引っ越し難民続出、人手不足「見積もりお断り」

新生活に向けた引っ越しシーズンが本格化しているが、人手不足が深刻なため、希望通りに引っ越しできない人が増える懸念が強まっている。社員の異動を抱える企業側も対応に追われている。東京都内に住む会社員女性(33)は今年1月、都内の別のマンションに引っ越そうと中小の業者2社に見積もりを依頼したが、いずれも繁忙を理由に断られた。
大手で探したが希望の土曜日は予約がいっぱいで、平日に希望を変更してようやく見つかったという。女性は「予想以上に手間がかかり疲れた」と振り返った。引っ越し業界は例年、春や秋に繁忙期を迎える。引っ越し業者が所属する全日本トラック協会によると、進学や就職、転勤などが重なる3月下旬から4月上旬は特に忙しく、年間の引っ越し件数の3分の1が集中するという。しかし、今シーズンは運転手不足や通販市場の拡大で配送業者が忙しく、例年より人と車両の確保が難しくなっている。

引用:http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180305-OYT1T50085.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

根本的な原因としては、宅配業者との人手の取り合いに負けていることである。現在、宅配業界は待遇が改善傾向にあり、宅配業界と比較すると待遇改善が遅れる、引っ越し業者では運転手が昨年の同シーズンより減少している。

業界2位のアート引越センターは、運転手不足や働き方改革で昨年春の受注件数を前年同期比で2割抑制。今春は回復傾向にあるが、一昨年の水準に及ばない。引っ越し市場はサカイ引越センターを筆頭に大手6社が約7割のシェアを占める。引っ越しを兼業する中小運送業者の中には、働き方改革や大手との受注競争が激しくなっていることから、引っ越しの仕事をやめるところも出始めたそうだ。

また、引っ越し料金の方も問題になっている。引っ越し業者としては、通年で契約している法人顧客の仕事を優先せざるを得ない状況であり、個人客に車両や人員を充てる場合、売り上げ確保を狙い、単価を引き上げているようだ。※家族向けの長距離引っ越しでは閑散期の3倍超えとなる50万~60万円の見積もりを出すケースも相次いでいるという。