新型コロナワクチン 国内初の正式承認 米ファイザー製 厚労省

アメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は2月14日午後、安全性や有効性などが確認されたとして、正式に承認したと発表しました。新型コロナウイルスのワクチンが国内で承認されたのは初めてです。
ファイザーのワクチンは、16歳以上が対象で、原則3週間の間隔をあけて2回接種します。正式な承認を受けて、今月17日にも医療従事者に先行して接種が始まる見通しです。政府はファイザーと年内に7200万人分の供給を受ける契約を結んでいて、順次、高齢者などへ接種を進めていく方針です。

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210214/k10012866411000.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

ワクチン接種による恩恵は主に3つ挙げられます。

1.感染を予防できる
ワクチン接種によりどれほど感染を予防できるか理解するには、ワクチンの有効性の数値が役立ちます。
有効性とは..例えば被験者のうち1000人にワクチン、1000人に偽薬を接種し、その後の疾患発症数がワクチン組が100件、偽薬組が200件発症したとします。ワクチン接種組が偽薬組と比べて50%発症を抑えられているとなるため、有効性は50%となります。日本で利用されることが決まっているワクチンの有効性は、ファイザー社95%、モデルナ社94.5%、アストラゼネカ70.4% となっています。数値をみると高い確率で感染を防ぐことができることがわかります(調査対象が十分でないとの指摘もある)。

2.重症化を防げる
ファイザーの事例では、43000人の参加者について、ワクチン接種を2回受けたワクチン組、ワクチン接種を受けなかった偽薬組を設け、重症化した10名のうち1名がワクチン組、9名が偽薬組だったとされており、重症化防止にも高い効果があることが予想されています。
モデルナの場合は参加者30000人で重症化した30名の内、30名全てが偽薬組だったようです。

3.集団免疫が獲得できる
人口の一定以上の割合が免疫をもつと、感染者が出ても他の人への感染が減って流行しなくなる状態になります。天然痘のような重大な感染症がなくなったことも集団免疫の力によるものです。
去年の予防接種法改正により、国民にはワクチン接種の努力義務が課されています。接種を行う期間は、令和3年2月17日から令和4年2月末とされていて、大半の人が年内には接種することになります。ワクチン接種のマイナス面をみて悲観的になるのでなく、ワクチン接種によるプラス面に注目して、前向きに考えていくのがよさそうです。