ゲーム依存は「病気」

国立病院機構久里浜医療センターは、全国の10~29歳を対象にゲームに費やす時間とゲームが生活に及ぼす影響について調査・分析した。

【分析結果】
1)最近1年間のゲームプレイ率:85%
ゲーム時間平日2時間以上:男性の4割、女性の2割
ゲーム時間休日6時間以上:全体12%

2)6時間以上ゲームをしている人のうち
昼夜逆転:5割
成績や仕事のパフォーマンス低下:3割
学業や仕事への悪影響があっても続けた:25%
睡眠障害など心の問題が起きても続けた:15%
友人など人間関係の悪化があっても続けた:15%

世界保健機関(WHO)は今年5月、ゲーム依存症は「病気」であると位置づけた。
中学生、高校生は特にネットへの依存度が高いと言われている。
周囲の大人はゲーム依存への危険性を十分理解したい。
参照:産経新聞THE SANKEI NEWS 「【主張】ゲーム依存 やめられない怖さ認識を」2019年12月11日付

─ YODOQの見方───────────────────────────

・プレイ時間を制御できない
・日常生活より優先する
・問題が起きても続ける
・仕事や学業に影響がある
一般的に、上記4つの状態が1年以上継続している場合、ゲーム依存と診断される(子供はより依存度が高いため、1年経たずに診断される場合もある)。
先ほど述べた久里浜医療センターでは、予約日には電話が鳴りやまず、数か月先まで予約が埋まっている状況にあるらしい。

ゲーム依存はアルコールや覚せい剤など依存性のある物質を現実に摂取するわけではないのに、なぜ病気と位置付けられたのか。
それは脳の働きによる。脳には大脳辺縁系と前頭前野と呼ばれる部分があり、それぞれ本能と理性を司っている。
アルコール依存やギャンブル依存は、本能を司る大脳辺縁系の働き(「やりたい!」という衝動的な気持ち)が強く、理性を司る前頭前野(「明日は仕事、もうそろそろやめなきゃ」という冷静な気持ち)が負けてしまう。
近年の調査の結果、ゲーム依存にある状況下でも脳の働きがアルコール依存やギャンブル依存と同じようになることがわかってきた。そのため、WHOもゲーム依存を「病気」として認識せざるをえなくなった。

では、我々IT企業はゲーム依存に対しどう取り組むべきか。
数年前から、スマホの画面を閉じると魚が育つ、木が育つといったゲームが流通し始めた。また、最近では、iPhoneでの1日のアプリごとの使用時間を検知し通知するシステムや、発売されて間もないNintendoSwitchにも使用時間の制御機能が搭載されている。
インターネット社会となった今、ゲーム依存、またネット依存の怖さを理解しつつ、ITを提供することが必要になってくるだろう。