接触確認アプリ「COCOA」リリースまでの背景

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症患者と接触した可能性を通知するスマートフォンアプリ「COCOA」のダウンロード数が8月12日までに1290万件になったと発表した。PCR検査で陽性だと分かった人がアプリに陽性を登録した数は、225件になったという。
COCOAは、スマートフォンのBluetooth機能を利用し、新型コロナウイルス感染症の陽性者と1メートル以内、15分以上接触していた場合、事後に通知を受けられるアプリ。陽性者が、保健所から発行された8ケタの処理番号を入力すると、接触者に通知が届く仕組みだ。6月19日の公開から、アップデートを続けて問題を修正しつつ、ダウンロード数を増やしてきた。

引用:8月14日 ITmedia NEWSの記事より

─ YODOQの見方───────────────────────────

開発者について調べました。
まず、海外でもココアと同じような接触確認アプリは普及しつつありますが、日本はドイツや、スイス、エストニアのように、匿名かつ、データは端末で管理しており、数週間でなくなるシステムです。反対に、シンガポールやカタールなどでは国がデータを管理し、個人情報も把握しています。
そこで、本題に入りますと、ココアはパーソルアンドプロセステクノロジーが厚生労働省から受注し行程管理を行いましたが、中身はマイクロソフト社の廣瀬さんを筆頭に、有志で集まったエンジニア集団が無償で開発しています。開発期間は、三週間。
安倍首相が全国の緊急事態宣言を解除する記者会見の中で、同アプリを「6月中旬に公開する」と明言していたため、なにがなんでも三週間で完璧に作り上げなければいけなかったそうです。
彼は自分一人では限界があるということ、自分がいなくても管理ができること、医療アプリのため、いかに透明性を高くしていくかを重視した結果オープンソースとして開発を進めていきました。また、プライバシー面ではとにかくアプリがデータを持たないようなサービスにしていけるように心がけ、ホワイトハッカー(悪意を持った攻撃からソフトウェアを守る人)にも解析してもらい、セキュリティ面でも安全という評価も得ています。
無事リリースしたものの、6月半ばで不具合や、開発体制への批判が相次ぎ、当時は廣瀬さんにも多くのバッシングが寄せられたそうです。
廣瀬さんはこの件でコミュニティーはメンタルともに破綻したとコメントしています。

ココアの開発背景を調べて思ったのは、開発者はプライバシーへの配慮を徹底して作ったにも関わらず、開発者がTwitterで直接批判されている状況はとても腹立たしいということです。
今回の件で廣瀬さんは基本部分の開発をしているだけで、行程管理などの大元を担当する委託会社が最終製品として納品するための責任を怠ったことで、起きてしまっているとしか思えません。
コロナ禍がいつまで続くかわからない現状で、IT化を進めていくことはとても重要ではありますが、そもそも無償でやってくれる人に頼っていたり、やりがい搾取の風潮で国のIT化を進めていくのでは、IT企業もどこも手を挙げたくないだろうなと思いました。

参考:ITmedia NEWS
参考:Yahoo!ニュース
参考:ダイヤモンド・オンライン
参考:東洋経済オンラインく