通信の秘密か著作権か NTT海賊サイト遮断に賛否

NTT、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTぷららの4社は4月23日、インターネット上の海賊版3サイトに対するブロッキングを実施すると発表した。ブロッキング決定の発端となったのは、4月13日に政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議が決定した海賊版サイト対策の進め方だ。「漫画村」「Anitube」「Miomio」などの海賊版サイトが、著しく著作権を侵害している状況を重く見た政府は、法整備が行われるまでの間、「臨時的かつ緊急的な措置」と位置づけ、「民間事業者による自主的な取組」であれば、ブロッキング実施は適当であると見解を示していた。

引用:http://news.nicovideo.jp/watch/nw3461123

─ YODOQの見方───────────────────────────

政府が海賊版サイトの対策に乗り出した。現在、被害総額が約4000億円とも言われている。しかし、今回のNTTの対応に対しては憲法違反との声が根強く議論を呼びそうだ。ひとつ目が「通信の秘密」に対しての問題だ。ブロッキングは通信事業者が利用者の通信を確認することになるため「通信の秘密」を侵害するという意見がある。また広い意味での「検閲」となる可能性も含んでいる。日本でもブロッキングは存在する。これは第三者機関が緊急避難に値すると判断しブロッキングを許可する仕組みだ。このブロッキングの解釈の場で海賊版サイトもブロッキングの対象になるかと議論されたが、侵害されているのが「著作権」であり財産権であるため緊急避難には当たらないと示されている。ふたつ目がサイトを運営する側の「表現の自由」と閲覧側の「知る権利」を侵害するという問題だ。また、政府の意向を忖度しブロッキングを行うことは「法治国家」の根底をゆるがしかねないとの声もある。