通販カタログ「ひとりに1冊」 ディノス、購買分析し商品お薦め

カタログ通販大手のディノス・セシールは、通販サイトでの顧客の購買情報をもとに、一人ひとりに異なる小冊子を印刷して送る取り組みを始める。人工知能(AI)を使い購入した商品の類似アイテムを使ったコーディネートや、合わせやすい商品を提案。一人ひとりの趣向に合わせた、いわば「個人向けカタログ」を送り、効果的な販促を狙う。小冊子「Like it!」の配布を8月3日から始める。まず春夏商品のうち売れ筋の130点のファッションアイテムを購入した約2万人が対象となる。従来のカタログ通販は、大量に印刷した同じ冊子を配るのが一般的。新たに始める小冊子は8ページで、表紙に顧客の名前や過去に購入した商品を印刷する。中面には、その商品に似たアイテムを使ったコーディネートの画像や、合わせやすいお薦め商品を掲載する。
コーディネート画像は写真共有サイト「インスタグラム」に掲載された写真を使う。ファッション分野に強いAIスタートアップのニューロープ(東京・渋谷)の技術を使い、顧客が購入した商品に似たアイテムを自動で抽出する。画像は同社が契約する約400人のインスタグラムの人気投稿者「インスタグラマー」から調達する。当面は人手が必要だが、年内に小冊子づくりまで完全自動化を目指す。将来的には数十ページあるカタログも一人ひとり異なる内容にする考えだ。

引用:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33696990R00C18A8TJ2000/

─ YODOQの見方───────────────────────────

この記事を読んで、ネット通販が主流である今、なぜカタログに力を入れるのかという点が疑問に思う。ネット通販と比較しての一番の魅力は、イメージで売ることができる点だと考える。ネット通販はカテゴリ別検索などで目当ての商品だけを探すことが多いが、商品量も多く全部見ようとすると疲れてしまうことがよくある。その点カタログ通販は、雑誌のように雰囲気を楽しみながら、その中で欲しいものを決めることができる。例えばインテリアのカタログなら、部屋の写真が載せてあり、その中からベッドを購入できたり、デスクが購入できたりする。イメージで「ほしい!」と思ってもらえるため、ついつい目当ての商品以外にも手が伸びるのではないか。実際にディノスセシールは2017年9月に一部顧客を対象に、ネットの購買情報をもとに紙のダイレクトメール(DM)を送るテストを実施した。メールのみを送った場合に比べ購入率が2割向上したそうだ。メールマガジンは開封率が少ないが、カタログは空いた時間に楽しめる。今後はデジタルとアナログを融合した通販が主流になっていくのではないかと考える。