■確定給付企業年金 1.制度の説明 従業員の給与水準や勤続年数に応じて給付額があらかじめて決まっている年金制度。 2.制度の枠組み 企業年金の新たな形態として規約型・基金型の制度がある。なお、それぞれの制度間での移行も可能。 基金型:母体企業とは別の法人格を持った基金を設立した上で、年金資金を運用し給付を行う制度。 規約型:労使合意の年金規約に基づいて、企業と生命保険会社・信託会社等が契約を結び、母体企業の外で年金資金を運用する制度。 厚生年金基金:国の年金のうち、老齢厚生年金を国に代わって運営しプラスアルファを加えた基本部分と、基金独自の加算部分をあわせて年金資金を運用する制度。 3.掛金 事業主は、年金給付及び一時金たる給付に要する費用に充てるため、掛金を拠出しなければならない。 掛金は、事業主負担を原則とし、本人拠出については、年金規約で定める場合に、加入者本人の同意を前提として可能とする。 4.給付 給付は、老齢給付を基本とし、脱退一時金・障害給付・遺族給付も行うことが出来る。 ※老齢給付について 25年以上の受給資格期間を満たした人が、原則として65歳(60歳から70歳までの間の希望する年齢)になったときから受給可能。20歳から60歳になるまでの40年間保険料を納めた場合に満額受給できる。また、一時金として受け取ったり、一部を一時金として受け取り、残額を年金として選択し受け取ることも可能。 5.税制上の措置 ・拠出時:事業主拠出は損金算入、本人拠出は生命保険料控除の対象 ・運用時:特別法人税を課税(ただし、平成14年度まで凍結) ・給付時:年金の場合は公的年金等控除の対象とし、一時金の場合は退職所得課税を適用(老齢給付) 6.資産運用 年金資産の運用は、安全かつ効率的に行われなければならない。 資産運用は、原則として、信託会社、生命保険会社、投資顧問業者等が行う。 資金の管理運用の体制が整っていること等の条件のもとに、基金は自ら資産運用を行うことができる。 7.情報開示 事業主等は、従業員に対し、年金規約の内容を周知しなければならない。 事業主等は、掛金納付状況、資産運用状況、財務状況について加入者等への情報開示及び厚生労働大臣への報告を行わなければならない。 8.制度移行 規約型、基金型、厚生年金基金各制度間で、制度を移行し、年金資産を移換することができる。 規約型、基金型の年金資産を個人ごとに分配し、キャッシュバランスプランへ移換することができる。 規約型、基金型の年金資産を個人ごとに分配し、確定拠出年金(企業型)へ移換することができる。