技術コラム

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ECサイト制作の基礎知識⑤ - 運用の工夫 –

ECサイト制作が完了し、無事にサイトを公開できたとしても、それで終わりではありません。 むしろECサイトは公開してからが本当のスタートです。 どれだけ優れたECサイトを制作しても、お客様に訪問してもらえなければ売上にはつながりません。また、一度購入してもらったお客様に継続して利用してもらうための工夫も重要になります。 今回は、ECサイト制作後に売上や成果を伸ばしていくための運用のポイントについて分かりやすく解説します。 ECサイトは公開してからが本番 実店舗でも開店しただけでお客様が集まるわけではありません。 同様に、ECサイトも公開するだけで自然に売上が伸びるケースは多くはなく、継続的な集客や情報発信やサイト改善を行うことで少しずつ成果につながっていきます。 ECサイト制作と運用はセットで考えることが大切です。 集客施策を継続する まず重要なのが、ECサイトへ訪問してもらうための集客活動です。 検索エンジン対策(SEO) 商品名や関連キーワードで検索された際に、自社のECサイトが見つかりやすくなるよう対策を行います。 商品説明を充実させたり、役立つ情報を発信したりすることで検索流入の増加が期待できます。 SNSを活用する InstagramやX、FacebookなどのSNSは、商品の魅力を発信する有効な手段です。 新商品の紹介やキャンペーン情報を発信することで、ECサイトへの訪問を促すことができます。 広告を活用する より早く集客したい場合は、Web広告の活用も選択肢の一つです。 検索広告やSNS広告などを利用することで、ターゲット層へ効率的にアプローチできます。 商品ページを充実させる ECサイトでは実際に商品を手に取ることができません。そのため商品ページの情報量が購入判断に大きく影響します。 魅力的な商品ページは、広告費を増やさなくても購入率向上につながる重要な要素です。 高品質な商品写真を掲載する 商品の魅力が伝わる写真を複数掲載することで、購入への安心感につながります。 正面だけでなく、使用シーンや細部が分かる写真も掲載すると効果的です。 商品説明を分かりやすくする 特徴やメリットだけでなく、サイズや仕様、利用シーンなども詳しく掲載しましょう。 利用者が実際に使用する場面をイメージできるような説明を加えることで、購入意欲の向上が期待できます。 よくある質問を掲載する お客様が疑問に感じやすい内容を事前に掲載することで、購入時の不安を軽減できます。 お問い合わせ件数の削減にもつながるため、運営面でも効果があります。 商品ページの改善は、一度行って終わりではありません。アクセス状況や購入データを確認しながら継続的に改善していくことが大切です。 口コミ・レビューを増やす工夫を行う ECサイトでは実際の商品を手に取れないため、購入者の口コミやレビューが重要な判断材料になります。 レビューが充実している商品は安心感が生まれやすく、購入率向上につながるケースも少なくありません。 レビュー投稿を促す 商品購入後にレビュー依頼メールを送ることで口コミを集めやすくなります。 投稿特典としてポイント付与やクーポン配布を行う方法もよく利用されています。 良い口コミを活用する 実際のお客様の声は強力な販促コンテンツになります。 商品ページや特集ページで紹介することで、新規購入者の不安解消にもつながります。 低評価レビューにも対応する すべての商品が高評価になるとは限りません。 低評価レビューにも誠実に対応することで、企業としての信頼感を高めることができます。 リピーターを増やす工夫を行う 新規顧客の獲得だけでなく、既存のお客様に再度購入してもらうことも重要です。 一般的に、新規顧客を獲得するよりも既存顧客に再購入してもらう方が効率的といわれています。 メール配信を活用する 新商品やキャンペーン情報を定期的に案内することで、再訪問のきっかけを作ることができます。 過去の購入履歴に合わせた情報発信を行うことで、より高い効果が期待できます。 ポイント制度を導入する 購入金額に応じてポイントを付与することで、継続利用を促しやすくなります。 特に競合商品が多いジャンルでは、再購入のきっかけとして有効です。 会員限定特典を用意する 会員向けセールや限定クーポンなどもリピート率向上に効果的です。 特別感を演出することで、顧客との長期的な関係構築につながります。 長期的な売上を考える上では、リピーターの存在が大きな支えになります。 アクセス解析を活用する ECサイト運営では、感覚だけで判断するのではなく、データを確認しながら改善を進めることが重要です。 アクセス解析を行うことで、利用者の行動や課題を客観的に把握できます。 アクセス数を確認する どれくらいの人がサイトを訪れているのかを把握します。 集客施策の成果を確認するための基本的な指標になります。 人気商品を分析する どの商品がよく見られているのか、どの商品が売れているのかを確認します。 人気商品の傾向を分析することで、新商品の企画や販促施策にも活用できます。 離脱ポイントを調べる カート画面や購入手続きで離脱が多い場合は、操作性や導線の改善が必要かもしれません。 入力項目が多すぎないか、分かりにくい箇所がないかを確認しましょう。 数字をもとに改善を繰り返すことで、ECサイトの成果を高めることができます。 定期的にサイトを改善する ECサイト制作後も、継続的な改善は欠かせません。 市場環境やユーザーのニーズは常に変化しているためです。 商品情報を更新する 新商品追加や在庫状況の更新を定期的に行いましょう。 古い情報が掲載されたままだと、お客様の信頼低下につながる可能性があります。 デザインや導線を見直す 利用者の行動データをもとに、デザインや導線をより使いやすいものへ改善します。 小さな改善の積み重ねが、購入率向上につながることも少なくありません。 キャンペーンを実施する 季節イベントや期間限定セールなどを開催することで、購入意欲を高めることができます。 特に新規顧客獲得や休眠顧客の再来訪を促す施策として有効です。 ECサイトは育てていくメディアです。継続的な改善活動が、長期的な成果につながります。 ECサイト運用でよくある失敗 ECサイト公開後によく見られる失敗として、次のようなケースがあります。 公開後に更新をほとんど行わない 新商品やお知らせが長期間更新されないと、利用者に活気のないサイトという印象を与えてしまいます。 アクセス解析を確認していない 問題点や改善点が見えないまま運営することになり、成果向上の機会を逃してしまいます。 商品情報が古いままになっている 価格や在庫情報が実際と異なると、お客様とのトラブルや信頼低下につながる可能性があります。 集客施策を実施していない ECサイトを公開しただけでは十分なアクセスは集まりません。SEOやSNSなど継続的な集客活動が重要です。 ECサイト制作に力を入れても、その後の運用が不十分だと成果につながりにくくなります。 まとめ ECサイト成功の鍵は継続的な運用と改善 ECサイト制作は公開して終わりではなく、公開後の運用によって成果が大きく変わります。 集客施策の実施、商品ページの改善、リピーター対策、アクセス解析などを継続することで、売上向上につながるECサイトへ成長させることができます。 また、利用者の声やデータをもとに改善を続けることが、長期的な成功への近道です。 全5回にわたり、ECサイト制作の基礎知識について解説してきました。これからECサイト制作を検討される方の参考になれば幸いです。 ECサイトのSEO対策に関するご相談・お問い合わせはこちら 関連記事 ECサイト制作の基礎知識① - ECサイトとは? – ECサイト制作の基礎知識② - 事前準備 – ECサイト制作の基礎知識③ - 制作の手順 – ECサイト制作の基礎知識④ - セキュリティ対策 –

