ワクチンパスポートと倫理観

現在、「ワクチンパスポート」という言葉が世界で飛び交い始めている。ワクチンパスポートとは、ワクチンを接種したことなどによる免疫の有無を証明するものだ。
現在、最もワクチン接種が進んでいるといわれるイスラエルでは、国民の過半数が2回のワクチン接種を完了している。イスラエルの配布するワクチンパスポートの保有者は、レストランの店内利用やスポーツジムやプールなどの利用、イベントへの参加などが認められている。
こういった世界の動きがある中で、日本はこの証明書の導入には慎重だ。政府は、「接種を受ける、受けないは本人の判断であり、それによる不利益が起こらないよう、政府として対応しないといけない」としている。ワクチンパスポートは接種者を優遇し、未接種者を排除することになりかねないという意見もある。

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210401/k10012947681000.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

今回取り上げたワクチンパスポートにより、経済の回復や、行動の自由の獲得が期待できます。その点は魅力的ですが、記事にあるようにワクチンパスポートの有無による倫理的な問題が起こりえます。
ワクチンパスポートで免疫の有無を公的な証明として視認できるようになると、ワクチンパスポートを持っていない場合、不当な扱いを受けることが予想されます。
19世紀アメリカのルイジアナ州ニューオリンズで黄熱病に対する免疫の有無によって、ワクチンパスポートと似たものが発行された事例があります。このパスポートをもたないと、結婚相手や働ける場所を制限されたようです。感染症と差別の歴史をみると、ハンセン病、天然痘、ペストといった、外見上に変化が現れるものは大きな差別を受けていることがわかります。
参考:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/591119/
コロナウイルスやインフルエンザは外見上の変化が表れにくいため差別は起こりづらいですが、今回のワクチンパスポートが感染しているかどうかの指標になってしまうと恐ろしいことになりそうです。とはいえ、感染している恐れがある人から距離をとることを頭ごなしに批判はできません。
日本でワクチンパスポートが導入された場合、こういった倫理的な面は自己責任で判断するしかなさそうです。