なぜGAFAが警戒されるのか?

GAFAと呼ばれる巨大IT企業は欧米の司法当局から問題視され、厳しい追及を受ける状況が続いている。
米38州・地域がグーグル提訴 独禁法違反で第3弾(2020/12/18 時事ドットコム)
米当局、フェイスブック提訴 インスタ買収「反競争的」(2020/12/10 朝日新聞)

─ YODOQの見方───────────────────────────

今やスマートフォンを通じてGoogleやFacebookを日常的に利用している方は世の大半だと思います。

中には「トラッキング拒否」「SNS疲れ」など、これらのサービスが広まることに拒絶感を示すような風潮もあります。
前掲の記事にあるように、欧米の司法当局はグローバル巨大IT企業の代表格であるGAFAには厳しい対応を行っています。

なぜGAFAはこれほどまでに当局に警戒されるのでしょうか?経済の観点から国家、企業の関係を見つめることで、この疑問に一定の解答が得られそうです。

アメリカの反トラスト法(日本での独占禁止法)は「健全な競争がサービスの価格を適正化する」「寡占はユーザーにとって弊害がある」という考え方をベースに持っています。ところがSNSなどのサービスは「皆が使えば皆がもっと便利になる」という調子で、必ずしも「法律が前提とした正義」とは一致しないことがあります。

また、ソフトウェアはコピーにほとんどコストがかからないため、製造業のように売上に比例して原価が増えることはありません。このためユーザー数が増えることで巨大な利益を生む性質を持っています。どんどん外国へ進出してグローバル展開することで、IT企業は他の産業に比べて容易に大きなマーケット、大きな利益を掴むことが可能です。

1980年代以降、「資本移動を伴うグローバル化」の潮流により、企業はどの国で税金を納めるかを選択できるようになっています。世界各国で法人税の減税が行われ、企業誘致が競われています。
アップルはオランダ、アイルランドの税制を巧みに利用した「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」という手法で、実効法人税率2%を実現したそうです。
通常日本の実行法人税率は30%~40%ですが、アップルの利益規模でこれだけの節税が合法的にできてしまうのは驚きです。

こういった事情から、現在の世界は「国家が企業を管理できる・抑止力を持っている」という状況ではなく、その立場は逆転していると言えます。

法人税から税収をあげることが難しくなった国家は、より確実に徴収可能な付加価値税(消費税)の割合を増やして何とか財政をやりくりするようになっています。
2019年、日本でも消費税の増税が実施されましたが、その背景にはGAFAのようなグローバル巨大IT企業の増大が関連していることがよくわかると思います。

参考:
新潮社:国家・企業・通貨―グローバリズムの不都合な未来―
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■備考
所得税は累進課税制度により、富裕層ほど多くの税金を負担する仕組みが取られている。
主要国での最高税率は、1970年代から一貫して引き下げられる傾向にある。
企業の誘致と同様に、富裕層を自国につなぎとめる競争が行われているということになる。
個人所得税の税収総額は各国とも大きな変化はなく、実質上、中間層の税負担が増えていると言える。

税制が貧富の差を拡大助長する一因となっている。