半導体不足による「値上げの連鎖」が、家電にも波及し始めている

コロナ禍でコンピューター機器の利用が急増したことで、世界的な半導体不足が深刻化している。すでにノートPCのみならずテレビのような家電製品の価格上昇も始まっており、部品不足に端を発した「値上げの連鎖」が当面は続く可能性が指摘されている。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、人々はZoom、Teams、Skypeを利用しての仕事や学習、プライベートでも動画・音楽など配信サービスの需要が急増したことにより、テレビやPC、タブレット、スマホなどの端末の供給も急増したことで、半導体の供給不足が世界的に起こった。このため、各製品メーカーはライバル他社に負けじと、サプライヤーからの供給を安定させるために他社より高い価格で発注を掛けることになる。
それによって半導体などの電子機器部品の価格が高騰している。

引用:https://wired.jp/2021/05/17/chip-shortage-electronics-prices-tvs-displays/

─ YODOQの見方───────────────────────────

半導体不足の原因や価格の高騰が波及する影響を調べてみました。

すでにあらゆる形態のデバイスがチップ不足の影響を受けています。
有名なところでは、昨年11月に発売されたソニーのPlayStation 5(PS5)はいまだに入手困難な状況が続いており、ソニーは、半導体不足が原因でPS5の品薄状態が2022年末まで続く見込みであると発表しています。

自動車業界も深刻で、生産ラインがストップするという報道が少し前に相次いで報道されていました。

根本の原因は、昨年の新型コロナウィルス感染症問題で世界の主要都市のロックダウンや緊急事態宣言により、2020年4-6月で自動車業界全体で30%以上販売台数が減少したことで、半導体メーカーは在庫を抱えるリスクがあるため、減産することになったり、他で好調な製品向けの供給を増やすことを行いました。
しかし、自動車業界に昨年後半から異変がおき、不調だった販売がV字回復を遂げ、2021年1-3月期では一気に各社前年を上回る増産状態となりました。
特にコロナウィルスからいち早く立ち直った中国での自動車の販売とEV車への投資が急速に進展したことで自動車業界の半導体不足は深刻化していきました。

それに追い打ちをかけるように、米国での大寒波やルネサスエレクトロニクスの主力工場の火災などにより、半導体の供給量が低下したことで世界的な半導体不足に陥ったというわけです。

では、半導体メーカーが販売チャンスだからといって急遽、大幅に増産できるのかというと、半導体の製造設備は簡単にすぐ作れるものではなかったり、半導体製造の装置を販売している中国のメーカーに対して、米国の経済制裁も影響していたりと様々な要素が絡み合っていたりします。

現在では、日本の自動車メーカー各社の3月決算での回復ぶりと21年度の好調予測となっていますが、コロナウィルスの影響でこれだけ、供給が乱高下するというのは、舵取りが難しく、様々なニュースなどをいち早く察知し、影響がどこまで及ぶかを見極みめられる力、経営判断力が非常に重要であると言えます。

我々の業界でも取引相手次第で、苦境に立たたされることもあるかと思うので、お客様の業界についても我々は常にアンテナを張っておかなければならないと改めて感じました。

参考:https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21969