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半導体不足による「値上げの連鎖」が、家電にも波及し始めている

コロナ禍でコンピューター機器の利用が急増したことで、世界的な半導体不足が深刻化している。すでにノートPCのみならずテレビのような家電製品の価格上昇も始まっており、部品不足に端を発した「値上げの連鎖」が当面は続く可能性が指摘されている。 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、人々はZoom、Teams、Skypeを利用しての仕事や学習、プライベートでも動画・音楽など配信サービスの需要が急増したことにより、テレビやPC、タブレット、スマホなどの端末の供給も急増したことで、半導体の供給不足が世界的に起こった。このため、各製品メーカーはライバル他社に負けじと、サプライヤーからの供給を安定させるために他社より高い価格で発注を掛けることになる。 それによって半導体などの電子機器部品の価格が高騰している。 引用:https://wired.jp/2021/05/17/chip-shortage-electronics-prices-tvs-displays/ ─ YODOQの見方─────────────────────────── 半導体不足の原因や価格の高騰が波及する影響を調べてみました。 すでにあらゆる形態のデバイスがチップ不足の影響を受けています。 有名なところでは、昨年11月に発売されたソニーのPlayStation 5(PS5)はいまだに入手困難な状況が続いており、ソニーは、半導体不足が原因でPS5の品薄状態が2022年末まで続く見込みであると発表しています。 自動車業界も深刻で、生産ラインがストップするという報道が少し前に相次いで報道されていました。 根本の原因は、昨年の新型コロナウィルス感染症問題で世界の主要都市のロックダウンや緊急事態宣言により、2020年4-6月で自動車業界全体で30%以上販売台数が減少したことで、半導体メーカーは在庫を抱えるリスクがあるため、減産することになったり、他で好調な製品向けの供給を増やすことを行いました。 しかし、自動車業界に昨年後半から異変がおき、不調だった販売がV字回復を遂げ、2021年1-3月期では一気に各社前年を上回る増産状態となりました。 特にコロナウィルスからいち早く立ち直った中国での自動車の販売とEV車への投資が急速に進展したことで自動車業界の半導体不足は深刻化していきました。 それに追い打ちをかけるように、米国での大寒波やルネサスエレクトロニクスの主力工場の火災などにより、半導体の供給量が低下したことで世界的な半導体不足に陥ったというわけです。 では、半導体メーカーが販売チャンスだからといって急遽、大幅に増産できるのかというと、半導体の製造設備は簡単にすぐ作れるものではなかったり、半導体製造の装置を販売している中国のメーカーに対して、米国の経済制裁も影響していたりと様々な要素が絡み合っていたりします。 現在では、日本の自動車メーカー各社の3月決算での回復ぶりと21年度の好調予測となっていますが、コロナウィルスの影響でこれだけ、供給が乱高下するというのは、舵取りが難しく、様々なニュースなどをいち早く察知し、影響がどこまで及ぶかを見極みめられる力、経営判断力が非常に重要であると言えます。 我々の業界でも取引相手次第で、苦境に立たたされることもあるかと思うので、お客様の業界についても我々は常にアンテナを張っておかなければならないと改めて感じました。 参考:https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21969

