photoshopの新機能開発について

顔写真の盛りや加工を見破って復元する技術、Adobeが開発。
画像編集ソフトウェアとして有名なphotoshopを提供しているAdobe Systemsは先日、加工を元に戻すAIの開発に成功したことを発表した。

●悪意のフェイク画像対策
photoshopに代表される画像編集ツールは多くの人に表現や創作の機会を与えた一方で、悪意のある編集やフェイクニュースなど画像の真正性が問われる事態も起きているとして、Adobeは以前から画像加工の検出技術を研究してきた。
今回発表されたのは、photoshopのツールのうちでもよく使われる「ゆがみ > 顔立ちを調整」(Face Aware Liquify)による加工を検出する手法。

手法の特徴は、膨大な顔画像のデータセットにスクリプトでphotoshopの顔立ち調整を適用して機械的に「加工済セット」を作り、ニューラルネットワークを元画像か加工済か識別するよう鍛えたこと。

さまざまな条件でのテストの結果、二枚のうちどちらが加工されたものか当てる場合(どちらかは必ず加工されていると知らせて選ばせる場合)、人間では正答率53.5%、AIでは99%を超える正答率を達成している。
ただし、今回発表された手法はあくまでphotoshopの特定の機能を使った加工を微視的な特徴から見破るものであって、ほかのソフトでの画像編集や、化粧や美容整形など別の方法で顔立ちを変えた場合は「素顔」を生成できるわけではない。
今回の技術もあくまで手法の研究として論文が発表されたのみで、実際のphotoshopに何らかの形で組み込まれるかどうかは未定。

●photoshopを用いた有名な画像フェイク事件
・支持者クローンやミサイルの数の水増し
イランのアハマディネジャド大統領が威厳をみせるため、支持者やミサイルの数をphotoshopで合成し制作されたポスターがフェイク画像として有名になった。

・雑誌や広告の詐欺写真
雑誌や商品広告で、顔や体を加工することで、消費者の印象をよくする詐欺広告が最近よく見られる。綺麗に魅せることは決して悪いことではないが、やりすぎてしまうと、実物が広告と違った商品として印象が悪くなる可能性がある。

引用:https://www.excite.co.jp/news/article/Itmedia_nl_20190615028/

─ YODOQの見方───────────────────────────

まだphotoshopを用いた画像編集による致命的な事件や事故は起きていないが、今後一般人が簡単に高クオリティな画像編集ができてしまうと、例えば証明写真の編集による詐欺、商品広告の詐欺が頻繁に起こるのではないかと懸念されている。今回発表された加工された画像を復元できる機能が、セキュリティに特化した機能として進化することで画像編集による詐欺行為の防止につながっていくのではないだろうか。

また、復元機能を逆算して使うことで、ワンクリックで自動加工ができるツールとして開発できるのではないかと思う。そういった意味では新たな機能として消費者の支持を得るのではないだろうか。

ただ、今のところこの機能がどういったところで、どのように活躍するかは不透明なため、今後のAdobeの動きに注目が集まるだろう。