ECサイト制作の基礎知識④ - セキュリティ対策 –

ECサイト制作では、デザインや機能に注目が集まりがちですが、それと同じくらい重要なのがセキュリティ対策です。 ECサイトでは、お客様の氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を取り扱います。また、決済に関する情報がやり取りされることもあります。 万が一、情報漏えいや不正アクセスが発生した場合、企業の信用低下や売上への影響につながる可能性があります。 今回は、ECサイト制作で知っておきたい基本的なセキュリティ対策について分かりやすく解説します。 なぜECサイトにセキュリティ対策が必要なのか? ECサイトはインターネット上で公開されるため、常に外部からアクセスできる状態にあります。 多くの利用者にとって便利な仕組みである一方で、悪意のある第三者から攻撃対象になる可能性もあります。 特にECサイトでは個人情報や注文情報を扱うため、一般的な企業ホームページ以上にセキュリティへの配慮が求められます。 情報漏えいのリスク ECサイト運営で最も避けたいトラブルの一つが情報漏えいです。 お客様の個人情報が外部へ流出してしまうと、企業の信頼を大きく損なう可能性があります。 漏えい対象となる情報 氏名 住所 電話番号 メールアドレス 購入履歴 一度失った信用を回復するには多くの時間と労力が必要になります。そのため、情報保護はECサイト運営の重要な課題です。 SSL化による通信の暗号化 ECサイト制作でまず導入したいのがSSL(暗号化通信)です。 SSLを導入することで、利用者とECサイトの間でやり取りされる情報が暗号化されます。 SSL化のメリット 個人情報の盗み見を防ぐ 通信内容の改ざんを防ぐ 利用者に安心感を与える SSL化されているWebサイトは、ブラウザのアドレス欄に表示されるURLが「http://」ではなく「https://」で始まります。 この「s」は「Secure(安全)」を意味しており、通信内容が暗号化されていることを示しています。 ECサイトでは個人情報や注文情報を入力する場面が多いため、利用者が安心して利用できる環境を整えるためにもSSL化は欠かせません。 現在では多くのWebサイトで導入されており、ECサイト制作においては必須ともいえる対策です。 パスワード管理を徹底する 管理画面のログイン情報が漏れてしまうと、不正アクセスの原因になることがあります。 推測されにくいパスワードを設定する 単純な数字の羅列(※例「123456」)や、会社名そのままといった単純なパスワードは、推測されやすく危険です。 なるべく複雑で推測されにくいパスワードを心がけましょう。 パスワードの使い回しを避ける 他のサービスと同じパスワードを利用していると、別のサービスから情報が流出した際に被害が拡大する可能性があります。 運用担当者が複数いる場合は、アカウント管理ルールを定めることも重要です。 ソフトウェアを常に最新の状態に保つ ECサイトを構築するシステムやプラグインは、定期的に更新が行われています。 更新には新機能の追加だけでなく、セキュリティ上の問題(脆弱性)を修正する目的もあります。 ただし、更新作業が必要かどうかは利用するシステムによって異なります。 例えば、カラーミーショップやMakeShopなどのASP型サービスでは、システム側でセキュリティアップデートやメンテナンスが行われるため、利用者が個別に更新作業を行う機会は比較的少なくなっています。 一方で、EC-CUBEなどのオープンソース型ECシステムでは、管理者側でバージョンアップやプラグイン更新を行う必要があります。 そのため、ECサイト制作の段階で「公開後にどこまで保守・更新作業が必要になるのか」を確認しておくことも重要です。 更新を放置しない 古いバージョンのまま運用すると、既知の脆弱性を狙われる可能性があります。 特にEC-CUBEなど管理者側で更新を行うシステムでは、定期的なバージョン確認とアップデートが重要になります。 定期的な保守を行う 公開後もシステムの状態を確認し、必要なアップデートを継続的に実施しましょう。 不正ログイン対策を行う ECサイトでは管理画面への不正ログイン対策も重要です。 アクセス制限を活用する 管理画面へアクセスできる場所や利用者を制限することで、不正アクセスのリスクを軽減できます。 二段階認証を導入する パスワードだけでなく、追加認証を組み合わせることで安全性を高めることができます。 重要な管理画面ほど、多層的な防御を検討することが大切です。 バックアップを取得する どれだけ対策を行っていても、システム障害や人的ミスが発生する可能性はあります。 定期的にデータを保存する 商品情報や注文データを定期的にバックアップしておくことで、万が一の際にも復旧しやすくなります。 復旧手順を確認しておく バックアップは最後の安全策として非常に重要な役割を果たします。 しかしそのバックアップをも、ただ取得しているだけでは不十分です。実際に復元できる状態かどうかも確認しておきましょう。 ECサイト制作でよくあるセキュリティ上の問題 セキュリティ対策では次のような問題がよく見られます。 SSLを導入していない 管理画面のパスワードが簡単すぎる システム更新を長期間行っていない バックアップを取得していない こうした問題は比較的基本的な対策で防げるケースも少なくありません。 まとめ セキュリティ対策はECサイト運営の必須項目 ECサイト制作では、デザインや機能だけでなくセキュリティ対策も重要な要素です。 SSLの導入やパスワード管理、システム更新、バックアップなど、基本的な対策を継続することで安全な運営につながります。 お客様に安心して利用してもらうためにも、公開前だけでなく公開後も継続的にセキュリティを意識することが大切です。 次回は、「ECサイト制作の運用の工夫」について、公開後に売上や成果を伸ばすためのポイントを解説します。 ECサイトのセキュリティ対策に関するご相談・お問い合わせはこちら 関連記事 ECサイト制作の基礎知識① - ECサイトとは? – ECサイト制作の基礎知識② - 事前準備 – ECサイト制作の基礎知識③ - 制作の手順 – ECサイト制作の基礎知識⑤ - 運用の工夫 –