日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃 佐川急便が配送用軽バンを7200台総取っ替えへ

4月、佐川急便の発表が自動車業界に激震を与えた――。 同社は保有するすべての配送用軽自動車(7200台)を、EV(電気自動車)に入れ替える方針を示した。多くの業界関係者が驚いたのが、そのEVをベンチャー企業が設計し、中国の五菱汽車が製造を受託するという点だ。ベンチャー企業の正体は、2020年6月に設立されたASF(東京都港区)。佐川急便が環境負荷の低減や燃料費も含めた総コストの削減、車両のカスタムによる配送業務効率化を図るため、車両の共同開発先に選定した。 航続距離は200キロメートル以上で、軽タイプの配送車が1日に走行する距離を十分まかなえるという。また、配送車の状況をデジタルで管理できるような端末を標準搭載する予定だ。 現状、EVはバッテリーの価格が高く、ガソリン車に比べて製造コストが倍近くかかることも珍しくない。ただ、EVメーカーや部品産業が集積する中国で既存メーカーに製造を委託したことで、この車体の1台当たりの製造コストは100万円弱と見られ、EVとしては優等生といえる。 引用:東洋経済オンライン 2021/05/17 また、このEVのカスタムは、佐川急便のドライバー約7200人に取ったアンケート結果などを反映している。例えば、商用車では使用することが少ない助手席の幅を短くして運転席の幅を拡張。ペットボトルホルダーはドライバーが飲むことが多いという1リットルの紙パック飲料が置けるよう、大きめに設計されている。 ASFという会社は、電気自動車の普及・促進を目的に、ファブレスメーカーとして設立されました。将来バッテリーを活用した持続可能な社会創りを見据えビジネスを展開します。また地球環境に配慮した事業として「持続可能な開発目標(SDGs )」や 気候変動に関する国際的枠組みである「パリ協定」など世界の共通目標を踏まえ、脱炭素社会の実現を目指しています。 引用:株式会社ASF ─ YODOQの見方─────────────────────────── この記事から次のような感想を持ちました。 ・日本で車を買うといえば、自動車メーカーというのが常識でした。世界的な傾向としても自動車産業というのは寡占状態であることがほとんどで、その既成概念をくずしてベンチャーと一緒に作ったというのは画期的なことだと思います。日本車といえばトヨタ、日産、ホンダという時代は、やがては過去のものになるのかもしれません。 EVのメーカーでは、世界的にもこの傾向は起こり始めており、2020年のEV(PHV含む)世界販売トップ20社の中には中国の新興メーカーが多くエントリーしています。 ・7200台で受注したというところから、多品種少量の生産が可能になってくるのではないでしょうか。いずれは車もオーダーで作れる時代がやってくるのかも知れません。 ・低価格を実現しました。これは低価格なEV生産に長けた中国で作ったためでしょうが、テスラのもっとも安い車種の434万円と比較すれば日本が企画した製品としては優秀だと思います。 ・SDGsや脱炭素といった大きなテーマだけではなく、使い勝手に考慮したことは素晴らしいと思います。ドライバーが好む1リットルの紙パック飲料が置けるようにした、なんていい話ですよね。物作りの基本を大事にしているのではないでしょうか。 ・ただ1点惜しい!と思ったのは「日本の物作りの粋を集めて、国内で100万円の車を作ってほしかった」ということです。 工場を海外に移転することによる製造業の空洞化はかなり昔から言われており、日本の産業構造の大きな問題です。また、特に最近はコロナの影響で材料の調達が乱れ、サプライチェーンの見直しは世界中の課題です。 かなり困難だとは思いますが、ここまで破天荒なことをやってくれたのです。ぜひ実現してほしいものです。

コニカミノルタ、販促物のQRコードで顧客動向を分析

コニカミノルタは、QRコードを使った販促支援システム「Printバル」を6月2日から発売する。 企業の販促物に印刷されたQRコードから、アクセスした顧客の情報を分析し、マーケティング支援につなげる。同社が印刷機を販売する印刷会社などに向けて提案する。 ダイレクトメール(DM)など印刷物を使った企業による販促は、顧客の反応を継続して追跡することが難しい。コニカミノルタのシステムでは、印刷会社が顧客ごとに異なるQRコードを印刷物に付与でき、顧客の動向をより深く分析できる。ウェブ上のメディアと同じように、いつ読み込んだか、ウェブ上でどのような行動をしているかといった情報を、販促に活用する。 印刷会社は、印刷物とデジタルマーケティングを組み合わせ、販促策の効率化などを提案できるようになる。コニカミノルタは、印刷機とシステムを合わせて販売し、印刷会社への導入を増やす考えだ。他社の印刷機でもシステムは使えるが、同社の印刷機を使用することで、検品などの作業工程を効率化できる。 引用:コニカミノルタ、販促物のQRコードで顧客動向を分析 ─ YODOQの見方─────────────────────────── コニカミノルタは複合機などを販売している企業ですが、記事のようなQRコードを使った販促支援システム「Printバル」を発売する背景には下記記事のような印刷業界の事情があるようです。 参考:印刷会社が進むべき16の事業領域~アフターコロナ時代を見据えて~ 参考記事にもあるように、印刷会社でも印刷物という「モノ」を提供するだけではなく、マーケティングや印刷物の流れに関わる業務を包括して受託するなど幅広い対応が必要になってきています。 紙の印刷物はデジタル技術の発展により衰退しているように受け取れますが、反面、紙媒体の可能性の広がりも見受けられます。 少し例を挙げると、ECサイトなどでカート落ちユーザーにカート内の商品画像データなどでパーソナライズしたハガキを最短24時間以内に自動で印刷・郵送するという仕組み(カート落ちDM)や、RFIDそのものを通電性インクで印刷し、紙をデバイスとして扱える研究も進んでいるようです。 情報媒体の中で紙とデジタルに優劣をつけるだけでなく、紙もデジタルコンテンツと連動したツール、デバイスとして扱うことができれば幅広く活躍する可能性を秘めていると考えます。

