会話楽しみ鑑賞 enocoで「おしゃべり美術館」展

大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco)では、おしゃべりOKの展覧会を8月4日から26日まで開催しています。
日本の美術館では、静かに黙って作品鑑賞をすることがマナーとして一般的ですが、作品をみて感じたこと、考えたことなどを来館者同士で話し合いながら、新しい気付きや価値観にふれることができるようにとの考えで、このおしゃべりOKの展示を開催しています。

引用:http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/180805/20180805029.html
引用:http://www.enokojima-art.jp/talk_museum/

─ YODOQの見方───────────────────────────

先日、兵庫県立美術館で開催されているプラド美術館展に行って、10年前くらいの美術展とは取り組みが変わってきているなと感じました。開館に合わせて到着しましたが、すでにチケット購入および入場の列ができており、家族連れや小学生グループも多く来ていました。
文部科学省の調査では、美術館類の入場者数は、平成22年度にくらべ平成26年度は伸び率が△11.4%と減少傾向にあります。そんな中でも一部の美術展は、かなりの混雑が見られるように人気に偏りが発生しています。
参考:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/kekka/k_detail/1378657.htm

近年、日本で開催される大きな美術展ではプレゼンターに芸能人を起用してPRしたり、TwitterなどのSNSを活用して来場を呼び掛けたり、オリジナルキャラクターを作成してグッツ展開するなど、さまざまな広報に取り組んでいます。
大規模な展示であるほど広報に力を入れ、結果として入場者数が増えているのだと思います。
増えすぎたため、SNSで混雑状況を知らせたり、夜間延長開館したり、混雑解消の取り組みもなされるほどです。

美術館など実際にその場に行くことで利益が発生するものでは、いかに人を呼ぶかが大事になります。
今は、Google アート プロジェクトなどのように実際に行かなくてもオンライン上で絵画を楽しめるサービスもありますが、記事で紹介したおしゃべりOKな展示や、芸能人のナレーション目当ての人を引き込んだり、子どもを無料にすることで家族連れで行きやすくしたり、子供向けのワークシート(絵画についての感想を書いたり、解説や鑑賞の仕方が書いているもの)を用意するといった工夫が必要だと感じました。
参考:https://www.google.com/intl/ja/culturalinstitute/about/artproject/

これは美術館などの文化施設に限らず商店にも当てはまると思います。
そこでしか得られない体験があれば、あえてのその店に行く理由があるためお客さんに訪れてもらうことができます。
また実店舗だけでなくホームページについても同様で、Amazonや楽天など同じ商品を取り扱っているサイトが多かったりするため、そこでしか得られない体験をいかに作るかが大事になってくるのではないでしょうか。