ECサイト制作の基礎知識③ - 制作の手順 –

前回は、ECサイト制作を始める前に整理しておきたい目的やターゲット、販売方法などの事前準備について解説しました。 では、実際にECサイト制作はどのような流れで進むのでしょうか。 制作会社へ依頼する場合でも、自社で構築する場合でも、基本的な流れは大きく変わりません。 今回はECサイト制作の手順について、企画から公開までの流れを分かりやすく解説します。 ECサイト制作の全体的な流れ 一般的なECサイト制作は以下のような工程で進みます。 要件定義 サイト設計 デザイン制作 システム開発 テスト・検証 公開・運用開始 規模によって期間は異なりますが、工程を一つずつ進めながらサイトを完成させていきます。 STEP2:サイト設計 要件が固まったらサイト設計を行います。 画面構成を作成する 各ページにどのような情報を掲載するのかを整理します。 トップページ、商品一覧ページ、商品詳細ページなど、それぞれの役割を明確にしながら設計を進めます。 導線を設計する 利用者が迷わず商品を探し、購入できるようページ間のつながりを設計します。 商品検索から購入完了までの流れが分かりやすいほど、購入率の向上にもつながります。 設計段階では見た目よりも「使いやすさ」を重視します。後から大幅な構成変更を行うのは難しいため、非常に重要な工程です。 STEP3:デザイン制作 サイト設計の内容をもとに、実際のデザインを制作していきます。 トップページのデザイン サイト全体の印象を決める重要なページです。ブランドイメージや商品の魅力を分かりやすく伝えます。 商品ページのデザイン 購入率に大きく影響するため、商品画像や説明文が見やすいレイアウトを検討します。価格や送料、購入ボタンの配置なども重要なポイントになります。 この段階で完成イメージを確認しながら細かな調整を行います。デザインは見た目の美しさだけでなく、「購入しやすさ」も意識して制作されます。 STEP4:システム開発 デザインが確定すると、システム開発に進みます。 画面を実際のWebページにする デザインデータをブラウザ上で表示できる形に変換します。 スマートフォンやパソコンなど、さまざまな環境で正しく表示されるように調整を行います。 EC機能を組み込む カート機能や注文機能など、ECサイトとして動作するための仕組みを実装します。 決済サービスや配送システムとの連携もこの段階で行われることがあります。 管理画面を構築する 商品登録や受注管理を行うための管理機能も構築します。 運営担当者が日々利用する部分のため、操作しやすさも重要になります。 利用者からは見えない部分も含め、多くの開発作業が行われます。ECサイトの品質や運用効率を左右する重要な工程です。 STEP5:テスト・検証 システム開発が完了したら、公開前の確認作業を行います。 動作確認 ボタンやフォームが正常に動作するかを確認します。 入力エラー時の表示やページ遷移なども細かくチェックします。 注文テスト 実際に購入操作を行い、注文処理が正しく完了するかを確認します。 注文メールや決済処理、在庫反映なども重要な確認項目です。 表示確認 スマートフォンやパソコンなど複数環境で表示崩れがないか確認します。 利用するブラウザによる表示差異もチェックします。 十分なテストを行うことで、公開後のトラブルを防ぎます。特にECサイトは売上に直結するため、慎重な確認作業が欠かせません。 STEP6:公開・運用開始 すべての確認が完了したらECサイトを公開します。 公開後は商品の登録や情報更新、お客様対応などの運用が始まります。 またアクセス状況や売上データを分析しながら改善を繰り返していくことも重要です。 アクセス状況を確認する どのページがよく見られているのか、どこで離脱しているのかを分析します。 データを確認することで改善ポイントが見えてきます。 継続的に改善を行う 商品ページの改善や新商品の追加、キャンペーンの実施などを継続的に行います。 ECサイトは公開して終わりではなく、運用を通じて育てていくことが大切です。 ECサイト制作でよくある失敗 制作工程では次のような失敗がよく見られます。 途中で仕様変更を繰り返してしまう 開発途中で要件が変わると、追加費用やスケジュール遅延につながる場合があります。 デザイン確認を十分に行わない 完成後にイメージと違うことが判明し、大幅な修正が必要になるケースがあります。 テスト期間を短縮してしまう 不具合を見落えやすくなり、公開後のトラブルや機会損失につながる可能性があります。 公開後の運用を想定していない 商品更新や受注対応の体制が整っておらず、運営がスムーズに進まないことがあります。 スケジュールに余裕を持ち、各工程を丁寧に進めることが成功のポイントです。 まとめ ECサイト制作は複数の工程を経て完成する ECサイト制作は、要件定義から始まり、設計・デザイン・開発・テストを経て公開されます。 それぞれの工程には重要な役割があり、どれか一つを省略すると品質や使いやすさに影響する場合があります。 そのため制作の流れを理解しておくことで、制作会社との打ち合わせもスムーズになり、より理想に近いECサイト制作につながります。 次回は、「ECサイト制作のセキュリティ対策」について解説します。 ECサイト制作に関するご相談・お問い合わせはこちら 関連記事 ECサイト制作の基礎知識① - ECサイトとは? – ECサイト制作の基礎知識② - 事前準備 – ECサイト制作の基礎知識④ - セキュリティ対策 – ECサイト制作の基礎知識⑤ - 運用の工夫 –

