『AI婚活』活用を政府が支援

内閣府は2021年度の概算要求に少子化対策費用として20億円を計上し、対策の一つとして、地方自治体がAIを活用した婚活システムを導入する際の費用の3分の2を支援する方針を明らかにした。
想定するシステムは、結婚希望者の年齢や趣味といったプロフィールや、行動履歴などのビッグデータを活用し、利用者を好んでいそうな人を見つけてマッチングするというもの。
実際にビッグデータを活用した結婚支援を行っている愛媛県では、マッチング成立割合が13%から29%に向上したという。
内閣府の少子化対策担当者は「これをやれば対策完了というわけでなく、他にもさまざまな問題があり、やらないといけないことがたくさんある」「保育や教育に関する対策もやっているが、それ以前に結婚支援も重要。結婚する人は年々減少しているが、結婚願望がある人は依然として多く、出会いがないのが大きな問題」と話した。

引用:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/08/news090.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

・少子化の現状について
厚生労働省の定期調査「人口動態調査」の調査結果「人口動態統計」によると、単純な出生数の推移は1973年以降減少し続けており、直近2019年は86万5239人で前年比はマイナス5万3161人となり、2016年以降4年連続しての100万人割れとなった。

少子化の原因は多様におよび、複数の要因が複雑に絡み合った結果であると言われている。
特に晩婚化、未婚化、女性の高学歴化、住環境の問題、経済状況の悪化、社会風土の変化などの理由が挙げられている。
今回の記事の内容は、『未婚化』の解決策としてあげられたものである。

・『未婚化』の現状について
同じく厚生労働省の定期調査「人口動態調査」の調査結果「人口動態統計」によると、1972年以降、結婚件数・婚姻率ともに低下傾向にある。
『未婚化』の原因は大きく分けて3つあり、「経済的要因」「環境的要因」「心理的要因」が挙げられる。
記事の『AI婚活システム』はこの「環境的要因」に対するものとなる。

昔は多くの結婚が、お見合いによって行われ、自分で出会いを探さずに親が決めた相手と結婚でき、また地域のつながりもあったので、地域の人で独身同士を繋げるような環境もあった。
しかし最近では、親がお見合いを設定することも減り、近所付き合いも減ったため、自発的な出会いが必要となっている。このハードルが『未婚化』につながる。

・まとめ
少子化対策のため、特に『未婚化』対策のために『AI婚活』活用を支援することを発表した政府だが、私は未婚化の原因の大部分を占めるのは、どちらかというと「経済的要因」「心理的要因」だと考える。
そもそも結婚したいと思えなければ、婚活をすることがないので、まずは結婚できる環境、または結婚したくなる環境を作ることが大事である。

別の側面から考えると、今回の政策はマッチングシステムが社会的に認知された結果だと思われる。
今のご時世マッチングアプリで出会って付き合うのも当たり前になっているという状況もあって、マッチングアプリが社会的なポジションを確立したことにより、政府としても活用しようという話になったのではないだろうか。