エコバックを利用した万引きが増加

レジ袋有料化が7月1日から始まり、既に新たな常識になりつつあるエコバックを巡っては、思いもよらないトラブルが起きていました。
「エコバッグ万引き」とは、陳列棚の本を持参したエコバックに入れ、レジを通さず店を出る手口のことです。
この万引きの被害にあった、茨城県土浦市にある「つちうら古書倶楽部」という古書店は、入店の際にはエコバックだけではなく、口が閉じない手提げバッグも従業員に預けてほしいとしています。

引用:「エコバッグ万引き」横行で古書店が悲痛なお願い…レジ袋有料化で何が起きたのか聞いた

─ YODOQの見方───────────────────────────

書店においての万引き被害による損失は、深刻な問題になっており、書店が減少し続けている原因の1つにもなっています。
全国の書店の万引き被害額は、年間約200億円と言われており、1店舗における年間の被害額は210万円で、この被害額は1店舗の年間売上高の1%~2%相当の金額になります。
また、経済産業省発表の調査結果によると、コミックスは一度の万引きで6.6冊も窃盗されているそうです。
そして、被害数の多さではコミックスに次いで写真集が4.1冊、続いて月刊・週刊誌が3.9冊、一般書籍が3.4冊となっています。
犯行目的としては、フリマアプリなどでの換金が最も多いようです。
書籍の仕入れ値は、販売価格の約8割程であるため、1冊万引きされると5冊販売してようやくプラマイゼロになる計算となっており、被害の深刻さが伺えます。

参考:書店での万引きの実情

現在、万引き被害を防止するための書店業界の動きとして、最も採用されているのが防犯カメラです。しかし、防犯カメラの死角を狙った犯行や、そもそも防犯カメラを常に見張る人手もいないこともあり、万引きの被害は一向に減っていません。
万引きの対策を、各書店の努力に委ねるには限界があるため、業界ぐるみでの対策が今後の鍵となりそうです。
2017年には、万引防止出版対策本部が設立され、「これ以上書店を減らさない」をスローガンに、万引き犯罪根絶に取り組んでいます。

参考:万引きは“若者の犯罪”ではない!?書店が頭を抱える「万引きの深刻化・複雑化」と対策のいま