保険証一律25年秋まで可 厚労省、廃止後の猶予期間

厚生労働省は11日、マイナンバーと一体の「マイナ保険証」普及に向け2024年秋に廃止予定の健康保険証に関し、公的医療保険の種類にかかわらず、継続使用できる猶予期間を一律で25年秋までの1年間とする方針を明らかにした。
自営業者らの国民健康保険や75歳以上向けの後期高齢者医療制度の保険証には有効期限があり、これまで厚労省は24年秋の廃止後、期限が切れた時点で使用できないとしていた。

加入する保険によって対応に差が出ないよう、厚労省が方針を修正した。
会社員や家族が入る健康保険組合や協会けんぽの保険証には有効期限がないため、25年秋まで使える点に変わりはない。

厚労省の担当者が11日の立憲民主党会合で、有効期限がある保険証について「保険証の廃止後も1年間有効になるよう(運営主体の自治体などに)依頼し、円滑に施行したい」と述べた。具体的な運用については今後検討する。

引用:<Yahooニュース>
保険証一律25年秋まで可 厚労省、廃止後の猶予期間

─ YODOQの見方───────────────────────────

健康保険証の廃止とマイナンバーカードを利用するに当たってのメリット・デメリットなどを調べてみました。

1.現健康保険証の廃止
 2024年秋という報道でしたが、1年間の猶予ができた為、2025年秋まで利用は可能。ただし、2024年秋以降の新規発行・再発行は不可。

2.マイナンバーカードを利用するメリット
 ・より良い医療を受けることが出来る
 医療機関を受診した際に、薬の情報や特定健診の結果の提供に同意すると、医師等からご自身の情報に基づいた総合的な診断や重複する投薬を回避した適切な処方を受けることができる。

 ・窓口で限度額以上の支払いが不要になる
 高額な医療費が発生する場合でも、マイナンバーカードを保険証として使うことで、ご自身で高額な医療費を一時的に自己負担したり、役所で限度額適用認定証の書類申請手続きをする必要がなくなる。

 ・マイナポータルで確定申告の医療費控除がカンタンにできる
 マイナポータルから保険医療を受けた記録が参照できるため、領収証を保管・提出する必要がなく、簡単に医療費控除申請の手続きができる。

 ・就職・転職・引越後も健康保険証としてずっと使える
 新しい健康保険証の発行を待たずに、医療機関・薬局で利用できる。

3.マイナンバーカードを利用するデメリット
 ・病院の受付がスムーズになるということはない
 診療所ではカードリーダーが1台しか設置していない。
 患者自身が受診の都度、顔認証もしくは暗唱番号によるカード読み取りなどの操作が求められます。若者でも操作に2~3分の時間を要します。
 IT機器に不慣れな単身高齢の患者は補助が必要となり、むしろ受付業務が煩雑になり混乱するため、スムーズになるとは言えない。
 
 ・治療歴がすぐわかるので安心の医療が受けられる?
 閲覧できる医療情報のデータは医療機関が毎月保険請求するレセプト情報を元にしたものです。更新されるデータは最速でも2ヵ月以上前の物であり、実際の診療には役に立たないと言われている。

 ・「保険証廃止で閉院・廃院」が増える?
 マイナ保険証を利用するには医療機関・薬局で大掛かりなシステム整備が必要となり、補助金額を超える改修費用が必要です。
 高齢、小規模零細の医療機関では閉院・廃院を検討との声があがっている。
 <システム整備の主な内容>
  1.顔認証付きカードリーダーの設置(支払基金より無償交付)
  2.オンライン資格確認端末(パソコン)の導入・設定
  3.レセプトコンピュータの改修
  4.電子カルテシステム等の改修
  5.オンライン請求回線の整備

 ・「診察券が消えて持ち歩くカードが減ります」は本当?
 健康保険証を廃止してマイナ保険証に一体化するもので各医療機関が発行する診察券に関しては何も決まっていないそうです。

このように、良いことだけでないのは一部報道等でも言われているとおりで政府主導で半強制的に進めてはいるものの、世間・現場の声が反映されておらず、課題は山積みのようです。
便利になる部分もちゃんとあるので、今後、政府は医療団体・医療機関としっかりと検討していただきたいと思います。
また、2025年3月には、運転免許証の廃止も行われるそうなので、そちらも課題は色々出てきそうで今後注視していきたいところです。

参考:<マイナポータル>
https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html

参考:<全国保健医団体連合会>
https://hodanren.doc-net.or.jp/hokenshohaishi/