東京モーターショーで注目のメーカー

10月24日から、2年に一度開催される自動車関連の展示会、東京モーターショーが、東京ビックサイトで開催される。
自動運転など、いわゆるCASEと呼ばれる技術革新が注目される中、様々なメーカーが自社の製品やコンセプトを発表している。
日野自動車はトラックやバスなどの大型車両を製造販売しているが、今年は『FlatFormer』と名付けられたコンセプトカーを展示している。
本体部分は全長、全幅は4700×1700 mm と小型トラック規格だが、高さ335 mmと、台車状のデザインで、出力170 kw のモーターと50 kwh のリチウムイオン電池を備える。自動運転台車の上側ボディ部分はバス、トラック、美容室、自動販売機、ごみ収集リサイクル車など様々な機能を換装可能としている。
トラックと言っても荷台はオープンでコンテナを積み上げた状態になっており、ドローンとの連携によって荷物の積み下ろしをできるなど、車だけではなく社会における問題を解決するコンセプトを詰め込んだ内容になっている。

─ YODOQの見方───────────────────────────

今回、日野自動車はアニメ制作会社のサンライズが制作したアニメをプロモーションに活用しており、特設サイトでムービーを公開しています。
これまでのような「トラックを仕事で使う人だけ関係する」「バス・トラックの会社」のイメージを破るプロモーションです。

参考:日野自動車 東京モーターショー2019スペシャルサイト

日野自動車の過去のモーターショーの展示内容をすこしだけ追ってみました。
参考:response.jp

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2000年 トヨタ、ダイハツと共同出展
ハイブリッドディーゼル車、ネット型運送業支援システム
車椅子乗降に対応したバスなど

2002年
ノンステップ小型路線バス「ポンチョ」
→現在も各地でノンステップバスとして活躍中

2007年
「ファーストクラスバス」セレガ プレミア
→観光バス、高速バスなどで活躍中
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今年のモーターショーの出展内容が過去の出展に比べて異質なことがよくわかります。

かつてモーターショーといえばメーカーから新発売される「フラッグシップモデル」や斬新なデザインの「コンセプトカー」の発表の場所として認識されていたと思います。
今回の提案は、生活全般に及ぶ広い範囲での革新的なコンセプトを発信することで、これまでのモーターショーとは違った面白さがあると感じました。
日野自動車はこれまで「物流・運送業界の人」が主に注目するメーカだったように思いますが、今回はアニメという思い切ったプロモーション手段で、より幅広い人へ訴求しようとする意図が伺えます。
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■備考
170kwモーターは馬力換算すると230psで、一般的な小型トラックの出力としては十分。50kwhのバッテリー容量ではおそらく300㎞程度と予想できますが、商用車の走行距離としてはまだ不安がありそうです。