買い物かごが自動会計

東芝テックは2021年度中に、買い物かごに商品を入れるだけで、合計金額を自動的に算出するシステムを実用化する。かごに設置したカメラと人口知能(AI)で商品を認識し、既存店舗にも低コストで導入できる。

引用:日本経済新聞 3/2朝刊

AIなど近年のテクノロジーを用いた自動レジ、無人店舗の取り組みはこれまでもあり、AmazonGOがその先駆けと言えるだろう。

「Amazon Go」でレジ無しショッピングを体験

AmazonGOのように、店舗そのものをこれまでに無いコンセプトでつくりなおすには、大規模投資が必要になり、導入までのハードルが高くなる。今回の取り組みでは買い物かごを導入することでの対応となるため、既存店舗への導入はしやすく、普及への期待が持てる。

─ YODOQの見方───────────────────────────

東芝テックはPOSレジのシェアが日本で30~40%で1位、世界でも2017年時点で25%程度の1位(調査により数値が異なり、詳細なデータ不明)と、世界有数のメーカーです。皆さんが普段買い物するスーパーなどでも「東芝テックのレジ」をよく見かけるのではないでしょうか?

この業界では昔ながらの据え置き型レジ、小規模店舗向けに導入が容易でQRコード決済との相性のよいタッチパッド型レジ、アパレルや飲食など業界特化型など様々なタイプが流通しています。
飲食店では自席のタッチパッドでメニューを検索、オーダーして、そのまま会計まで進むなど新しいタイプの店舗も増えてきています。

POSレジ&システム比較40選|シェア・市場規模・業界、種類別の価格と機能・最新トレンド

普及済のハードウェア(タッチパッド)とソフトウェア技術を組み合わせた商品は参入障壁が低く、業界別のニッチを狙って比較的新しいメーカーが乱立している状況です。
東芝テックの取り組みは、カメラやかごというハードウェアを開発し、実証実験が必要など比較的重い仕掛けになり、成功のためには大規模に普及させる必要が生じます。
裏を返せば従来型のシェアトップという立場を活かして、実現・普及できれば、他者では真似できない仕組みを実現できる可能性がありそうです。

また今回の商品開発では、画像認識技術にニュージーランド発の関連会社を活用しています。
世界市場でのシェアの高さを活かして、将来グローバルに展開する可能性にも注目したいと思います。