなどの自覚症状がほとんどない人が出歩くことで、他人と接触し感染者の集団ができ、感染が連鎖していくというリスクを防ぐことができるからです。新型コロナウイルスは感染者の咳やくしゃみ、会話で飛んだ飛沫に含まれるため、周りにいる人がそれを浴びたり、ウイルスがついたドアノブや手すりを触った手で目や鼻、口を触ることで感染すると言われています。そのため、手洗いをしっかり行うことや三密空間を避けることも奨励されています。
そのウイルスの感染経路を断つために人との接触を断つことは「社会的距離」戦略と呼ばれ、世界各国でも程度の差はあれど実施されています。

引用:https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASN3W6G6LN3WPLZU001.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

日本各地で外出自粛が呼びかけられていますが、現在でもライブハウスや動物園などに行くという方のインタビュー映像が放映されていました。いつまでこの状態が続くのかという閉塞感や不安があったり、どこか他人事という意識なのかもしれませんが、この機会に自宅にいてもできることや楽しみを増やしていくことで倦むことなく外出を控えることができるのではないでしょうか。

政府が国民に自宅待機を要請しているイギリスでは、ユーチューブのライブ動画にあわせて子供たちが自宅で毎朝9時に体操する日課が広がっています。
また、外出禁止が続くイタリアでは自宅でスマホなどのビデオ通話機能を使い、食前酒を飲みながら語らう「バーチャル・アペリティーボ(食前酒)」が広がっているそうです。他にも同じ時刻に自宅のバルコニーに出て音楽を演奏して励まし合ったり、医療機関で働いている人に感謝を表すため拍手を送ったりする動きもあるようです。
オーストラリアではアーティストがSNSで音楽フェスティバルをライブ中継する企画が催され、チケット代として視聴者に寄付を募り約80万円が集まりました。

ライブハウスや劇場、博物館など人が集まることで収益を産む施設は今回の感染拡大で大きな影響を受けています。そんななか、株式会社タッグはVirtual Reality(仮想現実)において「Mirai Lab Virtual Gallery」という博物館、水族館、展示施設等の体験型webコンテンツを撮影から公開データまで無料で制作するサービスを提供しています。この製作費はどのように回収するかというと、入館料、物販などでの売上歩率を設定して、売り上げに応じて支払ってもらう仕組みになっています。またwebコンテンツに有料ゾーンを設けたり、Eコマース機能を追加して館内等で販売している記念グッズやお土産、EC限定の商品を販売することもできます。
また、葬儀でも感染が懸念されるため近親者だけで執り行う方が増加しているようで、冠婚葬祭業を運営する株式会社メモリードはスマホやパソコンでのライブ配信で、葬儀参列ができる新サービスを4月から開始していく予定だと発表しました。サービスの内容はサイトや葬儀の案内メールに添付された専用URLからクレジット決済で供花や供物を注文したり、香典を預けることもできるそうです。

このように、外出を自粛しなければいけない時だからこそ必要とされるサービスが新しく生まれたり、進化したりしています。そういったニーズを拾い出せれば新しい商機をつかめるかもしれません。個人でできることは感染拡大を防ぐため、できるだけ外出を控え、手洗い、うがいや三密空間を避けるなどの自己防衛です。企業としては社員の安全を第一に考えるだけでなく、自社でできることや必要とされているサービスを考えることも必要だと思います。

参考:https://www.asahi.com/articles/DA3S14421447.html
参考:https://www.tug-d.com/expo/index.html
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000025040.html