パワハラ 企業の対策支援 防止義務化で新サービス

企業にパワーハラスメント防止が義務付けられるのを受け、メンタルヘルス対策を支援する各社が新たなサービスを投入する。外部の相談窓口を設けて専門の担当者がアドバイスしたり、パワハラの行為者が感情を制御できるようにするプログラムを提供したりする。

企業にパワハラ防止対策を義務付ける女性活躍・ハラスメント規制法が成立し、大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から適用される。EAP(従業員支援プログラム)を提供している企業が中小企業のニーズに応える為にサービスを展開している。
例えば契約企業に対して、外部の相談窓口を従業員に提供し、他の従業員や上司に知られずに相談できる。
このサービスが社員数に応じて低価格で提供されるようになる。

引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51742330S9A101C1MM0000/ (日本経済新聞)

─ YODOQの見方───────────────────────────

この記事の中でEAP(従業員支援プログラム)と言われるサービスについてどのようなものなのかを調べてみた。
似たような言葉にメンタルヘルス対策という言葉があるが正しい理解としては異なっている。
メンタルヘルス対策がストレスや病気を抱えた従業員のケアを行うことを言うがEAPはそれだけではない。
パフォーマンスを下げる要因、例えばストレス、精神疾患、ハラスメント、トラブルなどに対して対策すると共に、パフォーマンスを高める要因、例えばキャリアデザイン、ワークライフバランス、円滑なコミュニケーション、マネージメントに対する取り組みも行う。
問題への対処ではなく、パフォーマンスの改善・向上を目的・目標として行うものがEAPである。

もともとEAPの考え方は、産業革命以前のアメリカ合衆国での社会情勢に端を発する。当時、飲酒・アルコール依存が社会問題となり1920年に禁酒法が成立した。しかしながら問題を抱えた人の状態は改善しなかった。そのなかでAA(Alcoholics Anonymous)が誕生し、当事者同士が自身のことについて語り合うことによって改善に向けての主体性を持っていく取り組みが広がった。これがEAPの始まりと言われている。
その後、1950年代の第二次世界大戦において心的外傷を負った兵士への心のケア、不況でのリストラなどで社会が混乱した時期に増加した、アルコール依存、薬物依存、うつ病などによる生産性・パフォーマンスの低下が問題となった。こうした中で1970年代から80年代にかけてEAPが急速に広まった。
日本では2008年に施行された労働契約法にて労働者への安全配慮義務が法的義務と課せられるようになったことで導入が進んでいる。

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