米アマゾン およそ1万人の人員削減を計画 景気減速への懸念

アメリカのIT大手アマゾンが、およそ1万人の人員削減に踏み切る計画だと、14日にアメリカのメディア各社が報じました。
景気減速への懸念が高まる中、人件費を抑えようという動きがアメリカのIT企業で広がっています。これは、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズなどが14日に関係者の話として伝えたものです。
アマゾンが計画している人員削減の対象となるのは、小売りや人事のほか、人工知能を搭載したスピーカー「アレクサ」を手がける部門も含まれ、規模は合わせておよそ1万人に上るとされています。
コロナ禍でネット通販の利用が拡大したのに伴い従業員を増やしてきましたが、急速な利上げによる景気減速懸念が高まるなか、人件費を抑える必要があると判断したものとみられ、早ければ今週中にも解雇を始めるとみられています。
アメリカのIT企業の間では、フェイスブックから社名を変更したメタが1万1000人以上の社員を削減すると発表したほか、起業家のイーロン・マスク氏に買収されたソーシャルメディア大手、ツイッターも、社員の半数を解雇するなど、今月に入り人件費を抑えてコストを削減しようという動きが広がっています。

引用:米アマゾン およそ1万人の人員削減を計画 景気減速への懸念 | NHK

─ YODOQの見方───────────────────────────

そもそもレイオフとはなんなのか?
・レイオフとは:
アメリカなど海外で行われている一時的な整理解雇のことで、企業の経営不振などやむを得ぬ理由で人員削減が必要になった場合に行われます。リストラも同じく整理解雇のひとつですが、
リストラ → 解雇された従業員は、基本的に企業に再雇用されることはない。
レイオフ → 経営が安定してきたら、レイオフした従業員は再雇用されることが前提。
というように微妙に定義上の違いがあります。(実態としては、アメリカでのレイオフも永久解雇のようなものだそうですが)
また、日本企業がリストラを行うとなると、徐々に経営が立ち行かなくなっていって、最終手段的に従業員の解雇に至るというイメージですが、米企業では、少しでも経営が傾いた際の対策としてすぐにレイオフを行うというように、意外とよくあることだそうです。
ですが、日本でのリストラとは少し意味合いが異なるとはいえ、この11月の間で何社ものアメリカ企業が大規模な人員削減を行っているのは、やはり深刻な事態だと思われます。

アマゾンの状況
コロナ禍の間、アメリカのテクノロジー業界は数十年来の強気相場が続き、異様な好景気に沸きました。特にアマゾンは、巣ごもり需要で売上を伸ばし、2020年は210億ドル(約2兆9300億円)の黒字、2021年は330億ドル(約4兆6000億円)の黒字でした。しかし、コロナが収まってきた2022年に入ってから9月末までの赤字額は30億ドル(約4200億円)に上っています。

事態の背景として考えられること
・単に巣ごもり需要の減少
・急成長を受けての過剰な雇用
・インフレによるガソリンなどコスト上昇
・ロシアのウクライナ侵攻開始による世界経済の混乱

最後に
ここ最近で、日本のIT企業で大規模なリストラが行われたというような記事はありませんでしたが、このようなアメリカでの事態が一時的なものなのか、どんどん影響拡大していって日本にも波及してくるのかは誰にもわかりません。私たちも、今いる会社に依存しすぎず、他社でも通用する汎用的なスキルを高めるなどの備えが必要ではないでしょうか。

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