Instagram創業者コンビ、新型コロナ感染追跡サイト「rt.live」を公開

Instagramの共同創業者のケビン・シストロム氏とマイク・クリーガー氏は、新型コロナウイルス感染症の米国内の広がりを視覚化するWebサイトを公開しました。このサイトは州ごとに表示されており、1人の感染者から感染した平均人数を追跡するもので、感染症数理モデルの実効再生産数を用いられています。ベイズ統計を応用することで信頼性の高い値を算出しており、この値を視覚化することでどのような対策がアウトブレイクを効果的に抑制できているかを検討できるとのことです。Webサイトで使用されているmatplotlibの設定ファイルはGItHubで公開されています。

─ YODOQの見方───────────────────────────

感染経路調査では感染者の行動調査のため各国でITが活用されています。
イスラエルでは携帯電話の位置情報から濃厚接触者の割り出しを行っており、また中国では交通機関の利用記録などから行動の追跡を行っています。

シンガポールでは政府が提供しているスマートフォンのアプリが活用されています。シンガポールのスマートフォンのアプリ「Trace Together」はAndroid版とiOS版が配布されており、Bluetoothが搭載されているシンガポールのスマートフォンがあれば、シンガポールに住んでいる人は誰でも利用できるものです。アプリを起動状態で別の同アプリ起動状態のスマートフォンを近づけることで自動的に通信を行い、相手の「一時ID」「受信振動強度」「端末機種」などの情報を蓄積します。GPS情報などのユーザー位置データは記録せず、蓄積されたデータは21日間保存されます。アプリ所有者の感染が判明した場合、感染経路追跡のためアプリ内に保存されているデータの提供を求められます。提供されたデータと感染者からのヒアリングを元に濃厚接触の可能性の高いアプリ所有者の特定につなげます。

スマートフォンのアプリを活用した取り組みは各国で進んでおり、欧州では研究者らがウイルスの感染経路を把握するためのアプリの開発を開始しました。また、英国では大学の研究者と共同でトラッキングアプリの開発を進めています。日本でも感染経路追跡アプリの開発が進められており、今月中の実証実験を目指しています。感染経路調査により感染者を割り出すために活用されているアプリですが、プライバシー侵害への懸念から導入者が伸び悩んでいます。

プライバシー侵害への懸念をどれだけ払拭できるかが、今後のアプリ活用の成否の鍵を握っています。