コロナ禍の中小企業融資 返済本格化へ ”支援策活用を” 政府

新型コロナや物価高の影響で厳しい経営環境にある中小企業を支援しようと、政府は、金融機関向けの説明会を開き、融資の借り換えを保証する制度などを活用し、企業の資金繰りを支えるよう呼びかけました。

金融庁と財務省、それに中小企業庁は、17日都内で、金融機関や経済団体などの関係者を集めて、中小企業に対する政府の支援策の説明会を開きました。
紹介された支援策の1つが、新型コロナの影響を受けた中小企業が実質、無利子・無担保で融資を受けるいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済がこの夏、本格化するのを前に、今年1月に設けられた新たな借り換えを保証する制度です。
「ゼロゼロ融資」の融資額は、去年12月の時点でおよそ43兆円となっていますが、新たな保証制度の利用実績は、4月7日の時点で6800億円にとどまっているということです。

説明会ではこのほか、▼日本政策金融公庫の低利子での融資制度や、▼経営改善や事業再生に必要な資金を保証付きで融資する中小企業庁の制度などが紹介されました。
参加した千葉県の信用金庫の担当者は、「中小企業からは『ゼロゼロ融資』の返済が負担だという声なども出ているので、支えていきたい」と話していました。
政府は今後、こうした説明会を全国11か所で開催し、各地の金融機関に対し、さまざまな制度を通じて中小企業への支援を行うよう呼びかけることにしています。

都内に本店を置く「芝信用金庫」では、このところ中小企業からの資金繰りの相談が増えているということです。
17日、信用金庫の営業担当者が経営相談のためバイオリンを販売する都内の楽器店を訪れました。
この楽器店は、新型コロナの影響で音楽の演奏会がなくなり楽器の販売が落ち込んだため、金融機関から無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」で3000万円余りを借りたということです。
売り上げは回復傾向にありますが、この店では今月(4月)からゼロゼロ融資の返済が始まったため、信用金庫の担当者は、資金に余裕を持たせるための新たな融資や、支払う利子の一部を補助する自治体の制度などを紹介していました。
楽器店「ダ・ヴィンチ ヴァイオリン」の山口保行社長は、「返済が始まりキャッシュが大変な中さまざまな提案をいただけるのはありがたい」と話していました。
また、この信用金庫では、今月、東京・中央区に新たなオフィスを開設し中小企業からの相談体制を強化したということです。
芝信用金庫銀座オフィスの新多滋課長は、「中小企業は新型コロナの影響などでまだ経営が苦しいのが現状で寄り添った支援を行いたい」と話していました。

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230417/k10014041061000.html

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