Siriの会話分析を中止

米アップルは2日、スマートフォン向け音声アシスタント機能「シリ(Siri)」の会話内容の分析を中止したと明らかにした。IT(情報技術)企業によるプライバシー情報管理に対し、監視が強まっていることへの対応とみられる。利用者が会話内容の分析を認めるか選べるよう仕組みを変更する。

引用:日経新聞 アップル「シリ」の会話分析を中止 スマホ音声補助

─ YODOQの見方───────────────────────────

スマートスピーカーやコネクティッドカーにも搭載されている音声アシスタント。スピーカーで音声を取得、サーバーに送信してAIによる分析を行うという仕組みですが、どの程度まで情報を取得しているかは消費者の目からは非常にわかりにくいのが実情です。
一説によると、こういった音声アシスタントは「使っていない時でも音を収集・分析している」との開発者サイドの証言もあるようです。

参考:書籍 アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える

この本ではアマゾンのデータサイエンティストとして活躍した著者、アンドレアス・ワイガント氏が、「データ企業はこんな事までやっている」という実例をふんだんに盛り込んで語っています。

また、ユーザーの権利として4つの重要な項目を提言しています。
・データを修正する権利
・データをぼかす権利
・データの設定変更する権利
・データを移す権利

ビッグデータのうち1件の価値を金額に換算すると数100円程度にしかならないという説があります。データは数十万件集め、整理して初めて企業に大きな価値をもたらします。ここで生み出される価値はデータ企業だけのものなのか、提供する側にも還元されるべきではないかという主張がEUをはじめ政治的規制をつくり、執行されつつあるのが現状でしょうか。

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■備考
GDPR(EUデータ保護規則)としてGAFAをはじめとするデータ企業を縛りはじめています。
今回のアップルの対応はこれらの流れの一環と見ると理解が深まりそうです。

EUデータ保護規則(GDPR)ーデータ主体の権利③:訂正権

EUデータ保護規則(GDPR)ー匿名化と仮名化

EUデータ保護規則(GDPR)ーデータ主体の権利⑤:処理を制限する権利

EUデータ保護規則(GDPR)―データ主体の権利⑥:データ携行の権利(Data Portability)