「空飛ぶクルマ」の未来

新しい移動手段として次世代モビリティである「空飛ぶクルマ」の開発や環境整備が進められている中、法令や手続き、空港での乗り継ぎなどに関する課題抽出を目的に、三重県志摩市と中部国際空港との間で、ヘリコプターを用いた現地での実証実験が行われます。

引用:乗りものニュース『「空飛ぶクルマ」志摩~セントレアで「仮想運行」 ヘリを用いて課題抽出へ』2021年1月10日付

─ YODOQの見方───────────────────────────

「空飛ぶクルマ」は、近年アメリカのウーバーなどが手掛け、日本では、2023年に事業スタート、2030年代から実用化を目指すとした、経済産業省によるロードマップも策定されている。
その背景には、都市の渋滞を避けた通勤や通学、離島や山間部での新しい移動手段、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送の構想がある。
参考:経済産業省 ニュースリリース 「“空飛ぶクルマ”の実現に向けたロードマップを取りまとめました」2018年12月20日

現在開発中の画像や動画を見ると、クルマとも飛行機とも異なる一人乗りのドローンのような形をしていることが多い。
「空飛ぶクルマ」は正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」eVTOL(electric vertical takeoff and landing aircraft)といい、電動化、完全自立の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴だ。

「空飛ぶクルマ」の実装にはいくつか課題が挙げられている。
1、安全面
航空機よりは軽いと言えど、それなりの重量をもつ乗り物が空を飛ぶのは大変危険だ。
自由に飛び回られると事故の確率が格段に高まるため、決められたルートを走行する、地上のバスのような利用方法が考えられている。
あくまでも完全自動操縦が前提だ。
完全自動操縦の自動車さえも満足に走行していない現状で、空飛ぶクルマは実用化できるのか。

2、コスト面
「空飛ぶクルマ」は、ある程度軽い機体、かつ垂直離着陸が可能で飛ぶことのできる高性能なエンジンを積む必要がある。
これには多大なコストが必要だ。
現状、他の交通機関で賄えている部分も多く、普通に生活していく上で一般の市民には大きな需要がない。
その中で開発を進めていくには、国や地方自治体のバックアップが必要になると考えられる。

SFや、未来の映像としてよく描かれる「空飛ぶクルマ」だが、実用化には大きな課題があることがわかった。
しかし、ニュースにある三重県以外にも、愛知県、大阪府、東京都など、日本でもいくつかの地方自治体や会社が「空飛ぶクルマ」の開発をすすめている。
10年以内には「空飛ぶクルマ」を日本で見たり、乗ったりできる未来が来るのではないかと感じた。