「伝統建築工匠の技」 ユネスコ無形文化遺産 17日ごろ決定へ

世界の伝統文化などを保護するユネスコの無形文化遺産への登録を決める会議が12月14日、始まります。
日本の木造建造物を受け継いでいくための宮大工や左官職人などの技術「伝統建築工匠の技」の登録は、17日ごろ正式に決まる見通しです。
ユネスコ=国連教育科学文化機関の政府間委員会は14日からオンライン形式で開かれ、無形文化遺産への登録に向けた各国の提案などについて審議を行います。
日本は、法隆寺をはじめとする文化財建造物の保存に欠かせない「建造物修理」の技術や、古くから建造物の種類を問わず広く使用されてきた「かやぶき」、独特の色つやを持つ「建造物漆塗」、表面を土やしっくいで仕上げる「左官」や、「畳製作」など17の伝統技術をまとめて、「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」という名称で提案しています。
これらについて日本は、木や草、土などの自然素材で地震や台風に耐える構造と豊かな建築空間を生み出し、古代から受け継がれ、発展してきたとしています。
「伝統建築工匠の技」について、ユネスコの評価機関は先月、登録するよう勧告しており、17日ごろ無形文化遺産への登録が正式に決まる見通しです。

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201214/k10012762481000.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

ユネスコ無形文化遺産の目的として

「グローバリゼーションの進展や社会の変容などに伴い、無形文化遺産に衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から、無形文化遺産の保護を目的として、2003年のユネスコ総会において採択された。」

とあります。
参考:文化庁

無形文化遺産への登録が文化遺産の保護へつながっているのかを過去事例をもとに調査しました。
登録事例は、神事・祭りが主なため、職人技術という点で「伝統建築工匠の技」と近しい「和紙」を例に挙げます。

2014年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和紙」ですが、出荷額、事業者数共に多少の増減はあるものの全体として減少傾向であり、平成10(1998)年と比較すると約半分程度の規模にまで落ち込んでいます。
参考:我が国における和紙産業のブランド力強化に関する調査

さらに、ユネスコ無形文化遺産に登録後の2014年以降は事業所数が一時的に回復しているものの、減少傾向にあります。
参考:経済産業省「工業統計」2014年以降

調査結果の中でもある、市場拡大・販路施策として、海外アーティストへの需要喚起や体験事業が挙げられていますが、現役の職人がこれまでやってきた仕事以外に適応することが難しい現状があります。
対して、SNS・動画サービスを活用し伝統技術を巧みにPRしている企業や個人の職人も現れています。
ユネスコ無形文化遺産登録により、関心を集めることと、SNS等を活用できる世代の台頭により状況が好転する可能性があるのではと考えます。