業務経験はお金で買えるのか

「お金を払えば、誰もが企業の開発現場でエンジニアとして業務経験を積める」──そんなサービスがネット上で物議を醸している。Twitterでは4月26日午後、「お金を払って働くのか」「そもそも業務経験と呼べるのか」など疑問の声が相次いだ。

話題になっているのは、コンサルティング事業を手掛けるVertech Consulting(名古屋市)が提供するサービス「ギミジョブ」だ。このサービスでは、まず同社が外部から、ギミジョブで使用するという同意を得た上で開発案件などを受注。ユーザーに、この案件をテーマにした機能開発などを行ってもらうことで、エンジニアとしての経験を提供するという。

引用:ITmediaNEWS 2021年4月27日付
『エンジニアとしての業務経験を「お金で買える」サービスに賛否 公式サイトはメンテナンス状態に 』

─ YODOQの見方───────────────────────────

ニュース公開当時、IT業界を中心に世間を騒がせたので、今現在どうなっているのか調査した。

この記事が投稿された4/27時点ではメンテナンス状態にあった公式サイトは7/15現在は復旧しており、上記サービスの受付も行っているようだった。
内容は、ほとんどがニュース記事の通り、ユーザーがお金を払って開発を行い、業務経験を積むことができる、というものだ。
記事から変わっていることは、月額が1万円増加の29,800円+税となっていること、新規顧客は毎月3名までの受付であることくらいだと思われる。その他、サイトには、ユーザーは業務に対して一切の責任を負わないこと、独学/スクールで3ヶ月以上のある程度の学習経験が求められることが書かれていた。

このニュースが話題になった理由は大きく2点だ。
1点目は、このサービスは法律に抵触しないのか、という点である。
これはサイトにも記載の通り、このサービスはあくまで教育サービスであり労働にはあたらない、としているため法には抵触しないと主張できるのだと考えられる。
公式サイトにも、小さく、弁護士監修の下、法に抵触しない形でサービス設計されています、との記載が見受けられた。

2点目は、本当にこのサービスは業務経験と言えるのか、業務経験はお金で買えるのか、という点である。
業務経験とは、その業務に従事したことのある人、という意味だそうだが、納期やノルマもなく、責任ももたない業務を、数か月行ったことは業務経験にはならないと私は考える。それはあくまでも実践形式の教育プログラムではないのだろうか。

もし自分が採用担当であり、このサービスの業務経験をもつ方の採用可否を考える立場であったらどうするか考えてみた。
評価できるのは、このサービスを受けるためにはある程度の知識が必要なため、必要最低限の知識をもっていて学習意欲がある点だ。ただし、「業務経験」という部分は除外し、あくまでIT未経験者として考えるだろうな、と感じた。

まとめとして、お金を払って仕事をするなんて物好きな人もいるものだなと思ったのと同時に、毎日仕事として行っている経験はお金では買えない貴重なものなんだな、と実感した。

参照:ギミジョブ公式サイト