コンピーター倫理について

昨今、AIやIOTというものが浸透し、従来から議論されてきた情報倫理(プライバシー、知的財産権、情報やコンピュータネットワークの不正利用、情報セキュリティ、有害情報、情報格差など)に加え、コンピューター対する新たな疑念のようなものが生まれてきたように感じます。よく言われているように、IoTの技術の進化とプライバシーの関係、自動運転の事故はだれが責任を取るんだという疑問、自動運転中に人が飛び出したとき、AIが飛び出した人を守ろうとするのか、運転者を守ろうとするのかという疑問、AIやIoTが人の仕事を奪うのかという疑念、あるいはAIが人を超えるというシンギュラリティに対する恐れなど。ここに一つの指標として、コンピュータ倫理学院(ワシントンの公共政策機関)が示している。

「コンピュータ倫理10カ条」
1.コンピュータを使って他人を傷つけてはならない。
2.他人のコンピュータ作業を妨害してはならない。
3.他人のファイルをのぞき見てはならない。
4.コンピュータを使って盗みを働いてはならない。
5.コンピュータを使って嘘の証言を行ってはならない。
6.料金を支払わずにソフトウェアを使ったりコピーをしてはならない。
7.許可なく他人のコンピュータ資源を使ってはならない。
8.他人の知的財産を自分のものとしてはならない。
9.自分が書くプログラムの社会的影響の重大さに思いをきたすべきである。
10.思いやりと敬意が相手に分かるようにコンピュータを使うべきである。

引用:http://computerethicsinstitute.org/publications/tencommandments.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

コンピューターという新しい利器を手に入れた人間は、親があるいは学校が子供の頃から道徳として教えていく必要があるのではないかと思います。「人を傷つけてはいけない、人のものをとってはいけません」、「信号は青になったら渡りましょう」など。人間が車という利器を手に入れた時も同じような葛藤があったのではと思います。ただこちらはゆっくりだった。だから徐々に浸透していけばよかった。しかし、今まで人や馬ぐらいしか動いていなかった道をいきなり鉄のかたまりが走ってくるのだから、そのときの驚きというか、とまどいはやはり大きかったのではないでしょうか。最初の量産車といわれているフォードT型は1908年~1927年に1500万台売れ、その結果、馬が淘汰されました。
同じようなことがこれから世の中の常識を変えていくのでしょう。