コメ兵のAI導入、テクノロジー活用戦略

AIが偽物を見抜きます―。
コメ兵はブランド品買い取り時の査定業務に人工知能(AI)が真贋(しんがん)と型番を判定するシステム「AI真贋」を導入し、名古屋本店(名古屋市中区)で運用を始めた。
査定業務の効率化のほか、鑑定士の育成期間短縮を図る。対応ブランドは当初「ルイ・ヴィトン」のみで今後、導入店舗と併せて順次拡大する。

【日経新聞】コメ兵、データで真贋判定

【newswitch】AIで真贋判定、コメ兵がシステム導入

コメ兵は名古屋を基盤とし、創業70年を超える中古品買取の老舗会社。
他にも、フリマアプリ「カンテ」を運営しており、CtoCアプリ市場で競合するメルカリなどにはない「実物鑑定サービス」を付加価値として提供している。

また、2020年5月から実店舗ではメルカリの運営する電子マネー「メルペイ」を利用可能としている。
【PR Times】コメ兵、店舗に「メルペイ」導入

─ YODOQの見方───────────────────────────

これらの技術の利用は、著名なビジネス書で提示された「勝ちのセオリー」に沿った行動の具体例として捉えることができそうです。

AIによる真贋鑑定の導入は、査定を効率よく早く行うと共に、査定の透明性を高めて中古品市場への安心感を高める狙いがあると語られています。
また、メルペイユーザーの多くは「メルカリ」による中古品の売買を経験した若者です。実店舗で「メルペイ」を利用可能とすることで、以前に比べて中古品市場に抵抗感が少ない若年層を自社の顧客として取り込むことが期待されます。
ピーター・ドラッカーの「企業の第一の目的は「顧客の創造」である」という言葉はあまりにも有名です。
【経営者・管理職のミカタ!】 企業の目的は顧客の創造である。-ピーター・ドラッカー

自社の強みは、これまで蓄積した鑑定技術、職人技であるとし、それを最大限活かすためのAI鑑定を取り入れ、他社と直接競合しない形でCtoCアプリをリリースしています。
メルカリ台頭時期のあるインタビューでは、メルカリを「脅威としては捉えていない」とコメントし、実際にメルカリのサービスを自社店舗で利用可としています。

「新技術を持った競合が自社の市場を奪いに来た」と慌てるのではなく、自社が得意な事、差別化できる事「コア・コンピタンス」は何かを見つめ、そこに資源を投入していく事こそ重要という判断があるようです。

「コア・コンピタンス経営」
【あしたの人事】コアコンピタンスとは?定義と見極めポイント、企業の成功事例を解説

「技術は業績の勢いの源ではなく、促進剤」
【MILH】ビジョナリーカンパニー_第2巻_飛躍の法則 08 – 第7章 新技術にふりまわされない

コメ兵がこれら、MBAの教科書に載りそうな取り組みを進めた結果、どのような飛躍・発展につながるのか注目したいと思います。