ホットサンドが食パン一枚で作れる「ホットサンドソロ」

開発したのは、新潟県燕市の金属メーカーである杉山金属が県内のデザイン会社などと立ち上げた「燕三条キッチン研究所」。2019年10月に販売したところ、巣ごもり需要やキャンプブームなどの影響を受け売れに売れており、工場は休日返上で稼働しているものの、注文数に追いつかない状況が続いている。 使い方は簡単で、開いた「ホットサンドソロ」(持ち手のついたたい焼きの金型みたいなもの)に食パンを一枚置き、中に具を置いてから閉じて両面数分ずつコンロなどの直火で焼けば完成。IHには非対応。 この商品が従来のホットサンドメーカーと異なるところは、食パンが一枚でホットサンドを作ることができるところです。 従来のホットサンドメーカーは食パン二枚の間に具を挟み作る仕様になっているため量が多いですが、朝食に食パンを二枚も食べる人はそんなにいないんじゃないか?子供には食パン二枚は多いんじゃないか?というところに目をつけてこちらの商品を思いついたようです。 引用:ITmedia ─ YODOQの見方─────────────────────────── 「ホットサンドソロ」は、ひとつずつしか作れない、というところがネックになっています。(もちろん「ホットサンドソロ」とコンロがあればあるほど同時にたくさん作れますが。) 一度に複数枚のホットサンドを作ることはできないため家族団らんで朝食、といった場面には向きませんが、調べたところ、恐らくターゲットにしていなかったであろうと思われます。 「ホットサンドソロケース」という持ち運びするための専用ケースを別売しており、ターゲットは今流行りのソロキャンパーだと思われます。そして、ターゲットであるキャンパーの皆さんには特に好評で「量が最適」「持ち運びしやすい」などの声が上がっているようです。 ターゲットを絞ることで、より利用者の利便性や好みを製品に反映しやすく、それが当たった時にヒットにつながりやすくなります。 また、キャンパーだけでなく子供のおやつにササっと作ったり、小腹が空いたときに一枚焼いたりなど、今までより更に手軽にホットサンドを楽しむことができるという点は、家庭での利用にも適しています。 ソロキャンプが趣味の方でこの商品を知らない、または一人暮らしの方、ホットサンドを手軽に食べたい!といった方は少し調べてみてはいかがでしょうか? 参考:ホットサンドソロ | 4w1h|燕三条キッチン研究所

ストリーミングの時代に、なぜアナログのレコードが売れているのか

多くの人が音楽を聴くのにストリーミングサービスを利用し、スマホやPCなどで楽しんでいる。 米国では音楽業界の収益の80%以上が、そういったストリーミングの広告やサブスクリプションからもたらされている。そんな音楽業界で少し前から、新たなトレンドが生まれている。レコードの人気が世界各地で急激に高まっているのである。 日本でも最近、時事通信がこんな記事を掲載している。「日本レコード協会(東京)によると、レコードの生産枚数は1970年代後半に年間約2億枚と全盛を極めたが、CDの台頭により2009年には約10万枚に減少。そこから増加に転じ、19年は約122万枚まで盛り返した」デジタル機器に囲まれた生活の息抜きに、レコードを聴く若者が増えているらしい。 引用:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/22/news021.html ─ YODOQの見方─────────────────────────── 記事内でもデジタル機器に囲まれた生活の息抜きにレコードを聴く若者が増えているという記載があった。 例えばスマートフォンで音楽を聴く場合、「次の曲は○○をかけよう」と考えて画面の操作を行ったりする。するとそこで各種SNSからの通知が目に入ってしまい、内容が気になって返信したりすることも多いのではないだろうか。 それがレコードの場合だとどうだろうか。 スマートフォンや機械を操作しなくても、レコードに収録されている時間分音楽は流れ続ける。 また、スマートフォンで音楽を聴く場合と異なり、レコードを聴くためにはレコードを探し、レコードプレーヤーにセットし、ゆっくりと針を落としてという手順を踏むため、気にいらなければ次々に曲を変えたりというような手軽な聴き方ではない。レコードを手に入れるためにも手間はかかるため、じっくりと曲を選ぶのではないだろうか。そうして選んだ、お気に入りの曲をゆったりした気分で聴くことがリラックスにつながるようだ。 意識的にデジタル機器から離れてリラックスしたい、という方にぜひおすすめしたい。

