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声優の音声を生成人工知能(AI)でつくり無断利用する事例が増えているため、伊藤忠商事や日本俳優連合(東京)は14日、人の耳では聞き取れない波形などを登録できるデータベースを2025年度中に立ち上げると発表しました。
声優側が無断利用者に対抗する証拠として使用することができ、権利の保護強化に活用することができます。現行の法律では声が著作物として認められていないため、生成AIでつくられた音声と証明するには声優本人の証言に頼るしかなく、使用中止を求めるとしても、客観的な証明が難しいとされていました。
データベースは「J―VOX―PRO(仮称)」と名称がつけられており、本人であると証明できる情報を音声データに埋め込む「電子透かし」や声紋認識といった伊藤忠テクノソリューションズの技術を活用しています。
さらに、一定程度データが集まった段階でそれらの声を生成AIなどで活用したい企業や団体と声優らとのマッチングをする事業も始めるそうです。
引用:https://www.sankei.com/article/20251114-GIO2JH4QNJP7XD5XSYC3XB3VCY/
─ YODOQの見方───────────────────────────
本人であると証明するために使用されている「電子透かし」という技術について気になったため詳しく調べてみました。
電子透かしとは、「音声や動画、画像などのデータやファイルに、任意の情報を埋め込む技術」のことです。
電子透かしで埋め込む情報には、著作権者、使用許諾先、ロゴ、コンテンツのID、コピーの可否や回数、課金情報などが挙げられます。
電子透かしは、目に見えない形で情報を埋め込むため、専用のアプリケーションなどを用いて情報を検出する必要があります。
埋め込まれた情報の改ざんや削除は不可能になっており、書類の正規性を担保できるのが特長です。
電子透かしの有無でオリジナルかコピーかを見分けられるため、著作権の保護や不正コピーの検知に用いられます。
また、電子透かしは「知覚可能型」と「知覚困難型」に分類されます。
知覚可能型とは、画像などの上から透かし情報を追加するものです。一方、知覚困難型は、ステガノグラフィという通常の視聴では気付けない方法により、デジタルデータに情報を埋め込みます。
ステガノグラフィは電子透かしの元になった技術で、暗号のように情報を秘匿して伝達することができます。
この電子透かしを導入することにより、これまで著作権として議論されてこなかった「声」というコンテンツの権利や、顔や容姿などの肖像権、動画作成や文章などの著作権の保護強化を期待することができます。
AI技術は便利ではありますが、声や顔写真などの不正利用対策として、こうした本物かどうかを客観的に証明できる仕組みは、もっと普及されるべきだと思います。
参考:【NTT西日本】電子透かし|ICT用語集

