日本人がイグノーベル賞16年連続受賞

世界のユニークな研究に贈られるイグ・ノーベル賞を千葉工業大学創造工学部デザイン科学科の松崎元教授らの研究チームが円柱型つまみの回転操作における指の使用状況についての研究で「工業賞」を受賞した。
身の回りにあるつまみやグリップ、ノブなどを操作するとき、何本の指でどの位置に触れて回すのか。45本の直径が異なる円柱を32人の被験者に回してもらい、操作開始時の指の本数と接触位置を統計的に明らかにした。つまみの大きさや形状をデザインする際に役立つという。

引用:ITmedia News

─ YODOQの見方───────────────────────────

イグ・ノーベル賞とは?

ノーベル賞のパロディとして1991年にサイエンス・ユーモア雑誌『風変わりな研究の年報』を発刊する際に創設された、世界中の独創性に富んださまざまな研究や発明などに対して贈られる賞。ノーベル賞と英語の「ignoble(あさましい、不名誉の)」を組み合わせたもの。毎年秋、ノーベル賞の発表と同じころに、ハーバード大学のサンダーズシアターで表彰式が行われ、ノーベル賞と同様に、物理学、化学、平和、経済学、医学、文学など、毎年10組前後が選出される。賞金はなく、ユーモラスな賞品が授与される。

参考:イグノーベル賞/ジャパンナレッジ
参考:イグノーベル賞/ウィキペディア

記事のタイトルにもあったように日本は賞が創設されて以来、イグノーベル賞常連国となっている。例えば以下のようなかなりユニークなものがある。

・1992年 足の匂いの原因となる化学物質の特定という研究に対して
・2014年 床に置かれたバナナの皮を人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究に対して
・2020年 ヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見したことに対して

日本の大ヒット商品が受賞した例
・1997年 たまごっち 数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせたことに対して
・2004年 カラオケ お互いの曲をじっと聞くような、忍耐強さを鍛える新しい方法を編み出した

イグノーベル賞を受賞した研究が商品となって社会に貢献しているケース
・2011年 火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発
・2013年 たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究

ちなみにイギリス人も常連国となっているようで、例えば「映画『スターウォーズ』をみたバッタは興奮するか」のような研究で受賞している。
日本人やイギリス人に受賞者が多い理由として、イグノーベル賞創始者のマーク・エイブラムズ氏は「多くの国が奇人・変人を蔑視するなかで、日本とイギリスは誇りにする風潮がある」と共通点を挙げている。

参考:イグノーベル賞とは?面白い研究や日本人の受賞例とともに解説/アカリクコラム
参考:グノーベル賞日本人受賞者の一覧

10月に「イグ・ノーベル賞の世界展」が大阪の心斎橋PARCOで開催される。もし興味がある方は行ってみてはどうだろうか。
参考:「イグ・ノーベル賞の世界展」10月に大阪で