5月に南港のサントリーミュージアムにて、安藤忠雄建築展があり
参加したことは、過去に記載しましたが、その際に購入した安藤忠雄
の自伝がやっと読み終わりました。
普段あまり仕事と関係の浅い本を読まない私としては勉強になる点が
多々ありました。
内容は、これまで手がけた建築物の紹介をもとに、建築企画、設計に
携わる時の経緯、考えを綴っています。
安藤さんの建築は、コンクリートの打ちっ放しという所に特徴があります。
なぜコンクリートを選んだかということについては、何点かの理由がある
ようですが、コンクリートはどこでも自由な形をつくることが出きる反面、
素材感としては美しいものではないという常識があり、建築の表を表現するもの
とは考えられていなかったようです。
この点に対する可能性の挑戦という風に書かれています。
そして、それぞれの建築に携わる時に、それぞれのテーマを実現する
ことに対して、妥協せず取組むことを実践されている所に凄さを感じ
させられ、また評価される点だと感じました。
時には、機能性の問題、価格(コスト)の問題、立地条件の問題、問題
を克服することで新しい物が生まれてくるという使命感のようなもの
に感銘をうけました。
色々な表現で自身の考えを書かれていますが、私の心に残る点として、
1つの建築物を手がける場合、その周りの建造物、自然、環境はもと
より、歴史、周辺住人の愛着までもを考える点にあります。
西洋では比較的その点が一般的でありますが、日本でそれを実践する
ことの難しさは想像するだけでも大変なことに思えます。
安藤さんは自身達のことを
「共通の理想をかかげ、信念と責務を持った個人が、我が身をとして
生きる「ゲリラ」の集まり」
と表現しています。その通りだと思い、自分の仕事をも再確認できま
した。
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