5割安、合成ダイヤ身近に 環境配慮で若者つかむ

炭素から人工的に作る「合成ダイヤモンド」が宝飾用として国内で広がり始めた。天然ダイヤと比べて価格が5~7割安く、加工技術の向上で輝きなどの品質も高まった。環境に配慮して生産する点が若年層に支持されている。米大手の日本進出など扱う店舗も増え、ファッションとして身近な存在になりつつある。 天然ダイヤは地球の深部で数十億年間、高温高圧の環境下で炭素が結晶化してできる。一方で合成ダイヤは工場内で地球深部を再現して作る工業製品だ。天然と比べて物質的な違いはない。価格は重さや輝きなどの等級によって異なるが5~7割安い。 世界300店を展開する合成ダイヤ大手の米スマイリングロックスは月内にも、日本向けの通販サイトを開設する。指輪やネックレスなど500点以上の商品を扱う。指輪の周りに計0.75カラットの合成ダイヤをあしらったエタニティーバンドは約11万円と20~30代の女性でも買いやすくする。実店舗では国内の宝飾店数店での導入が決まったほか、7月には大手百貨店で期間限定の売り場も設ける。今後はSNS(交流サイト)での動画配信や駅での電子看板などで認知度向上を図る。 ズールー・ゲブリヤ最高経営責任者(CEO)は「若年層の間で環境への意識が高まっており、日本は米国や中国に次ぐ合成ダイヤの市場になる」と話す。一般的なダイヤモンドの生産は森林を伐採して採掘し、大量の水で不純物を洗い流すなど環境面が課題だった。合成ダイヤは価格や品質だけでなく、環境に優しい特徴を打ち出し、エシカルを優先する若年層の消費行動に訴える 引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ25ACR0V20C21A2000000/ ─ YODOQの見方─────────────────────────── ダイヤモンドをはじめ宝石と呼ばれる石は、古くから権力や富の象徴として、また見た目の美しさから珍重されてきました。そのため、合成品や模造品も作られました。構造上の違いで大まかに分けると ・天然石:地球で育まれた天然の石 ・合成石:人為的に作られ、天然石と比べても化学的・物質的・光学的性質にほとんど違いがない石 ・人造石:天然石と同一成分ではなく、見かけだけを似せた石 ただ、天然石であっても加熱処理などの人工的な加工をすることで、色相や明度、色の濃さなどを変えたり、色ムラを無くし価値を上げている場合もあります。加熱処理をしていない製品を区別するために「ノーヒート」と明記され、販売されることもあります。 宝石の中でも最上とされるダイヤモンドの価値は4Cと呼ばれる品質を評価する厳密な基準があり、専門家が鑑定しています。それぞれの基準のグレードが上がると希少性が高くなるため高価になります。価値基準の各要素の頭文字が「C」で始まる単語なので、4 Cと言われています。 ・カラット:重さを表す単位で、1カラットは0.2グラム ・クラリティ:透明度を表し、傷・欠け・内包物(インクルージョン)の大きさ・場所・性質で価値が決まる ・カラー:色 無色透明に近い程、希少価値が高い 一定の色味を超えるとファンシーカラーとして評価される ・カット:形状・プロポーションやフィニッシュ(仕上げ)のことで、ダイヤモンドに注がれた光が光学的に最も効率よく反射させる形として考え出された58面体のラウンドブリリアンカットの基準 ダイヤモンドの輝きや煌めきを存分に発揮するための重要な要素で、他の3つが原石に依存する要素に対し、カットは職人の技術力に左右されます。 上記の4項目について複数の鑑定士によって鑑定された結果に基づいて発行されるのが鑑定書で、他の宝石には無いダイヤモンド固有のものです。他の宝石に発行されるのは鑑別書で、化学的検査を行った上で鉱物名や宝石としての種類などが記載されたものです。 ダイヤモンドの採掘には、様々な問題点が挙げられています。 1、環境への影響 ダイヤモンドの採掘方法にはいくつかあり、大規模な機材を必要とするパイプ鉱床や漂砂鉱床は企業が採掘現場を管理していて、近年では環境マネジメントシステムに関する国際基準であるISO14001を取得していたりしますが、ISO規格には環境パフォーマンスの評価に対する具体的な取り決めはありません。また、現地の住民が川床の砂利を掘って洗い流すことで原石を探す方法では、環境に配慮しない無理な採掘が行われるケースもあります。 2、人権の問題 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、およそ4000万人が手掘りの小規模鉱山で働き、その内の100万人が子供だと言われています。鉱山では、強制労働や危険な作業による死者の発生、水や食料の不足や不衛生な環境での労働などの人権侵害も挙げられています。 3、紛争ダイヤモンド 反政府軍が武器を調達するための資金源とするために取引し、売買されるダイヤモンドのことで、武力を用いて地元住民を強制的に働かせて採掘した原石を輸出しています。この取引で生まれる資金で、紛争が長期化するという問題が発生しています。 天然ダイヤモンドにまつわる上記の問題は人造ダイヤモンドではクリアできるため、エシカル(倫理観)を優先する消費者への訴求効果があります。ただ、技術が発達すると天然石と人造石の区別が難しくなるので、流通経路の透明性を保たなければ消費者が不利益を被る恐れも考えられます。 参考:https://diamondsforpeace.org/environmental-destruction/ 参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB130K9013042021000000/?unlock=1