ECサイト制作の基礎知識② - 事前準備​ –

ECサイトを制作しようと考えたとき、多くの方が最初に「どのシステムを使うべきか」「デザインはどうするか」といった制作面に意識が向きがちです。 しかし実際には、制作を始める前の準備こそがECサイト成功の大きな鍵を握っています。 事前準備が不十分なまま制作を進めてしまうと、「思ったように売れない」「運用が大変」「必要な機能が足りなかった」といった問題が発生しやすくなります。 今回は、ECサイト制作を成功させるために、制作前に整理しておきたいポイントについて分かりやすく解説します。 ECサイト制作で事前準備が重要な理由 ECサイトは単なるホームページではなく、「商品を販売するための店舗」です。実店舗を出店する際に、販売する商品やターゲット、店舗の立地などを事前に検討するのと同じように、ECサイトでも準備が欠かせません。 特に制作後の修正は、内容によっては追加費用や作業時間が発生する場合があります。そのため、最初の段階で目的や運営方法を整理しておくことでスムーズな制作と運用につながります。 ECサイト制作でまず決めるべき「サイトの目的」 ECサイトを制作する際は、最初に「何のためにECサイトを作るのか」を明確にすることが重要です。 売上拡大を目指す 最も多い目的が売上拡大です。実店舗だけでは届かない地域のお客様にも商品を販売できるようになり、新たな販路を開拓できます。 ブランド認知向上を目指す 商品の販売だけでなく、自社ブランドやサービスの認知度向上を目的とするケースもあります。この場合は商品の魅力や企業の想いを伝えるコンテンツが重要になります。 業務効率化を目指す 電話やFAXによる受注業務を減らし、注文受付をオンライン化することで業務負担を軽減したいという企業も少なくありません。目的によって必要な機能やサイト構成が大きく変わるため、最初に整理しておきましょう。 ECサイト制作前にターゲットユーザーを明確にする 次に考えたいのが「誰に商品を販売するのか」です。ターゲットが曖昧なままでは、デザインや商品説明、集客方法まで曖昧になってしまいます。 年齢層や性別 例えば若年層向けの商品と高齢者向けの商品では、好まれるデザインや情報の見せ方が異なります。文字の大きさや色使いにも影響する重要な要素です。 利用シーン 商品がどのような場面で利用されるのかを考えることで、必要な情報が見えてきます。例えばギフト商品であればラッピング対応や配送日指定機能が重要になる場合があります。 購入方法の傾向 現在では多くの利用者がスマートフォンから購入しています。そのため、スマートフォンでの見やすさや操作しやすさを重視した設計が求められます。 ECサイト制作前に販売商品を整理する 取り扱う商品についても事前に整理しておきましょう。 商品数はどれくらいか 数十点程度なのか、数千点規模なのかによって適したシステムが変わります。商品数が多い場合は検索機能やカテゴリ管理機能が重要になります。 商品バリエーションはあるか アパレル商品のようにサイズやカラーが複数存在する場合は、在庫管理の仕組みを考慮する必要があります。 定期購入商品か単品販売か 食品や化粧品など、定期購入を想定している場合は専用機能が必要になることがあります。販売方法に応じて必要なシステムを検討しましょう。 決済方法を検討する ECサイトにおいて決済方法は非常に重要な要素です。希望する決済方法が用意されていないと、購入を諦めてしまうお客様もいます。 代表的な決済方法 クレジットカード決済 コンビニ決済 銀行振込 代金引換 スマホ決済サービス ターゲット層によって利用されやすい決済方法は異なります。必要な決済手段を事前に検討しておくことが大切です。 配送方法・在庫管理を考える 商品販売後の流れも事前に決めておく必要があります。 配送業者の選定 どの配送会社を利用するのか、送料はいくらにするのかを検討します。送料無料の条件設定なども販売戦略に関わる重要な要素です。 在庫管理方法 商品の在庫をどのように管理するかも重要です。在庫管理が不十分だと売り切れ商品の注文受付や発送遅延などのトラブルにつながる可能性があります。 ECサイトのみで管理する 実店舗と在庫を連携する 複数の販売チャネルと連携する 事業規模に合わせた管理方法を選びましょう。 ドメイン・サーバーも事前に検討する ECサイト制作では、デザインや機能だけでなく、サイトを運営するための基盤となるドメインやサーバーについても検討しておく必要があります。 ドメインを決める ドメインはインターネット上の住所のようなもので、「〇〇.com」や「〇〇.jp」などのURLを指します。 企業名やブランド名と関連性の高いドメインを取得することで、お客様にも覚えてもらいやすくなります。 サーバーを選定する サーバーはECサイトのデータを保管し、インターネット上に公開するための設備です。 アクセス数や商品数が多いECサイトでは、安定した性能やセキュリティ対策が求められます。 利用するECシステムによってはサーバーが含まれている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。 予算と運用体制を決める ECサイト制作では、制作費だけでなく運用費も考慮する必要があります。 制作費用 ECサイトの規模や機能によって費用は大きく変わります。必要以上に機能を増やすと予算オーバーになることもあります。 おおよその予算感を把握する ECサイト制作の費用は、採用するシステムや必要な機能によって大きく異なります。※以下は一般的な参考価格です。 小規模なECサイト(ASPサービス活用):100万円~200万円程度 オリジナルデザインや機能を含む中規模ECサイト:200万円~500万円程度 独自システムを含む大規模ECサイト:500万円以上 実際の費用は要件によって変動しますが、あらかじめ予算の目安を把握しておくことで、機能や仕様の優先順位を決めやすくなります。 運用担当者 商品登録や受注処理、お問い合わせ対応など、サイト公開後にもさまざまな業務が発生します。誰が運用を担当するのかを事前に決めておくことで、公開後の運営がスムーズになります。 ECサイト制作前によくある失敗 事前準備でよくある失敗として、「とりあえず作り始めてしまう」ケースがあります。 目的が曖昧なまま制作を進める 売上向上なのか業務効率化なのかが明確でないと、必要な機能やサイト構成が定まらなくなります。 ターゲットを明確にしていない 誰に販売するのかが曖昧なままでは、デザインや商品訴求が効果的に行えません。 運用体制を決めていない 公開後の更新作業や受注対応の担当者が決まっておらず、運営が滞ってしまうケースがあります。 必要な機能を整理していない 制作途中で機能追加が発生し、予算超過やスケジュール遅延につながることがあります。 このような状態で制作を進めると、途中で仕様変更が発生し、費用やスケジュールに影響することがあります。事前準備に時間をかけることが、結果的に成功への近道になります。 まとめ 準備がECサイト成功の土台になる ECサイト制作では、システム選定やデザインよりも先に、目的・ターゲット・商品・運用方法を整理することが重要です。事前準備をしっかり行うことで、必要な機能が明確になり、無駄なコストや手戻りを減らすことができます。 ECサイトは公開してからが本当のスタートです。だからこそ制作前の段階で運用まで見据えた計画を立てておくことが成功への第一歩となります。 次回は、「ECサイト制作の手順」について、企画から公開までの流れを分かりやすく解説します。 ECサイト制作に関するご相談・お問い合わせはこちら 関連記事 ECサイト制作の基礎知識① - ECサイトとは? – ECサイト制作の基礎知識③ - 制作の手順 – ECサイト制作の基礎知識④ - セキュリティ対策 – ECサイト制作の基礎知識⑤ - 運用の工夫 –

