鉄コーティングもみの田植え スマート農業で実証

JA晴れの国岡山管内の農事組合法人 寄江原(真庭市)は5月29日、農林水産省の「スマート農業技術の開発実証プロジェクト」により、同市鹿田地内のほ場で鉄コーティングのもみを使った直播の田植えを行った。同プロジェクトは、スマート農業で労力や費用を削減し、「楽しく、儲かる農業」につなげようと全国69か所で2年間かけて実証しており、今年で2年目。実証期間の2年を経過後も、各地の施肥量や水管理、食味などの作業情報を集め、農機具メーカーが独自に持つ作業データを集約し、各方面で共有できるようデータ化する。昨年度は、作業時間の低減と平均収量の向上の効果が見られたが、実証2年目となる今年度は、昨シーズンに集積したデータを作付けに生かしていくという。

引用:https://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2020/06/200611-44745.php

─ YODOQの見方───────────────────────────

スマート農業に高性能な農機具は欠かせませんが、一般の農家が導入できる価格帯なのかを調べてみました。メーカー各社の無人田植え機を対象とすると性能にもよりますが、400万円~650万円ほどの価格帯となっています。そこで、一般農家が1年間で生産するお米の買取値と比較してみました
お米の収穫量は十反(全国平均の販売農家田面積) × 540kg(一反当たりの収穫量) = 5400kgとなります。兵庫JAの買取値(60kgあたり)が12000円であるため、一年で生産した全てのお米を販売しても5400(kg) ÷ 60(kg) ×1.2(万円) = 108万円 にしかなりません。
田植え機だけでなく、耕運、耕作稲刈りなども農機具が必要なため、販売農家が手を出し易い価格ということはありません。

参考:農林水産省HP
参考:米穀データバンク

以下記事にもあるように、農機のシェアリングサービスも始まっています。
参考:クボタ、「農機シェアリングサービス」開始。
個人での所有は難しくとも、通年利用する農機具というのは多くないため、シェアリングサービスの拡充で新規参入、コスト面で継続が難しい兼業農家などにとってもありがたいサービスになりそうです。