コカ・コーラ社の改革とダブルループ学習

全国のスーパーの棚で2021年3月29日を境に、ある“異変”が起きる。見慣れた「コカ・コーラ」500ミリリットルのペットボトルがほぼ消え、350ミリリットルと700ミリリットルの2ラインが中心となる。なぜ売れ筋商品を大幅刷新するのか。その背景には客のニーズの変化を敏感に捉え、「当たり前」を疑った日本コカ・コーラの深謀遠慮があった。 引用:日経XTREND『【特報】コーラ500ミリがスーパーから消える 25年ぶり大改革 』 2021年3月25日付 ─ YODOQの見方─────────────────────────── ここ数年、500mlペットボトルに次いで、520ml、550ml、600mlといったやや大きめの商品が増えていることに皆さんは気づいているだろうか。 マーケティング目線での理由は、単純に、容量を多くすることによってより売れるから、である。 競合商品が多い飲料業界において、パッケージデザインや容器の形を変えることと同様に、容量を多くすることでお得感を生み、消費者に買ってもらう狙いがある。 飲料は原価が安く、広告宣伝費がコストの多くを占めていると言われている。 ペットボトルの容器を変更し、あるいは容器のぎりぎりまで飲料を詰め、数十ml増量するコストと、それによって生まれる販売数の増加を天秤にかけると後者の方が大きいのだろう。 あるいは、競合商品が増量することで、自社商品も増量せざるを得なくなっているのだろうと思われる。 ここ数年の動きを見て、消費者のニーズは、より大容量の商品に向いているように思えた。 今回、コカ・コーラ社は思い切って500mlをなくすという選択をとった。 コンビニとスーパーでの消費の違いなどは、マーケティング初心者でも思いつきそうな違いではあるが、「500mlは本当に必要か?」と、今までの常識を疑い、愚直に調査し、調査結果を活かして消費者のニーズに答えた。 THEマーケティング、という感じで素直にすごいな、と感じた。 ダブルループ学習、という言葉がある。 とある組織が、今回のコカ・コーラ社のように、既存の考え方や前提を覆し、新しい考え方や行動を取り込むことである。 逆の意味にシングルループ学習があり、これはいわゆるPDCAを繰り返し、過去の経験や体験から問題解決を図り成長していくことだ。 もちろんシングルループ学習も重要であるが、シングルループ学習は、ある一定ラインに到達すると壁にぶつかりやすいと言われている。 コカ・コーラ社は長寿企業だからこそ、よくある取り組みだけでは販売数の増加は難しかっただろう。 仕事でも同じことが言える。 目先の仕事の対応ももちろん大事だが、今目の前の作業をどう早く片付けるか、ということよりも、この作業はなぜ必要か、どこまで理解が必要か、といった前提を少しでも考えることで、将来的に見ればさらに成長できるのではないか、と感じた。

