メルカリのシェアサイクルサービス「メルチャリ」

メルカリの子会社であるソウゾウは2月13日に、シェアサイクルサービス「メルチャリ」を今月27日から福岡で提供すると発表した。
このサービスで利用できる自転車はすべてソウゾウが用意し、その自転車にはGPSとLTE通信が搭載されている。スマホアプリからQRコードを読み取り開錠し、利用後は専用の駐輪場に停め施錠する、という利用方法だ。価格は1分あたり4円で、乗った距離に応じてポイントを還元、貯まったポイントでメルカリのグッズなどと交換できるとのこと。

福岡市から始める理由は、カスタマーサポートの拠点があること、上り下りがないフラットな地形であること、中心街の回遊性を高められること、公共交通の間を自転車で補完できる点にある。駐輪場の数はサービス開始直後は50ヵ所、自転車400台を用意し、夏ごろまでに200ヵ所、2000台が目標だそうだ。
また、最低2台置けるスペースがあることを条件に、個人でも駐輪場を提供することも可能。個人宅やお店に駐輪できるようにすることで、街により多くの駐輪場を提供し、乗りたいときにすぐ自転車を利用できる体験の提供を目指すとのことだ。

引用:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/13/news115.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

シェアサイクルのメリットとして挙げられるのは、借りた元の場所まで返却するレンタサイクルとは違い、設置された専用の駐輪場間でならどこでも返却が可能であることだ。IoT化が進み、無人で管理できるようになったことにより実現できた点である。また、観光地に取り入れることで、ちょっとした距離を自転車で気軽に移動できるようになるので、地域振興や観光旅客の来訪の促進にも繋がると考えられている。
記事で紹介した福岡市の他に、神奈川県の横須賀市では市と民間企業が連携して、ホテルや温泉など4ヵ所にシェアサイクル専用の駐輪場を設置、展開している。駅などにモデルコースを記したパンフレットを設置したり、自転車にも市の観光情報にリンクするQRコードが貼り付けされていたりと、観光地活性化の取り組みがされている。

今後の課題としては駐輪場の場所確保が挙げられる。
大手企業が次々と参入しているシェアサイクル事業だが、その中でDMMは駐輪場の数が確保できなかったことにより断念したそうだ。
また、中国では、2016年頃から急速に普及し、2017年時点の普及率が55.8%と世界の平均水準以上の規模となっている反面、北京のバス停近くの駐輪場では、自転車を停める場所がないのか、植え込みに投げられたり柵にかけられたり、自転車が大量に停められていて歩行者が通れなくなったなどの問題がある。
日本では昔から、駅などの放置自転車の問題があり、それが対策されつつある中で、シェアサイクルが展開されるとまたこの問題が起こるのではないかと言われている。

放置自転車問題が懸念されるが、地域活性に一役買いうるシェアサイクル事業の今後の展開が注目されるのではないだろうか。