7月中旬、「ネオワイズ彗星」観測チャンス

日本から見える彗星としては近年にない明るさで、観測条件の良い場所からはその姿が肉眼で見えるほどになっている。今年は、アトラス彗星やスワン彗星が期待されたように明るくならず(5等前後)、「二度あることは三度あるのでは」と噂されていた中で、見事ネオワイズ彗星は「三度目の正直」を実現させてくれた。
次にこのネオワイズ彗星が見れるのは5000年以上先のことになるようだ。

引用:7月19日 yahooニュースの記事より

─ YODOQの見方───────────────────────────

彗星とは何なのかを調べました。
彗星の主成分は氷で、太陽に近づき解けてしまうことで核が崩壊します。(他にも、原因不明で核が砕けてしまうこともあるそうです。) しかし、崩壊するまでいかず氷が蒸発することで、彗星のガスと塵が放出され、彗星の本体がぼんやりとした淡い光に包まれるように輝いて見えます。これが「コマ」と呼ばれるものです。このコマが尾のように伸びますが、これには2種類あり、一つはガスが作る「イオンの尾(または、プラズマの尾)」と呼ばれる電気を帯びたガス。イオンの尾は太陽風(※1)に流されて太陽とは反対方向に伸びます。もう一つは塵が作る「ダストの尾(または、塵の尾)」。放出された塵は、太陽の光の圧力を受けてイオンの尾と同じように太陽とは反対の方向に伸びますが、塵のサイズによって圧力の受け方が異なるため、イオンの尾とは違った挙動を見せます。一部の粒の大きな塵は彗星と同じように彗星の軌道を周回し続け、流星群になります。このような尾が観測され始めるのは、彗星が地球の軌道程度に近づいてからで、太陽に近づくほどガスや塵の量が多くなっていき、明るくなります。
今回観測されたネオワイズ彗星は、最も明るく観測された際、2等星にもなる輝きを放っていたようです。これはオリオン座のベテルギウス(左上.1等星)とリゲル(右下.1等星)以上の明るさであり、目視できるほどの明るさであることがわかります。

※1太陽風
太陽から吹き出している電気的な微粒子の流れ。
超高温では、気体が電子とイオンに電離したプラズマ状態になっており、太陽の重力でも繋ぎ止めることができず、イオンや電子が放出される。放出された電気を帯びた粒子が太陽風。

参考:国立天文台
参考:明るい恒星の一覧

さて、コロナ禍で楽しみを奪われてしまった方もたくさんいらっしゃることと思います。
そこで、このようなご時世でも楽しめる天体観測はいかがでしょうか?
今回の彗星観測のように、何でもない日が特別な日になったり、感傷に浸ることができたり。はたまた宇宙の神秘、宇宙の科学を知ることができたり。知れば知るほどもっと知りたい、と思えるようなものなので、よろしければ少しでも触れてみませんか?
また、惑星の動きを観測することのできるゲームもあります。そのゲームでは観測することはもちろん、自分で惑星の軌道を変えたり、x年後の姿を見ることができたりなど様々なことができます。ソフトは有料ですが、楽しみのひとつとしてみてはいかがでしょうか。

参考ゲーム:Universe Sandbox