10大学が「不適切」=医学部入試、ルール検討-文科省が最終まとめ

文部科学省は十四日、最終まとめを公表し、女子や浪人生を不利に扱うなど不適切な入試を行っていたなどとして十校の大学名を明らかにした。十校は、東京医大▽昭和大(東京都品川区)▽神戸大(兵庫県)▽金沢医科大(石川県)▽岩手医科大(岩手県)▽福岡大(福岡県)▽順天堂大(東京都文京区)▽北里大(神奈川県)▽日本大(東京都板橋区)▽聖マリ大。

引用:時事ドットコムニュース
ほか、日経新聞など

医師になった後に出産・育児で離職する可能性がある女子や、国家試験の成績で劣るとみた浪人生を不利に扱うなどしていた。

合理的な理由がないのに特定の受験生を合格または不合格とすることや、性別、年齢、現役・浪人の別、出身地域などの属性で一律に取り扱いに差をつけることは不適切となる。ただ合理的な理由があり募集要項に明記すれば、地域特別枠や推薦など別枠の入試で年齢、出身地域などで差をつけることは可能とした。適切に入試が実施されているか文科省が定期的に調査することはなく、「入試は各大学が方針に基づき行うもので、自主性や裁量を尊重することが極めて重要」との考え方をとる。

─ YODOQの見方───────────────────────────

この問題は今年の8月、問題発覚当時にテレビ、新聞、ウェブ上などで多くの議論がなされた。病院関係者の中には女医を増やさないことが「暗黙の了解」であり、医療現場にとっては「必要悪」であるといった意見もあった。

また、医学部受験は他とは異なり、大学病院から見れば「就職試験」に近い考え方と捉え、大学病院の体制そのものに問題があるとした意見もある。
「東京医大が「女子差別」を続けた根本原因」
プレジデントオンライン

文科省の措置については踏み込みが浅く、腫れ物に触るような対応に感じられてしまうが、「大学の自治」の原則に沿った対応と思われる。
「大学の自治」 コトバンク

大学が自治を維持する権利は社会に対して誠実であり続ける義務と表裏一体となっているはず。今後、大学は病院運営を維持しながらも誠実さを保つという難問に挑むことになる。
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■備考その1
厚生労働省の取り組み
女性医師キャリア支援モデル普及推進事業の成果と今後の取組について

平成26年の調査で、女性医師の割合は20.4%、合格者数比率は33%。
国際比較では、OECD加盟国加重平均39.3%の半分程度。
科目別では皮膚科が46%と突出し、眼科、麻酔科・・・と続く。少ないほうは 整形外科、脳神経外科、泌尿器科、外科・・・

■備考その2
女子の学力は男子よりも高いのか:世界的な成績調査結果PISA
news from nowhere

OECD諸国の15歳の男女生徒の成績を比較したPISAでは国際的に見ても15歳児で比べると、全般的に女子の方が男子より得点が高いようです。調査対象国の70%で女子の方が男子よりも成績がいいという結果。