ドラマ下町ロケットに登場する製品

12/23に最終話を終えたTBS日曜劇場「下町ロケット」。
池井戸潤氏原作の「下町ロケット」シリーズの第3弾「ゴースト」、第4弾「ヤタガラス」をTVドラマ化したものです。

ドラマの内容については概要だけにしますが、中小企業の佃製作所が下町工場として、ロケットエンジンのバルブの開発を行い、大手メーカーにも負けず、技術を追求した日本のモノ造りをテーマにした内容になっています。
TVドラマ第2弾として、ロケットエンジンの開発事業だけでなく、元々、開発をしていた農業機械のエンジンと、新しくトランスミッション開発事業を立ち上げ、競合他社、元請けメーカーとの政治的交渉など中小企業としての苦悩、失敗、成功を描いています。

その中に登場する製品である無人トラクタについて紹介したいと思います。
今回、ニュースやSNS等で既にご存知の方も多いですが、農業機械ということで、(株)クボタが全面協力しています。
作中に登場するトラクタ、田植機、コンバインなどの農業機械を提供するほか、シナリオ作りや機械操作のアドバイスなど技術監修にも参加し、リアルなドラマ作りに協力しているとのことです。

今回、ドラマのモデルとなった無人トラクタは既に実在していてクボタ社のアグリロボトラクタ(SL60A)は2017/06~モニタ販売も開始されています。
価格は970万~1100万と馬力×10万というトラクタの新品価格帯からすればかなり高価なものだそうです。

参考:https://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/explain/explain01.html
参考:https://www.kubota.co.jp/new/2017/17-23j.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

農業機械の自動運転は農道を含む道路の自動運転は禁止されており、現状は無人機を田畑に移動させる人手、コストも掛かるので法整備もこの先の大きな課題となりそうです。
ただ、最大の特徴である無人機1台による自動運転作業が可能であること。付属のリモコンからの遠隔指示により作業開始、停止の操作が可能で作業者一人で無人機と既存有人機で監視を行いながら2台協調作業も可能。
安全面でもレーザースキャナ、超音波ソナーを装備し、障害物に近づくと自動停止する機能や基地局から離れたり、設定した作業経路から外れても自動停止する。さらに4台のカメラを搭載し、タブレット端末等で周囲を監視することも出来るのでドラマさながら安全面もしっかりと考慮されています。

クボタは既に第一弾として直進自動操舵(オートステア)機能、第二弾として直進だけでなく曲線経路も自動操舵走行が可能な「畑作用大型トラクタ」を発売済で、GPS農機より更に高度化した自社開発のRTK-GPSユニット(IMU一体型)やオートステアリング、安全装置を搭載して、農作業の高効率化や高精度化、省人化、さらには軽労化を図り、日本農業の活性化を目指すと発表されています。

既に農業機械の世界でも自動運転技術やその為に必要となるデバイスやソフトウェアなどヤンマー、井関農機、三菱など競合他社でも開発が進められていて、無人化、省力化技術の発展がこれから加熱していくと思われます。
また、先日ニュースになっていましたが、11月から運用が開始された国産衛星システム「みちびき(準天頂衛星システム)」のサービスが開始されたことで即位精度が向上することにより、様々な分野で活用されることが期待されます。

参考:KUBOTA PRESS
https://www.kbt-press.com/news/autonomous-farm-machinery