人柄だけじゃない 理想の上司は「決断力+上に強い」

人材サービス会社ランスタッド(東京・千代田)が、全国のビジネスパーソン1800人(調査期間は8月中旬)と、2019年卒の内定者111人(同9月中旬)の双方に対し、上司に期待することや理想像などについてインターネットを通じて聞いた内容です。「上司に期待すること」の1位は、ビジネスパーソン、内定者ともに「正当な評価をしてくれる」でした。

内定者は同率で「親しみやすく相談しやすい」も1位だった。入社後の新生活でうまく職場になじめるだろうか、できれば親切に指導してくれる上司が
いい。そんな不安と期待が込められているのかもしれない。
一方、ビジネスパーソンの2位は「適切なアドバイスをしてくれる」だった。さらに5位の「経営層や上司にも意見してくれる」という項目では内定者を16.1ポイントも上回っている。
同社はこの結果について「働いているからこそ感じるビジネスパーソンの”リアル”な期待と、内定者の”感情論”の期待から出るギャップであると推察できる」とコメントしている。

■上司に期待すること(内定者)
 60.9% 正当な評価をしてくれる
 60.9% 親しみやすく相談しやすい
 40.9% 働くモチベーションをあげてれくれる
 39.0% 適切なアドバイスをしてくれる
 24.7% 自分のキャリア形成を気にかけてくれる
 22.6% ほめて伸ばしてくれる

■上司に期待すること(ビジネスパーソン)
 50.3% 正当な評価をしてくれる
 47.9% 適切なアドバイスをしてくれる
 35.6% 働くモチベーションをあげてれくれる
 30.0% 親しみやすく相談しやすい
 23.7% (必要であれば)経営層や上司にも意見してくれる
 22.6% チームの示す方向を示してくれる

<日経STYLE(電子版)>
引用:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO37938830Z11C18A1000000

─ YODOQの見方───────────────────────────

IT業界では特に人材育成が今後の大きな問題になっていることもあり、理想の上司や理想ではない上司という観点で少し深掘りしてみました。

上司に期待することと共通点はありますが、ビジネスパーソンの理想の上司像としては
 1位(53.7%) 人として信頼できる
 2位(45.1%) 決断力がある
 3位(35.3%) 視野が広い
 4位(30.6%) マネジメント能力に秀でている
 5位(21.2%) 感情的ではなく理論的である
という結果になっており、人柄と行動力・推進力、マネジメント力がある上司が理想になっている。(内定者では熱意、プレーヤー能力などが入る)
年齢別にみると1位は変わらないが、若手では知識・経験がある、指示が適格で優しいなど、教育者として評価されるような上司が上位に来る。
中堅以降では、リーダーシップ、決断力、責任感があるといった、統率系の上司が上位に来る。

これは個人的な見解ではありますが、上司は先生、部下は生徒というような関係が若手との間に出来てしまっているのが大きく、上司は自分の知識・経験を伝える事で部下が育つと思っていたり、部下は教えてもらわなければ出来ないので教えてもらって当たり前と思う風潮が多い気がしています。
昨今の人材不足もあって経験がない人を育てていかなければ人材を確保できないという要因も大きいのではないかと思います。

実際、上司は他の部下も見なければならないし、自身の仕事も山積みになっている事が多く、一人に時間を掛けていられない状況に陥いっていることが多く、最初は丁寧に教えるが、ずっと手取り足取りという訳にはいかない。
そんな状況になると部下からすれば見捨てられた、突き放されたと感じて不満に思う人も出てきます。
上司からすれば、必要な知識・経験は教えたので後はある程度出来ると思っているので、同じ事を何度も聞かれたり、同じ失敗を繰り返したりする部下に対して不満に思います。

部下の能力も個人差があるので出来・不出来はあるかと思いますが、それでも部下に仕事を任せる以上、責任は取らないといけないし、ある一定の成果を期待してしまいます。
部下はその上司の期待に応える為、学んだ事+成長を見せる努力が必要かと思います。
上司は、最初の指示だけして放置した挙句、部下が失敗した場合に、あとで何故失敗したか問い詰めたりしてしまうことがあります。
失敗に至るまでに確認・軌道修正をしてなるべく早い段階でケアしてあげる事が重要かと思います。
忙しいから確認出来ないという事は分かりますが、その後に大きな失敗に繋がり、そのリカバリの方がよっぽど大変だという事は分るはずです。

先ほど挙げたような、上司・部下の関係が出来上がってしまうと、例えば、「仕様書に書いていないので」、「お客さんから説明を受けていないので」、など、言い訳してしまうエンジニアを育ててしまうことになります。(自分も愚痴で言ってしまいますが)

これらはお客様との関係と同じでお互い歩み寄り、部下は上司の状況、考えを理解する努力をし、上司は部下の悩み、考えを理解する努力をし、それに対して、お互いが話をする場を短時間でも作る必要があり、まず上司がその場を用意いてあげなければいけないと改めて思いました。

参考までに・・・
逆に「なって欲しくない自分の上司・先輩」について調べた結果が次のとおり。
 ・面倒なことは回避して、部下に押し付けて指図する。
 ・すぐ根性論や精神論を持ち出して説得や納得させようとする
 ・事なかれ主義で、新しい挑戦をせず既存の仕事を無難にこなす
 ・自分の評価を第一に考える
 ・傲慢。威圧的で仕事を押し付ける
 ・自分の言うことがすべて正しいと思っている
 ・根拠もなく、怒鳴るしか能がない
 ・説明が曖昧で、相手の考えをくみ取ろうとしない
 ・自分の自慢話、人の悪口で、上司に媚を売る
 ・目的を伝えずに仕事を指示する

では、上司から見た部下はどうだろうか。
「なって欲しくない部下・後輩」について調べた結果が次のとおり。
 ・言われたことはするが、情熱がない
 ・現在自分が何をしているのかわからないまま、だらだらと手を動かす
 ・大丈夫じゃないこともすべて「大丈夫」と言って、最後に「できません」という
 ・指示待ち。ネガティブ。わかっていないのに放置する
 ・やる気がなく、こちらからの会話にも無関心
 ・自分で考えるのはいいが、相談せずに勝手にやってしまう
 ・自己表現が弱い。何を考えているのか口に出さない
 ・自分の世界に没頭し、周りへの意識が薄い
 ・たいした実績も能力もないのに、ひとりよがり
 ・指示と違った事をしておいて、自分で尻を拭かない

参考:新人VS中堅エンジニアが激白!上司と部下の理想と現実-Tech総研
https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002344