ECサイト制作の基礎知識① - ECサイトとは?​ –

近年、インターネット上で商品やサービスを販売する「ECサイト」の需要が急速に高まっています。 企業だけでなく、個人事業主や小規模店舗でも気軽に始められるようになり、ECサイトは身近な存在となりました。 しかし、「ECサイトとは具体的に何なのか」「普通のホームページとどう違うのか」という疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。 今回は、ECサイト制作の第一歩として、ECサイトの基本について分かりやすく解説します。 ECサイトとは? ECとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略で、インターネット上で商品やサービスを売買する仕組みを指します。 一般的には、オンラインショップやネットショップと呼ばれることも多く、利用者はスマートフォンやパソコンから商品を購入できます。 例えば、商品の検索、カートへの追加、決済、配送依頼までをインターネット上で完結できるのがECサイトの特徴です。 ECサイト市場が拡大している理由 スマートフォンの普及と「いつでも買える」手軽さ 最大の理由はスマートフォンの普及です。今や誰もが手のひらの中に24時間営業のデパートを持っているようなものです。 移動中や就寝前のちょっとした隙間時間に、場所を選ばず買い物ができる「圧倒的な便利さ」が現代人のライフスタイルに完全に定着しました。 さらに、スマホ決済やクレジットカード情報の登録によってワンタップで購入できる手軽さも市場拡大を後押ししています。 ECサイト制作・開発ハードルの低下 以前に比べてECサイトを立ち上げるためのシステムやサービスが非常に充実してきました。専門的なプログラミング知識が少なくても、手軽にネットショップを開設できるクラウドサービスが増えたことが大きな理由です。 また、より本格的な独自システムを構築する場合でも、現代のソフトウェア開発技術の進歩により、高機能なサイトを昔よりも短期間かつ安全に開発できるようになっています。 企業の「商圏(ビジネスの範囲)」の劇的な拡大 企業にとってもECサイトは強力な武器になります。実店舗だけでは、足を運べる距離の「地域住民」が顧客になりますが、ECサイトであれば日本全国、あるいは世界中の人々が顧客になり得ます。 さらに、近年では「実店舗で商品の良さを確かめてもらい、購入はECサイトでしてもらう」といった、実店舗とネットを融合させた新しい売り方に取り組む企業も増えています。 ECサイトでできること ECサイトには、単に商品を掲載するだけでなく、さまざまな機能があります。 商品情報の掲載 商品の画像、価格、特徴、サイズやカラー展開などを魅力的に紹介する機能です。実物を手に取れないネットショップにおいて、購入の判断材料となる最も重要な要素です。 ショッピングカート機能 お客様が気に入った商品を一時的に保存し、まとめて精算できるようにする機能です。買い忘れを防ぎ、スムーズなレジ(購入手続き)へと誘導します。 クレジットカード決済 VISAやMastercardなどを用いた、オンライン上での即時決済を可能にする機能です。ECサイトにおいて最も利用率が高く、カゴ落ち(途中で購入を諦めること)を防ぐために必須の決済手段です。 在庫管理 商品の売れ行きに応じて、システムの在庫数を自動で増減させる機能です。 「売り切れ(在庫切れ)」の自動表示 実店舗や他モールとの在庫連動(※システムによる) これにより、注文が入ったのに商品がないというトラブルを防ぎます。 注文管理 お客様から入った注文のデータを一元管理する機能です。 注文内容や配送先住所の確認 「入金待ち」「発送済み」といった対応ステータスの管理 注文確認メールの自動送信 これらの一連の業務を効率化し、発送ミスを防ぎます。 会員登録機能 お客様の氏名、住所、過去の購入履歴などをシステムに保存する機能です。 2回目以降のお買い物で住所入力を省ける お気に入り機能やポイント機能が使える お客様の利便性を高め、リピーター(ファン)になってもらうための重要な役割を持っています。 これらを組み合わせることで、実店舗に近い販売環境をインターネット上で構築できます。 ECサイトの主な種類 ECサイトにはいくつかの種類がありますが、大きく分けると「モール型EC」と「自社ECサイト」の2つに分類されます。それぞれの特徴を分かりやすく解説します。 モール型EC(例:楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど) 大型のショッピングモールの中に、テナントとしてお店を出店するようなイメージです。モール自体に圧倒的な知名度があるため、オープン当初から多くのお客さんに来てもらいやすいのが強みです。 こんな方におすすめ まずは「早く、手軽に」ネット販売を始めてみたい方 ネットショップの運営経験が浅く、集客に不安がある方 すでに知名度のあるプラットフォームの力を借りて、知名度の高い商品を売りたい方 自社ECサイト モールには頼らず、インターネット上に独立した「自分だけの一軒家(単独店舗)」を構えるイメージです。最初は自分たちでお客さんを呼び込む必要がありますが、ルールに縛られず自由にお店を作ることができます。 こんな方におすすめ デザインや機能にこだわり、自社のブランド世界観をしっかり伝えたい方 リピーターを大切に育て、独自のファン(会員)を増やしていきたい方 長期的な視点で、モールへの手数料を抑えて利益率を高く保ちたい方 販売する商品や事業規模によって、適した形式は異なります。 ECサイト制作でよくある失敗 初心者の方によくあるのが、「ECサイトを制作すれば自然に売れる」と考えてしまうケースです。 実際には、サイト公開後の集客や運用、商品改善が非常に重要になります。 また運用負担を考慮せずに機能を増やしすぎると、更新作業が難しくなることもあります。 そのため、最初は必要な機能を整理し目的に合った形でスタートすることが成功のポイントです。 まとめ ECサイトは「作って終わり」ではない ECサイトはインターネット上で商品やサービスを販売するための重要な仕組みです。 現在では多くの企業がEC事業に取り組んでおり、業種や規模を問わず活用されています。 ただしECサイトは「作って終わり」ではありません。目的に合った設計や、公開後の運用・改善が成功には欠かせません。 次回は、「ECサイト制作の事前準備」について、制作前に整理しておきたいポイントを解説します。 ECサイトに関するご相談・お問い合わせはこちら 関連記事 ECサイト制作の基礎知識② - 事前準備 – ECサイト制作の基礎知識③ - 制作の手順 – ECサイト制作の基礎知識④ - セキュリティ対策 – ECサイト制作の基礎知識⑤ - 運用の工夫 –

技術と人のあいだ|大阪のシステム開発会社ヨドックの技術コラム

NDAとDNAのあいだ

3文字略語の嵐 システム開発の現場では、専門用語や略語が飛び交います。 「NDAを締結しておいてください」 「WBSを更新しておきます」 「ChatGPTで調べてみました」 どれも日常的によく使われる言葉ですが、実は現場では少し違う名前で呼ばれていることがあります。 NDAがDNAになったり、ChatGPTがChatGTPになったり、WBSがWBCになったり。 聞いた瞬間は「違う違う」と思うのですが、不思議なことに会話は成立してしまいます。 「DNAを締結しておいてください」と言われても、「機密保持契約の話だな」と分かりますし、「ChatGTPで聞いてみた」と言われても、「生成AIのことだな」と理解できます。 そのため、誰も訂正せず、本人にとって恥ずかしい覚え間違いが定着してしまうことも少なくありません。 なぜこうした間違いが起きるのでしょうか。 言い間違えの原因 私は、略語だけで覚えていることが原因の一つだと思っています。 例えばNDAは「Non-Disclosure Agreement」の略です。日本語では「秘密保持契約」と訳されます。 WBSは「Work Breakdown Structure」で、作業を分解して整理するための管理手法です。 ChatGPTも、「Generative Pre-trained Transformer」という技術的な名称を背景に持っています。 略語だけを記号として覚えていると、似たようなアルファベットの並びと混同しやすくなります。一方で、元の英語や日本語の意味まで理解していると、多少時間が経っても間違えにくくなります。 これは単なる言い間違いの話ではありません。 システム開発では、新しい技術や考え方が次々と登場します。そのたびに新しい略語も増えていきます。 略語だけを暗記しようとすると、いつか限界が来ます。しかし、その言葉が何を表しているのか、なぜその名前が付いているのかを理解していれば、記憶にも残りやすくなります。 むしろ略語には、その技術や概念の本質が凝縮されていることが少なくありません。 だから私は、知らない略語に出会ったときは、少しだけ立ち止まって意味を調べるようにしています。 本質への探究心 英語の正式名称は何か。 日本語ではどう説明されるのか。 なぜその頭文字が使われているのか。 そこまで確認すると、単なるアルファベットの羅列だった言葉が、少し立体的に見えてきます。 大阪でシステム開発の仕事をしていると、新しい技術用語に出会う機会が本当に多くあります。だからこそ、略語を覚えることよりも、その言葉の背景にある意味を理解することのほうが大切なのかもしれません。 もし次に聞き慣れない三文字の略語が出てきたら、「また新しい暗号が増えた」と思うのではなく、「どんな意味が隠れているのだろう」と好奇心を向けてみてください。意外と、その言葉の中に技術の本質が詰まっているかもしれません。 関連記事 会話のコンテキストを合わせる 常識のない技術者    ※本コラム『技術と人のあいだ』は、日々の業務でお客様への提案や若手エンジニアへの説明を行う筆者が綴る連載です。大阪でシステム開発の仕事に向き合う中で、限られた時間では伝えきれない「これも知っておいてほしいな」という現場の気づきを、ここに少しずつ書き留めていきます。