DXが解き明かす球の「キレ」

日本経済新聞 『DXが解き明かす、投手の「球のキレ」』 大谷選手やダルビッシュ選手が活躍するMLBでは、トップレベルアスリートの熾烈な競争が行われている。ロケットの弾道測定技術を応用した高度なセンサー技術、超高精度のカメラからボールの回転軸を測定することも行われている。 フライボール革命  統計データから、安打になる可能性の高い打球の速度と角度を抽出すると従来は禁忌とされていた「アッパースイング」をとる打者が増加。  結果、2017年、リーグ全体の年間本塁打数は史上最多を更新した。  このように、DXはビジネスだけでなく近年の野球界を大きく変えたと言われる。 このような背景には全試合全データをあらゆる人に公開し、提供してきたことが大きな要因となっている。 MLBのデータは当初、一部のコアなファンを楽しませる目的で公開されたが、これを物理学、航空力学、ロケット工学などの高度な専門知識を持った人々が解析することで様々な新理論が生まれてきた。 ダルビッシュ投手は投球の回転軸を意識してコントロールする練習をすることで、「球質」を改善し、2020年にはリーグ屈指の脱三振率をマークし、最多勝のタイトルを手に入れた。 ─ YODOQの見方─────────────────────────── 「オープンにすること」で誰でも新たな改善提案を行えるという点で、MLBの取り組みはオープンソースソフトウェアの発展に類似していると言えます。 今や世界中のスマートフォンで利用されている事実上の標準OSであるAndroidもLinuxやJavaを中心とするOSS文化から生まれました。 技術もデータも「オープンにすること」で、当初は想像もしなかった人が、思ってもみなかった使い方を生みだし、さらに技術の発展に貢献するイノベーションの形につながります。 個人情報など保護されるべきデータへの配慮が必要なのは当然ですが、「公開することが将来の価値を増大させる」というスキームは他にも適用する機会はありそうです。 特定の企業や団体だけが収益・資産価値の増大の恩恵を受けるのではなく、社会全体に還元される「イノベーションの理想の形」と言えそうです。 ────────────────────────────────── ■備考 sportiva ヤクルト1位木澤尚文が155キロを投げる理由。 大学生でも身近になったテクノロジーを活用することで、プロに迫るレベルのトレーニングを行うことができる。 過去長い間、「かつての名選手」が非科学的な言葉で「コツ」や「心がけ」を伝えることがコーチやトレーナーの役割でした。 現在では、この役割はテクノロジーによって変革を迫られています。

