3度目のウッドショック 木材高騰、住宅が値上がりも

「ウッドショック」という言葉を耳にする機会が増えてきました。昨年後半から木材が手に入りにくくなり価格が上昇し、木造住宅の価格上昇や建設遅れが懸念されています。住宅の柱や「はり」に使う木材が歴史的な高値になっています。
歴史的な低金利で米国の住宅市場が活況なことが要因として挙げられる。

引用:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO72008440Y1A510C2000000/

─ YODOQの見方───────────────────────────

ウッドショックには様々な要因があります。

・日本の建築用材の半分が輸入材
・アメリカの木材需要が急増
・コロナ禍による伐採労働者の減少
・輸送コンテナの不足

輸入材に頼ることができないのであれば、国産材の出荷量を増やせばよいのではと考えられますが、そうはいかない事情があるようです。
日本の山は急峻で、国産材を伐り出すにはかなりコストがかかります。木材の自給率が下がったのも、1964年の木材輸入自由化以降、安価な輸入材との価格競争に負けたのが理由です。
補助金なしで伐り出しても赤字になるため、補助金を利用しながらあらかじめ決められた量を伐り出しているのが実情です。
つまり、需要が急に増えても補助金がなければ赤字だから伐り出せないというわけです。木を伐り出して製材できたとしても乾燥機に限界があります。

対策
「年間〇棟建てる」と予測できる工務店なら商社やプレカットと一定量の供給を約束するしくみを採用するかもしれません。
年間の買付量を約束する代わりに優先的に確保してもらうしくみです。実際そういったしくみを採用している工務店は今のところウッドショックの影響を受けておらず、当面必要な木材を確保できています。
しかしながら日本の大半を占める中小工務店はこうしたしくみを採用するのは難しく、しばらくは不安定な状態が続くと考えられます。

中小企業の経営において、先の受注の見通しを立てることの重要性と難しさを改めて感じました。

参考:https://nagakute-studio.com/2021/06/04/post-7327/