技術と人のあいだ|大阪のシステム開発会社ヨドックの技術コラム

現行システムの保守が進まない、本当の理由

システム保守のお悩み 「現行システムの担当ベンダーの反応が悪い」「改修要望を出してもなかなか進まない」「担当者が高齢で、この先の運用が不安」。 システム開発のご相談を受ける中で、こうした声は少なくありません。 特に大阪でシステム開発に携わっていると、長年使われてきた業務システムの“これから”についての悩みを耳にする機会が増えていると感じます。 大阪を中心にシステム開発 大阪の領域では、同様の課題が年々顕在化しています。 この問題、実は「ベンダーの対応が悪い」だけでは片付けられない、業界構造の話が背景にあります。 今回はその仕組みを整理しながら、企業として取るべき対策まで解説します。 システム開発 大阪でよくある「保守が続かない」構造 多くのお客様は、過去に決して小さくない費用を投じてシステムを構築されています。 それにもかかわらず、「なぜ十分に保守してもらえないのか」という疑問が生まれるのは自然なことです。 この背景には、システム開発というビジネスモデルの構造的な問題があります。 工業製品であれば、一度設計したものを量産し、販売を継続することで収益を確保できます。 しかし、スクラッチで開発されたシステムは基本的に“その会社専用”です。 同じものを横展開して売り続けることはできません。 つまり、開発時にいただいた費用だけで、その後何年にもわたって安定した保守を提供し続けるのは、ビジネスとして成立しにくいのです。 これはベンダーの怠慢ではなく、スクラッチ開発特有のビジネスモデルの限界と言えます。 システム保守には、目に見えないコストが積み重なっている 保守には、障害対応だけでなく、環境変化への追従、セキュリティ対策、軽微な改善など、見えにくい作業が継続的に発生します。 これらを適切に支えるには、相応の保守契約と費用が不可欠です。 もしその部分が十分に確保されていない場合、結果として対応の優先度が下がったり、担当者に負荷が集中したりする状況が生まれます。 「担当者が高齢で不安」という声も、実はこの構造と無関係ではありません。 適正な保守費用が確保されていなければ、新しい人材を育成・配置する余裕はベンダー側にも生まれません。 属人化が進み、その担当者が退職や引退を迎えたとき、一気にリスクが顕在化するのです。 経営判断の観点で言えば、「保守費用はコストではなくリスク回避の投資」です。 短期的なコスト削減のつもりが、将来的に大きな再開発費用や業務停止リスクとして跳ね返るケースは珍しくありません。 システム刷新は「解決策」ではなく「先送り」かもしれない もう一つの選択肢として、システムを定期的に刷新し、新規開発としてコストを投じる方法もあります。 一見すると前向きな投資に見えますが、実態としては「保守にかかる費用を開発費に置き換えている」側面もあります。 どちらを選ぶにしても、システムを維持するには継続的なコストが必要である点は変わりません。 大阪でシステム開発の現場に関わる中でも、「気づいたら刷新を繰り返すだけで、業務課題の本質が解決されていない」というケースを目にすることがあります。 刷新の判断をする前に、まず現状の保守体制を見直すことが重要です。 システム開発 大阪で失敗しないための実践ポイント システム開発 大阪で失敗しないための実践ポイント 今すぐできる、3つの確認アクション こうした問題を未然に防ぐ、あるいは現状を改善するために、以下の3点を今すぐ確認することをお勧めします。 ① 保守契約の内容を見直す 現在の契約に「どこまでの対応が含まれているか」を再確認しましょう。 曖昧なままにしておくと、ベンダーとの認識ズレが生じやすくなります。 ② 保守費用が適正かどうかを第三者に相談する 相場感がわからない場合は、現行ベンダー以外のシステム会社に相談してみることも有効です。 大阪でシステム開発を手がける会社の中には、セカンドオピニオン的な相談を受け付けているところもあります。 ③ 新規開発の前に「保守前提の設計」を確認する これから新たにシステムを導入・刷新する場合は、開発費だけでなく、運用・保守にかかるコストの見積もりを必ず事前に取得しましょう。 「作って終わり」ではなく「使い続けるための設計と契約」を最初から見据えることが、長く安心して使えるシステムへの近道です。 システム開発の現場は、就職活動中の学生の皆さんが想像する以上に、技術だけでなくビジネスの仕組みや顧客との関係構築が深く絡み合っています。企業選びの際には、「開発実績」だけでなく「保守や運用にどう向き合っている会社か」という視点を持つことで、より実態に近い企業理解ができるはずです。 関連記事 システム保守サービス システム保守費用は必要か?    ※本コラム『技術と人のあいだ』は、日々の業務でお客様への提案や若手エンジニアへの説明を行う筆者が綴る連載です。大阪でシステム開発の仕事に向き合う中で、限られた時間では伝えきれない「これも知っておいてほしいな」という現場の気づきを、ここに少しずつ書き留めていきます。

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会話のコンテキストを合わせる

ハイコンテキストな会話 会議中、Excelやスプレッドシートの画面を見ながら説明している人が「一番左の“行”ですが……」と言った瞬間、「それ、正しくは“列”ですよね」と心の中で突っ込んだ経験はないでしょうか。 けれど、多くの場合、そのまま話は止まらず進んでいきます。聞き手も「言いたいことは分かるから」と脳内で補正し、場の流れを優先する。これは日本の職場によくみられる、典型的な“ハイコンテキスト”なコミュニケーションです。言葉そのものの正確性よりも、前後の流れや共有された前提によって、互いに意味を補完し合っている状態と言えます。 長く同じチームで仕事をしていると、「あれ」「例の件」「いつもの感じで」で通じることが少なくありません。しかし、一歩外に出ると、この「伝わっているつもり」は意外な落とし穴になります。 コンテキストが合わない場面 たとえば、大阪でシステム開発の導入を検討されるお客様との要件定義。 「前と同じように、いい感じにしておいて」という言葉をそのまま受け取ると、いざ画面ができた後になって「思っていたのと違う」という大きなすれ違いが起きがちです。 また、就職活動中の学生さんとの面接の場でも、「サークルでリーダーを務め、コミュニケーション能力には自信があります」という言葉の奥にある具体的な経験値や行動特性が、面接官の前提と噛み合っていないことがよくあります。 これらはすべて、話し手と聞き手のコンテキスト(文脈や背景)が揃っていない状態です。前提が共有されていない相手に対して、無意識のうちに身内向けの“ハイコンテキスト”な伝え方をしてしまうため、理解にズレが生まれるのです。 私たちエンジニアは、普段から究極の“ローコンテキスト”であるコンピュータと向き合っています。プログラミング言語は「誰が」「何を」「どうする」を1から10まで明確に、一切の省略なく指示しなければ動きません。少しでも文脈を飛ばせば、容赦なくエラーが返ってきます。 一方で、人間の会話、特に日本語は視点を自然に切り替えながら進む、いわば「カメラワークのような言語」です。 「私は」を毎回言わなくても成立する代わりに、聞き手側に多大な“察する力”が求められます。 コンピュータには通じない曖昧な言葉でも、人間同士なら「なんとなく分かった気」になってしまう。 ここがコミュニケーションの一番の難しさです。 コンテキストを合わせてみる 行き違いを防ぐためには、一度だけでも意識して“ローコンテキスト寄り”に話してみる価値があります。 主語・動詞・目的語を意識して、構造的に説明する 「つまり○○という意味ですね」と自分の言葉で言い換えて確認する 「ここまでで、認識のズレはないですか?」とこまめにすり合わせをする 相手が見えている情報と、自分が見えている情報の差を想像する こうした小さな工夫の積み重ねで、伝わり方は劇的に変わります。 特に関西、とりわけ商人の町である大阪は、「阿吽の呼吸」や「ノリと勢い」といった、高度でハイコンテキストなコミュニケーションが愛される土地柄です。 しかし、そんな人情味あふれる大阪でシステム開発という厳格な仕事をしていると、「技術力」だけでは前に進まない場面を何度も見かけます。 設計レビュー、要件確認、障害対応、そしてお客様へのご説明――どれも結局は、曖昧な人間の言葉を紐解き、確実なシステムへと落とし込んでいく“人と人の理解合わせ”に他なりません。 「通じているはず」と「本当に通じている」の間には、意外と大きな差があります。 だからこそ、少しだけ丁寧に言葉を置いてみる。相手の前提に立って、伝え方をチューニングする。 その地道な積み重ねが、チームの空気を良くし、お客様との信頼を築き、結果として良いシステムを創り上げる第一歩になるのだと思います。 だからこそ私たちは、技術だけでなく対話を重視しています。 関連記事 ヨドック式開発手法 品質に対する誤解    ※本コラム『技術と人のあいだ』は、日々の業務でお客様への提案や若手エンジニアへの説明を行う筆者が綴る連載です。大阪でシステム開発の仕事に向き合う中で、限られた時間では伝えきれない「これも知っておいてほしいな」という現場の気づきを、ここに少しずつ書き留めていきます。