6時間睡眠の人ほど「体調不良に陥る」納得理由

忙しい日本のビジネスパーソンは総じて、睡眠不足に陥りがちです。しかし、「睡眠時間を削って働く」よりも「睡眠時間を1時間増やす」ほうが、圧倒的にパフォーマンスが上がるということが、科学的にも証明されているのをご存じでしょうか? 睡眠時間を削ると脳のパフォーマンスが著しく低下します。どのくらい下がるのかというと、6時間睡眠を14日間続けると48時間徹夜したのと同程度の認知機能になります。 これは具体的には、日本酒を1~2合飲んだときの「酔っぱらい状態」での認知機能に相当します。つまり、毎日6時間睡眠を続けている人は、「毎日徹夜明けで仕事をしている」「お酒を飲みながら仕事をしている」のと同じくらい低いパフォーマンスで、日々仕事をしているということです。 ● 多忙な人にこそやっていただきたいのが、「1週間限定、睡眠時間1時間アップチャレンジ」です。今日から「ずっと」睡眠時間を1時間増やさなければいけないというと「難しい」と感じるかもしれません。なので、ずっとやる必要はありません。「1週間限定」でいいので、いつもより1時間早く寝て、1時間だけ睡眠時間を増やしてください。「しっかり眠ると、こんなに調子がいいんだ」という気付きを得るだけで「睡眠改善」へと、大きな一歩を踏み出すことができるはずです。「睡眠時間を1時間増やす」は、最も簡単で、最も効果が得られる最強の仕事術なのです。 ●平日、睡眠不足の人は、「仮眠」をとるといいでしょう。仮眠によって、日頃の睡眠不足が無しになるわけではありませんが、「集中力低下」などの脳のパフォーマンスを改善し、健康に対する害を減らすことが可能です。アメリカのNASAの研究によると、26分の仮眠によって、仕事効率が34%アップ、注意力が54%アップしたそうです。 「正しい仮眠」を取るための5つのルール 1:30分以下20〜30分が効果的 2:眠る前にカフェイン摂取 約30分後にはカフェインの効果があらわれる 3:できれば身体を横に 4:15時までに終了 5:30分で食事、30分仮眠 60分の昼休みがある方は、30分で食事をして、残りの時間を仮眠に当てる。 引用:東洋経済オンライン 2021/04/07 ─ YODOQの見方─────────────────────────── この記事を選んだのは、僕の睡眠時間が約6時間~6時間30分ぐらいと短いこと。 また、特に最近、寝つきが悪かったり、夜中に何回も目覚めたりして睡眠の質が悪いと感じているからです。 これは、ひとつにはリモート勤務の影響があると思っています。リモート勤務の期間は生活リズムが乱れがちで、次の日リモート勤務ということでつい夜更かししたり、あるいは職住が一致していることによって、上手く切り替えができず、定時以降もリラックスできていないと感じることもありました。 そこで、一般的なコロナによる睡眠への影響というものを調べてみました。 新型コロナウイルス感染拡大以降、睡眠の質に変化が見られ、63.2%もの人が睡眠の質が悪いと感じていることがわかりました。 睡眠の質が低下した人の具体的な悩みとしては、「眠りが浅い」をはじめ、「夜中に何度も起きる」「寝ても疲れが取れない」「起床時に熟眠感がない」といったものが多く、深い睡眠がとれていない傾向がうかがえます。 睡眠の質が低下した人の睡眠不調の原因については、「不安やストレス等で、考え事が続く」という回答が最多になりました。 次いで、「遅寝遅起きの習慣化」や「生活リズムの乱れ」など、新型コロナ感染拡大以降の生活リズムの変化に起因する項目が多い傾向にあります。 その対策として挙げられていたのは、 ●生活変化にあわせた睡眠改善 睡眠の準備は朝から始まっている!起床後に光を浴びて「睡眠タイマー」を入れよう。 睡眠の準備は、朝目覚めて光を浴びたときから始まっている。一日の睡眠-覚醒リズムを調節する体内時計の周期は24時間より少し長いため、朝の光を浴びることで周期がリセットされる。 ●生活リズムを整えよう。 生活に ON/OFF の切り替えを。就寝直前の過ごし方を見直そう。 睡眠には“リラクゼーション”が非常に重要なポイントになる。夕方以降は、趣味を楽しむ時間をつくるなど、リラクゼーションを心がけてスムーズな入眠に繋がるような生活を習慣づけよう。 改めて読んでも、当たり前のことばかりなのですが、再び全国的にコロナの感染が拡大しつつあり、しばらくはこの状況が続いていくことは間違いありません。このような状況において、6時間睡眠や質の悪い睡眠によって健康を損ねることなく、仕事の生産性を落とさず過ごしていけるように意識して努めていきたいものです。 参考:@DIME 2020/10/5

