トラック運賃、8年ぶり下落 企業間の貸し切り荷動き減少/元請けが「中抜き」

企業間の輸送に使われる貸し切りトラックの運賃が約8年ぶりに下落した。新型コロナウイルス禍による荷動き低迷で運送業者の収益が悪化したことが響いている。

引用:日本経済新聞 3/5 朝刊

─ YODOQの見方───────────────────────────

記事の運賃は、東京大阪間のチャーター便についてです。
ここ数年、トラックドライバーの人手不足に対応して、賃上げ・運賃上昇の傾向にあったようですが、コロナ禍の影響はここにも及んできたようです。

業界別には特に飲食店・旅行などの業種が緊急事態宣言下の消費動向の変化により大きな打撃を受けています。
いっぽう生活に密着したところを見ても、ECサイトやネットスーパーで買い物をする機会は増え、街では出前の自転車を見る回数が増えています。
百貨店や大型飲食店舗では改装工事をしている売り場を多く見かけます。

運送業にもB2B、B2Cもあれば長距離、地域配送の違い、小売り店向け配送や建築資材など積み荷の種類も異なります。
全体平均では仕事が減ったとしても、一部では仕事が増えて忙しくなっているという声も実際に聞かれます。

「選択と集中」という言葉に代表されるよう、対象業種や提供サービスを絞り込んで専業とすることで効率化を図る経営戦略があります。
平時にはこの戦略が有効かもしれませんが、今回のような不測の事態には「脆さ」を露呈し、大きな影響を受ける可能性があります。

今回のコロナ禍だけでなく、リーマン・ショック、大震災・・・これらの事態は、いつどこで発生するかはわかりませんが、発生後には多くの人が「想定外だった」と振り返っています。
「平時」は10年続くとは考えず、次の危機・想定外に備えることが特に体力の乏しい企業では戦略として重要とういことでしょう。

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■ 備考
じゃがいも飢饉
Great Famine – じゃがいも飢饉

アイルランドでは18世紀に主食としてのじゃがいも農業が普及し、人口増にも寄与した。
19世紀に発生した「じゃがいも疫病菌」の流行により不作が続き、多数(~100万人)の死者を出した。
国外流出などを含めると、結果的に人口の25%が減少し、100年以上経った現在も往時の人口を回復できていない。

農業生産が単一作物に依存していたため、破壊的な問題が発生した例とされる。
※病原菌の流行の他にも食料政策の不手際や援助不足に要因があるとされている。