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トレーサビリティという“見えない安心”

トレーサビリティ システム開発の現場にいると、「そこまでログを残す必要があるのか」と問われることがあります。特に大阪でシステム開発に携わっていると、スピードやコストの最適化が優先され、目に見えにくい仕組みは後回しにされがちです。しかし、その“見えない部分”こそが、安心の裏付けになります。 身近な例 トレーサビリティという言葉は少し堅く聞こえますが、実はとても身近な概念です。たとえば、スーパーで見かける「生産者の顔が見える牛肉」。どこで誰が育てたのかを辿れるからこそ、私たちは安心して購入できます。また、宅配便の追跡サービスも同じ考え方です。送り状番号を入力すれば、荷物がいつどこを通過したのかがわかる。この可視化された情報が、利用者に安心感を与えています。さらに、医薬品のロット管理も代表的な例です。製造番号によって流通経路を遡ることができるため、万が一の際にも迅速かつ限定的な対応が可能になります。 いずれも共通しているのは、「何かあったときに追跡できる状態」が整えられていることです。そして、この考え方はシステム開発においても変わりません。操作ログやアクセス履歴を残すのは、単なる記録のためではなく、「いつ、誰が、何をしたのか」を後から確認できるようにするためです。 状況に応じて 日々の運用が問題なく回っていると、その価値はなかなか実感されません。むしろ「ログが多すぎる」「管理が大変だ」といった声の方が目立つこともあります。しかし、ひとたびトラブルが発生したとき、その差ははっきりと表れます。追跡できるシステムは原因の特定が早く、対応も的確になります。一方で、記録が不十分な場合は調査に時間がかかり、結果として信頼を損なうリスクが高まります。 抑止力という側面 また、トレーサビリティは事後対応だけでなく、抑止力としても機能します。「記録が残る」という前提があることで、不正利用やヒューマンエラーの発生を未然に防ぐ効果も期待できます。 先読みが重要 大阪でシステム開発の仕事に向き合う中で強く感じるのは、「平常時ではなく、非常時を見据えて設計すること」の重要性です。何も起きない前提で最適化するのではなく、何かが起きたときにどこまで追えるか、どこまで説明できるか。その備えとして、トレーサビリティは欠かせない要素です。 派手さのある機能ではありませんが、確実に信頼を支える基盤となるもの。だからこそ、日々の設計や実装の中で丁寧に積み上げていく価値があると考えています。 関連記事 ヨドック式開発手法 品質に対する誤解    ※本コラム『技術と人のあいだ』では、日々の業務で、お客様への提案や若手エンジニアへの説明をする機会が多くあります。大阪でシステム開発の仕事に向き合う日々の中で、限られた時間では伝えきれないことや、「これも知っておいてほしいな」「前にも同じ話をしたな」と感じることを、ここに少しずつ書き留めていきます。

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科学と技術のあいだ

科学と技術 「コンピューターシステムは高度な科学技術の結晶」この文章は、特に違和感なく受け入れられると思います。システム開発はそんなコンピューターシステムを開発する取り組みです。ところが古来、特に西洋では「科学」と「技術」はまったく別の系統で発展してきたという話を最近耳にしました。 「科学」とは、仕組みや法則を理解し、再現性をもって説明できることです。同じ条件であれば、誰が試しても同じ結果になる。そして「なぜこうなるのか」を論理的に語れる状態にあること。それが科学的であると言えます。 一方、「技術」は必ずしもすべてが説明されている必要はありません。経験や試行錯誤の中から「うまくいくやり方」を見つけ出し、再現していく営みです。 どちらが先か 大阪で一般的に使われているうすくち醤油も、その一例です。この醤油をつくる行為は、発酵という非常に複雑なプロセスを経ます。そしてそれは、長年の蓄積によって確立された技術です。最適な素材、温度や水分などの条件を組みあわせコントロールする事で目的を達成します。この例えでは発酵に関わる酵素や分子を特定してそのはたらきを示すのが科学です。技術の発見が先にあり、後から科学によってその仕組みが説明される、という順になっています。 同じように、薬草によって病気やケガが治るという営みも、長らく技術として扱われてきました。後から有効成分が解明されることで科学的に説明されることはあっても、現場では「効く」という事実が先に存在していたわけです。 システム開発は科学的か? では、大阪でシステム開発に携わる現場はどうでしょうか。計算機やプログラムは論理と数学に基づいた科学の結晶であり、本来はすべて説明可能であるべき世界です。しかし現実の開発現場、とりわけ不具合対応の場面においては、様子が変わってきます。 不具合対応はまず再現することから始まります。再現できれば、条件を整理し、原因を切り分け、論理的に対処することができます。しかし、直接的な原因がすぐに分からない場合、私たちはログを追い、仮説を立て、検証しながら手探りで修正方法を探っていきます。このプロセスは、科学というよりも技術に近いものです。経験や勘、過去の類似事例が重要な役割を果たします。 さらに厄介なのが、再現しない不具合です。特定のタイミングでシステムの挙動が遅くなる、あるいは断続的にしか発生しない問題は、まさにこの典型です。再現できなければ科学的な検証は難しく、かといって試行錯誤の起点も曖昧になります。ときには科学的アプローチを放棄して、メモリをクリアするために「プロセス再起動」のような応急的な対応をせざるを得ない事もあります。 科学は約に立つのか? システム開発の段階では、科学的な思考の積み上げによってシステムはつくられます。 しかし、ビジネスの現場という複雑な環境では、想定外の挙動を示すことがあります。 そのとき、大雑把な技術でしか対処できない場面があるというのは、どこか皮肉にも感じられます。 それでも、科学的な視点は重要です。「仮説を立てて検証する」「本当は別の原因ではないかと疑う」「この疑念を晴らすためには何を証明すべきかを考える」。こうした思考は、不具合対応を前に進めるための重要な手がかりになります。完全に再現できなくとも、観測できる事実を積み重ねることで、解決に近づくことは可能です。 関連記事 システム開発の現場、それ本当にバグってますか? 品質に対する誤解    ※本コラム『技術と人のあいだ』では、日々の業務で、お客様への提案や若手エンジニアへの説明をする機会が多くあります。大阪でシステム開発の仕事に向き合う日々の中で、限られた時間では伝えきれないことや、「これも知っておいてほしいな」「前にも同じ話をしたな」と感じることを、ここに少しずつ書き留めていきます。

