2020年 犯罪白書 若年層に大麻が広がる

法務省は24日、覚醒剤や大麻使用などの薬物犯罪を特集した2020年版犯罪白書を公表した。19年の検挙者は覚醒剤取締法違反が44年ぶりに1万人を下回った一方、大麻取締法違反は統計開始以降で最多。大麻取締法違反は20代が最多で、大麻が若者に広がっている実態を報告している。

毎日新聞 11/25総合面 20年版犯罪白書 大麻検挙、最多4570人 20歳未満41%増

また、同白書の内容によると薬物使用経験のある30歳未満の受刑者のうち、最初に使用した薬物は大麻が最も多い割合で、40%を占めた。大麻は薬物依存の「入口」として注目を集めている。
法務省 犯罪白書

─ YODOQの見方───────────────────────────

世界的には大麻(マリファナ)の扱いを合法化、非犯罪化する傾向にあります。
医療用としては大麻から抽出した成分が、がんやうつ病などの治療に効果を発揮するという研究が根拠となっています。
娯楽目的、嗜好品としては、「たばこやアルコールよりも依存性が弱い」という説を根拠に、うまく規制すれば新しい市場/税源になるという思惑があるようです。
解禁推進派はよく、「マリファナ」のネガティブな印象を避けるため「カンナビス」という単語を用います。

・ポルトガル
 2001年から少量の大麻所持が「非犯罪化」されている。薬物所持や使用が見つかると、法律家や看護師を含むコミッション(ソーシャルワーカー)が貧困状況などの相談を受け付ける仕組みがある。90年代に薬物乱用が社会問題化したための対策だが、実際に薬物の問題使用の件数は減少しているという。

・カナダ
 2017年に娯楽目的も含めて合法化。ウルグアイに続く世界2国目。

・ニュージーランド
 2020年10月に「嗜好用大麻の使用」について国民投票を実施し、反対多数で否決。医療目的では既に合法。

・アメリカ
 合衆国法では非合法だが、各州個別で合法化が進んでいる。
 2014年1月にコロラド州が全米初の嗜好大麻が合法化。
 2020年11月3日に行われた大統領選と共にニュージャージー州では住民投票を行った結果、「嗜好品としての大麻合法化」が決定した。
 全人口割合で3分の1を占める州が合法化されている。

アメリカでは「大麻解禁」の州は税収を増やすことができるため、ニュージャージー州に隣接するニューヨーク州でも、「急ぎ合法化して市場/税源を独占されないように」との意見が政治家から出ているようです。

東洋経済オンライン 「大麻合法」の州がアメリカで続出している事情

アルコール、香辛料、たばこ、機械、書籍、証券・・・数百年スパンで考えたとき、「外国で当たり前に流通している商品」は国境を超えて流通し、輸入品として生活の中に浸透してきました。国内で産業が興るきっかけにもなり、グローバルな経済発展の重要な種と言えます。

日本では合法化への抵抗が強いとの予想はできますが、経済的な圧力により、いずれ大麻解禁になるという可能性は頭の片隅に入れておいたほうがよいかもしれません。
冒頭の記事にあるように、特に若年層にとって大麻は薬物乱用への入り口になる懸念があります。特に子供のいる家庭では、家族を守るための教育、自衛の意識が必要になるでしょう。

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■備考

オランダ流・子供に大麻を始めさせないためのアドバイス

オランダは法的には解禁されていませんが、取締りが緩いことで有名です。
子供にとって「Noと言える」「たばこを吸わせない」というのが要点のようです。