本業と副業

最近Twitterで「本業」と「副業」の違いが話題に。副業を禁止されている会社に在籍しているにも関わらず、副業をしていることがバレ「二度と副業をしないように」と上司から言われた友人が翌日から出社しなかった。その友人曰く「何が副業かは俺が決めること。そして二度と副業をしないように言われたのでそうした」と説明したとのこと。このツイートに対し共感と批判の両方の声が見られ、物議が醸されている。
現在、政府による働き方改革の一環として、企業の副業解禁が進められている。これまで示してきたモデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除、副業・兼業について規定を新設している。

引用:https://news.livedoor.com/article/detail/16838523/

─ YODOQの見方───────────────────────────

同記事にて弁護士の村松由紀子氏は以下3つの疑問に対して次のように答えている。

「企業が社員に副業を禁止することができるのか。」
これについて「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由」で、副業を禁止にすることは原則として許されないそうだ。ただし、「副業で心身が疲労し労務提供上の支障がある、会社の名誉や信用が害される」といった理由がある場合は、社員の副業を制限、または禁止することが可能になるそうだ。

「副業と本業の違いはどこにあるのか。」
これについて明確な定義はないそうで、一般的には『最も時間を費やしている職業』『最も収入を得ている職業』が本業、『収入を得るために携わる本業以外の仕事』が副業になる。だが、「最初は副業でも、副業の収入が増えるなどして、本業と副業が逆転するような場合もある」と述べており、ある意味ツイートの内容を支持するような内容になっている。

「就業規則に『副業禁止』と明記している企業で、その規則を破って副業をした場合、どのようなリスクが考えられるか。」
これについては今回の改定以前から、就業規則に「副業禁止」という規定があっても、『会社の職場秩序に影響せず、かつ、会社に対する労務の提供に格別の支障を生じさせない程度・態様の兼務』は、懲戒の対象にならないと考えられてきたため、働き方改革の中で「兼業が解禁になった」といっても『許される兼業』と『許されない兼業』の区別基準が大幅に変更されたわけではないとのこと。その上で「今後は兼業をする社員が増加すると思われるため、上記の区別基準が、より重要になってくると思います。」とも述べていた。

厚労省の調査によると、副業・兼業を希望する人は年々増加傾向にある。副業・兼業を行う理由は、自分がやりたい仕事であること、スキルアップ、資格の活用、十分な収入の確保など様々で、副業・兼業の形態も、正社員、パート・アルバイト、会社役員、起業による自営業主など様々。
しかし、現状では、多くの企業では副業・兼業を認めていない。副業・兼業を容認しているのが14.7%、副業・兼業を認めていないのが85.3%という調査結果があり、調査の中で企業が副業・兼業を認めるにあたっての課題・懸念として、自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスク、競業・利益相反になることなどが挙げられている。

参考:https://mitsucari.com/blog/second_job/

一方で、副業を許可したことで、プラスの効果を感じているという企業の声も多く見られる。株式会社パーソル総合研究所の調査によると、副業を許可したことでプラスの効果を感じている企業の割合は、「人材採用」で45.9%、「離職防止」で50.9%、「モチベーション向上」で50.3%、「スキル向上」で49.7%、「社会人脈拡大」で52.2%で、副業を許可した企業は多くのメリットを感じており、効果を感じていない企業は1~2割程度となったそうだ。
また、条件付き許可と全面許可では、全面許可の方が会社へのロイヤリティ、本業のパフォーマンスが高まることがわかっている。ただし、全面許可の企業では過重労働やトラブル発生などのリスクも高まっていることから、これから副業・兼業を許可しようと考えている企業はまず条件付き許可から始めることが望ましいだろう。

参考:https://furikake.doda.jp/article/2019/02/15/1348.html