日本は最低レベル──世界で進む「STEM教育」の重要性

今、アメリカが国家戦略として推進しているのが「STEM(ステム)教育」です。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Math(数学)の略で、これからの社会で最も成長が著しい分野として人材育成が急務となっています。国語、算数、理科、社会、図画工作、コンピューターなどの教科で得た知識と技能を総動員して、問題解決力や課題を発見する力など、社会のニーズに密着した実用的な力を鍛えることができます。 STEM教育と聞くと「理数系の難しい学問」という印象を持つかもしれませんが、コンピューターサイエンスやエンジニアリングへの関心を高め、ITやハイテク関連の人材育成につなげることが目的です。アメリカではSTEM教育は小学校からスタートします。多くの小学校がロボティックスやレゴリーグなど「グループ単位」でSTEM技術を競い合わせる楽しいアクティビティを取り入れています。子どもたちはデザイン、設計、制作、プログラミングなど、ロボット制作の工程を仲間と一緒に学習することができます。 日本の学校教育でもプログラミング教育が必修化され、STEM教育をカリキュラムに導入する動きが進んでいます。しかし世界の潮流と比較すると、日本のSTEM教育は大きく出遅れていると言えます。2012年にOECD(経済協力開発機構)が72カ国(または地域)の15歳の生徒に対して行った調査によると、日本はインターネットとコンピューターの学校内外での使用について、ほとんどの項目において世界平均を下回っていることが分かりました。 引用:https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2021/03/stem.php ─ YODOQの見方─────────────────────────── 日本でのSTEM教育の取り組みで真っ先に挙げられるのが、2020年度より必修となった小学校でのプログラミング教育かと思います。 プログラミング教育を実施する前の課題の一つとして、教員の知識・経験が不足していることが挙げられます。 必修となってから1年が経過したばかりなので、教育の実施結果や効果を確認することはできませんでしたが、2017年に行われた下記の研究が参考になりそうなのでご紹介します。 参考:h各教科等横断的なプログラミング教育の実践による小学校教師の変容に関する考察 上記の結果にもあるように、教員の自信は1年間のプログラミング教育実施前後で大きく変わっており、小学校教育の範囲では教員の知識や経験不足が大きく問題になることは無いと考えられます。 また、CSR活動の一環としてSTEM教育を行っている企業もあります。 参考:https://ps.nikkei.co.jp/murata2103/ 今後も官民が協力して課題解決に取り組むことが期待されます。

大塚家具が7年ぶり増収 “家具や姫経営”脱却で黒字転換に光

大塚家具は21年4月期第3四半期決算は売上高199億8400万円と、7年ぶりの増収(前年同期間比3%増)となった。通期は赤字での着地予想だが、業績改善が進み、来期の黒字化が見通せるところまできている。 創業者の大塚勝久氏の長女、久美子氏が昨年12月に社長を退任。大塚家具は一族経営に幕を閉じ、ヤマダホールディングス社長の三嶋恒夫氏が会長兼社長に就任。現在、ヤマダ主導による経営再建が進められている。 引用:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/286416 ─ YODOQの見方─────────────────────────── 大塚家具は打倒イケヤという目標を基に「高級路線」から「カジュアル路線」への経営転換を行ったのだが、今までの大塚家具のアップセルの手法(予算よりもちょっと高いものを買ってもらうように商品を販売する)といった従業員のスキルや、高価ではあっても本当に品質が高く良い家具を作るという職人やその仕入れルートを破棄することになり、ただの新参者の新業種参戦という形になってしまった。 今まで培った営業スキルや商品知識、家具のクオリティを活かすこともなく、路線転換後の営業も赤字を続けることになり、最後まで黒字転換はできなかった形になる。 方向転換は転換でも自社の特性を理解した上で、何かしらその特性を活かした転換でないと、新規参入と同じようにギャンブルの特性が強くなり、思ったようなマーケティング戦略は難しかった事例と言える。

風邪薬の販売数が最低に

新型コロナウイルスの感染対策により、一般用医薬品(大衆薬)の総合感冒薬の売れ行きが低迷している。インテージヘルスケア(東京・千代田)によ ると、2020年の総合感冒薬の販売額は787億円だった。同社が大衆薬の市場調査を始めた1996年以来、最低額となった。 引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ014XM0R00C21A3000000/ ─ YODOQの見方─────────────────────────── この冬のインフルエンザは流行せずにシーズンを終えた。これは、厚生労働省が今の方法で調査を始めた2000年以降で初めてのことだそうだ。 インフルエンザの報告を基に推計した全国の患者数は2月初めの1000人が最も多かったが、同時期のコロナ感染者数の1万5千人と比べれば桁違いに少なくなった。 インフルエンザの患者数が少なかったのは日本だけでなく、世界的に見ても同じような傾向で、これは海外との往来の制限や3密を避けるといったコロナ対策が影響していることは間違いないと言われている。 ちなみに、インフルエンザのワクチンの供給量についても、今のワクチンの種類になった平成27年度以降で去年~今年のシーズンが最も多かった。対応側としても、インフルエンザと新型コロナの症状が似ていることから、できるだけインフルエンザ患者を減らすよう接種を呼び掛けることが重要だったとの事。 今のような予防法は、どの感染症であっても効果があるのではないだろうか。 参考: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG30AII0Q1A330C2000000/ https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000704142.pdf

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