大手百貨店/1月売上高は5社3割減、外出自粛・免税売上減響く

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は2月1日、1月の売上速報を発表した。三越伊勢丹33.2%減、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)33.4%減、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店)29.6%減、高島屋29.5%減、そごう・西武26.3%減だった。11都府県を対象に緊急事態宣言が発出され、外出の自粛により入店客数が大きく減少、福袋販売方法の変更、セールの分散開催、免税売上の大幅な減少が継続している影響などから各社の売上は約3割減となっている。各社が力を入れているECは好調に推移。バレンタインチョコレート需要が伸びている。また、ラグジュアリー商品は時計などが健闘している。

引用:https://www.ryutsuu.biz/sales/n020123.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

外出自粛により売上に大きなダメージを受けている大手百貨店ですが、丸井グループは2020年度第二四半期が前年比減ではあるものの、唯一の営業黒字となっています。

参考:百貨店上場12社の最新第2四半期「営業利益」ランキング「OIOI」はもうデパートじゃない

要因としては大きく2点あり、経営方針の転換を行っています。
一点は従来の百貨店の形態である仕入れ・販売を行う「デパート型」のモデルから、施設内にテナントを入居させて賃貸収入を得る「ショッピングセンター型」のモデルへシフトチェンジしたことが挙げられます。
二点目はクレジットカード事業等を含むフィンテック事業の拡充が挙げられます。
どちらも新型コロナウイルス以前からの取り組みであり、他社が即時対応することが可能な対策ではありませんが、1点目により外出自粛で客足が見込めない状況でも自社のリスクを減らすことができ、2点目では百貨店事業の売上のみならず、コロナ禍でも利用されるサービスを提供することができています。

参考:ポーター賞 株式会社丸井グループ カード事業
参考:丸井がクレジットカードの即時発行にこだわる歴史的な理由