サイバー防衛人材確保の困難さ

国や自治体がサイバーセキュリティー人材の確保に苦しんでいる。サイバー攻撃に対応するための人材は民間でも引き合いが強く、「売り手市場」となっている。
公務員としてもっとも地位の高い事務次官級の給与を用意して人材を確保するなどの対応を迫られている。
また、警察官として採用されるといったん現場回りを経験させられるなど、サイバースキルを活かしたい人材の要望にマッチしないという問題もあるという。

引用:日経新聞 足りぬサイバー防衛官僚 人材獲得 高報酬の民間に遅れ

─ YODOQの見方───────────────────────────

セキュリティーのスペシャリストは日本の一般企業でも重宝され、待遇面でもかなり優遇されているようです。
以下、昨年9月にセキュリティー関連会社が発表した白書の内容の一部です。

参考:ソフォス アジア太平洋および日本におけるサイバーセキュリティーの未来

オーストラリア、インド、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール各国の民間企業において、セキュリティー担当者が自社の戦略と活動に不満を持つ点をヒアリングして集計しています。
優先度の低下、予算不足、複雑さの理解などの項目があがりますが、
日本では1.予算不足、2.スキル不足、3.トレーニングと教育 が挙がっています。
これらの回答全てが民間企業での人材の引き合いの強さを裏付けるようです。

このことから今後も日本の民間企業のセキュリティー人材の引き合いはますます強くなっていくことが予想されます。
セキュリティー人材の確保能力が官<民であり、国家レベルのサイバーセキュリティーを確保するにはさらにハードルが高いことがわかります。しかしながら、国家が一般企業よりも優秀なサイバーセキュリティー人材を確保する必要があるのは自明のことでもあるので、人材確保の対策は急務だと思います。