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常識のない技術者

現場の「常識」にまつわること 苦い記憶 「それ、常識でしょ?」 システム開発の現場で、何気なく発せられるこの一言に、苦い記憶を持つ若手技術者は少なくないはずです。私自身、大阪でシステム開発の仕事に携わる中で、この言葉の重さと曖昧さを何度も感じてきました。 例えば、テストデータに使用するメールアドレスのドメインは「example.com」を使う、というルール。あるいはSSL証明書の更新時には、まずCSR(証明書署名要求)を作成し、その後に認証局へ申請を行う、という一連の流れ。どちらも現場では当たり前のように扱われますが、体系的な研修で丁寧に教わる機会は決して多くありません。知らないまま現場に入り、指摘されて初めて気づく——そんな経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか。 さらに領域を業務側に広げると、「常識」は一層複雑になります。発注・支払業務においては締め日が自社都合で月末などに固定される一方、受注・請求業務では得意先ごとに締め日が異なるのが一般的です。また、輸出入の現場で「バンする」と言えば、それはコンテナでの出荷を意味します。こうした知識は、教科書にも仕様書にも明確には書かれていないことが多く、現場での会話や経験を通じて少しずつ身についていくものです。 人によって異なる「常識」 ここで一度立ち止まって考えてみたいのは、「常識」とは一体誰のための言葉なのか、ということです。プログラミング、ミドルウェア、インフラ、業務知識、さらにはマネジメント。システム開発という仕事は、これらすべてが複雑に絡み合う総合格闘技のようなものです。大阪でシステム開発に関わっていると、案件ごとに前提となる知識が大きく異なることを日々実感します。同じ「現場経験がある」という言葉でも、その中身は人によって全く違うのです。 加えて、技術やビジネスの進化は止まりません。昨日までの常識が、今日には通用しなくなることも珍しくない世界です。そう考えると、「常識がない」という評価は、実は非常に不安定で相対的なものだと言えるでしょう。 本当に大切なこと だからこそ大切なのは、「自分にはまだ知らないことがある」という前提に立つことです。これは若手に限った話ではありません。経験を積んだエンジニアであっても、新しい分野に足を踏み入れれば、途端に“常識のない人”になります。その事実を受け入れられるかどうかが、成長の分岐点になるのではないでしょうか。 そしてもう一つ、伝える側の姿勢も問われます。「常識だから」で片付けるのではなく、「これは共有されていない知識かもしれない」と言語化していくこと。その積み重ねが、チーム全体の底上げにつながります。大阪でシステム開発に携わる現場では、人材のバックグラウンドも多様です。だからこそ、暗黙知をそのままにせず、少しずつでも共有していくことが重要になります。 システム開発の現場では、「知らないことがある」という状態は避けられません。技術も業務も変化し続ける以上、どれだけ経験を積んでも、新しく学ぶべきことは必ず出てきます。 常識に対する姿勢 その前提に立つと、求められる姿勢は自然と見えてきます。各自が学び続けることを前提にすることです。一度身につけた知識に頼り続けるのではなく、その都度アップデートしていく。その積み重ねが、結果として個人の価値を支えていきます。 同時に、忘れてはならないのは、知らないことを責めないという視点です。「常識」という言葉で片付けてしまえば、その場は収まるかもしれません。しかしそれでは、知識は共有されず、同じことが繰り返されるだけです。むしろ、知らなかったことをきっかけに対話が生まれ、理解が深まるような関係性のほうが、長い目で見て健全です。 誰もが、ある場面では「知っている側」であり、別の場面では「知らない側」になります。その前提に立ち、学び続けることと、他者の成長を受け止めること。その両方が揃ったとき、チームとしての力は着実に底上げされていくのだと思います。 関連記事 WEBシステムという選択肢を読み解く 移行から考える    ※本コラム『技術と人のあいだ』では、日々の業務で、お客様への提案や若手エンジニアへの説明をする機会が多くあります。大阪でシステム開発の仕事に向き合う日々の中で、限られた時間では伝えきれないことや、「これも知っておいてほしいな」「前にも同じ話をしたな」と感じることを、ここに少しずつ書き留めていきます。

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システム開発の現場、それ本当にバグってますか?

なにげなく使われる「バグ」 「システムがおかしい。バグっているのでは?」 システムを利用しているお客様から、こんな言葉を聞くとシステム保守担当に緊張が走ります。「バグ」という単語も、もともと専門用語だったものがゲームの普及などで一般にも浸透しているようです。最近では「民主主義のバグ」などという表現がニュース記事で使われることもあります。 システム開発やシステム保守の現場で使われる、似た用語は多々ありますが、普段からはっきりとした違いを意識できている方は意外と少ないかもしれません。 用語の違い 「バグ」は、プログラムの設計や実装に誤りがあり、想定と異なる動作をする状態を指します。たとえば計算ロジックのミスにより、正しい結果が出ないようなケースです。 「不具合」は、もう少し広い概念です。システムの動作が仕様どおりでない、あるいは期待と異なる状態を広く指します。原因がプログラムミスとは限らず、設定ミスや環境差異、データの問題なども含まれます。 「障害」は、システムが業務として利用できない、または大きな影響が出ている状態を表す言葉です。サーバ停止やログイン不能など、業務が止まるレベルの問題で使われることが多いでしょう。 「エラー」は、システムが何らかの異常を検知した状態を指します。エラーメッセージが表示される場合もあれば、ログにだけ記録される場合もあります。ただしエラーが出たからといって、必ずしもバグとは限りません。 このように整理してみると、お客様の言う「バグ」という一言の中に、実はいくつもの解釈が考えられます。 システム開発担当者としては、聞き取った内容を咀嚼しなおして、正確な用語で認識する必要があります。 視点のギャップ プログラムを習いだして日が浅いエンジニアや、日々システム開発を主に担当するエンジニアは、「エラー」や「例外」に過敏に反応し、それを排除するためにどうしたらよいかに注力しがちです。 しかし、お客様が求めているのは必ずしもそこではありません。 例えば、システム運用中にトラブルが起きたとき、お客様が求めているのは「障害」から復旧して出荷業務を止めない事であったり、サイトでの決済を正常化して機会損失を減らす事かもしれません。 1週間かかって100点の対応をするよりも、1時間以内に60点の対応をする事が評価される場合もあるでしょう。(大阪のお客様はせっかちな方が多いですね・・・) エンジニアが目指す「原因を完全に解明すること」と、ユーザーが求める「業務を止めないこと」は、必ずしも同じではないのです。 大阪でシステム開発に関わっていると、こうした認識のズレに出会う場面は少なくありません。システムを使う人と作る人では、同じ出来事でも見え方が変わります。 時には細かい言葉の違いに注意してみることで気づけることがありそうです。 関連記事 品質に対する誤解 システム保守サービス    ※本コラム『技術と人のあいだ』では、日々の業務で、お客様への提案や若手エンジニアへの説明をする機会が多くあります。大阪でシステム開発の仕事に向き合う日々の中で、限られた時間では伝えきれないことや、「これも知っておいてほしいな」「前にも同じ話をしたな」と感じることを、ここに少しずつ書き留めていきます。

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